「生理前の肌トラブル」「生理中のお酒」月経にまつわる“ウワサ”の本当!

思春期に始まり50歳前後で閉経を迎えるその日まで毎月のように訪れる月経は、女性の人生のパートナーと言っても過言ではありません。しかし現実には、腹痛や腰痛、眠気や食欲の増加、気分の浮き沈みなど、月経を起因とした女性特有の症状に悩まされている女性も少なくないのです。

そこで今回は、月経前後に女性を悩ませる困り事から、日常生活のなかで起こる身近なものや、ストレスに直結しやすい「肌トラブル」と「飲酒」の2つのトピックスをピックアップ。月経にまつわる悩みの本当のところとその対処法を、管理栄養士で公認スポーツ栄養士の高須希代さんに伺いました。

合わせて前回の記事もチェック!

フェムテック tv:『「朝食」「魚」「発芽玄米」で生理前のイライラ、落ち込み、強い眠気を緩和しよう!

生理前は肌トラブルが起こりやすい?

月経前になると、ニキビや吹き出物ができたり、いつもの化粧品が合わなくなったり……。肌がいつもと違う状態になる、という話はよく聞きますが、はたして本当に月経と関係があるのでしょうか?

「月経前の時期に肌が荒れやすいのは、女性ホルモンの観点からも、たしかに言えることです。女性の体内では、排卵後から月経前にかけて、『エストロゲン(卵胞ホルモン)と『プロゲステロン(黄体ホルモン)』という2つの女性ホルモンが多く分泌されるようになります。これらのホルモンの分泌量が増すと、皮脂の分泌も活発になり、肌がいつもよりも脂っぽくなったり、毛穴が詰まってニキビや吹き出物ができやすくなります」

出典:スマート・ライフ・プロジェクト

何となくそう思っていたというだけではなく、実際に女性の体内ではホルモン分泌の増加に伴う皮脂分泌過多な状態が起こっていたのですね。月経前の肌荒れ防止におすすめの食べ物があれば教えてください。

「皮膚を健康に保つのに良いとされているビタミンB2を多く含む食材を摂取し、肌のターンオーバーを促すことが大切です。ビタミンB2を多く含む食材として、牛乳やヨーグルト、アーモンドなどがあるので、肌トラブルが気になる方は、この時期のおやつにはこれらの食材を摂取してみてはどうでしょう?」

納豆や豆腐、豆乳は一石二鳥!

「また生理前の肌荒れに悩む女性に、私が特におすすめしたいのが大豆製品です。大豆製品はビタミンB2を多く含むだけでなく、ホルモンバランスを整えるのに効果的だと言われているイソフラボンも豊富で一石二鳥。納豆や豆腐、味噌や豆乳などの大豆製品を摂取することを心掛けてみてください」

逆に避けたほうがよい食材はありますか?

「先ほども述べたように、月経前の時期は皮脂の分泌が活発になり、肌が普段より脂っぽくなりがちです。そのため、油の摂りすぎには注意が必要です。

月経前になると、普段よりも甘い物が食べたくなる女性も多いかもしれませんが、チョコレートや菓子パンにはたくさんの油が使われているので避けたほうがよいでしょう。どうしても食べたい場合には、洋菓子よりも、油の比較的少ない和菓子がおすすめですよ」

生理中にお酒を飲んではいけない?

「生理中はお酒を控えたほうがよい」「生理中はいつもより酔いやすい」という話しもよく耳にします。本当のところはどうなのでしょう?

「どちらも本当です。月経中は、経血の排出により体内の血液量が減少するため、いつもと同じ量のお酒を飲んだとしても、体内の血中アルコール濃度が高くなり、酔いやすくなります。

また同じ理由で、月経中はアルコール分解能力も低下しています。完全にお酒を断ったほうが良いとは言いませんが、体調が良いからといって、いつもと同じようにお酒を飲んでしまうようであれば、飲酒を控えたほうがいいかもしれませんね」

「飲酒をすると生理痛がひどくなる」と聞いたこともあるのですが、それはどうでしょう?

「それも本当です。お酒を飲むことで血管が拡張し、子宮内膜が圧迫されるため、月経痛をより強く感じるようになるのです。血管が拡張するということは、月経前の症状として腰痛や頭痛が出やすい人は、それらの症状も強くなるということ。体調が優れない場合には、やはり飲酒は控えたほうがよいでしょう。ただし、体調に問題のない場合にいつもより控えめにアルコールを楽しむ程度であれば問題はないと思いますよ」

おつまみにはチーズやナッツがおすすめ

月経中の飲酒で気を付けるポイントがあれば教えてください。

「どうしても飲みたい時には、ホルモンバランスに悪影響を与える血糖値の急上昇や乱降下を招かない、糖質の少ないお酒がおすすめです。焼酎やウイスキー、ウォッカ、ラム、ジンなどの蒸留酒ですね。

それらを割って飲む場合にも、糖分の少ない烏龍茶や炭酸水を選ぶのが良いでしょう。また身体を冷やすと血行が悪くなり、月経痛が出てしまう可能性もあるので、できれば温かいお茶やお湯割りで飲むほうが身体の負担は軽減されるでしょう」

お酒と一緒に楽しむおつまみは何が良いですか?

「枝豆やチーズ、ナッツや豆腐などは糖質が少ないのでベストです。果物に含まれる果糖にはアルコールの分解を助ける効果もあると言われているので、飲酒後に果物を食べたり、果汁が入った飲み物をお酒と一緒に飲むのもおすすめです。ちなみに、逆に糖質の多いイモ類やパン、パスタやスナック菓子は避けて欲しいですね」

過度な我慢はストレスになり、月経に伴う不快な症状を助長する恐れもあります。上手に食材を選びながら、適度な食事やアルコールを楽しむことを心がけましょう。

高須希代氏

管理栄養士、公認スポーツ栄養士 。東京都内の心療内科クリニックで15年間にわたり食事カウンセリングを行う。5000通り以上の食事記録をもとにアスリートへの食事指導も。現在はフリーランスの栄養士として、スポーツ栄養サポート、各種学校での指導、講演、レシピ開発などに携わる。

【フェムテック tvアンケート】生理前、生理中の症状の違いが浮き彫りに!

イライラする、食欲が高まる、お腹が痛くなる、肌の調子が悪くなるといったように、生理前から生理中にかけて、女性の身体にはさまざまな症状が表れますよね。では、生理前と生理中の症状では、どんな違いがあるのでしょうか。2030代の女性300名を対象に、アンケート調査を行ってみました。

生理前は気持ち的にも身体的にもしんどい

Q.生理前に身体の不調を感じますか?

「はい」と答えた人は75%。とても大きな数字ですね。女性の7割以上は何かしらの不調を感じているというということですが、具体的な症状は下記の通りです。

1位 頭痛、腹痛 23.4

2位 イライラする 15.8

3位 肌荒れ 11.5

4位 眠気 11.0

4位 乳房のハリ、痛み 11.0

腹痛や頭痛、乳房のハリや痛みといった身体的な症状に加えて、イライラするといった精神的な症状も表れています。中には、倦怠感や無気力、気分が落ち込むといった症状が表れる人もいるようです。

身体的な不調が起こると精神的にも落ち込みやすくなりますし、その逆もしかり。ダブルパンチを受けている生理前は、仕事のパフォーマンスや日常生活への影響は回避できない状態と言えるかもしれません。

月によって症状が異なる人も多い

Q.生理前に身体の不調を感じる人は、毎月同じ症状ですか?

「生理前に身体の不調を感じる」と答えた75%の人に聞いてみたところ、41%の人は「いいえ」と回答。それは、4割の人が毎月異なる症状に悩んでいるということ。

・イライラすることもあるし、お腹が痛くなることもある

・薬を飲まないと過ごせないくらいひどい症状の時もある

2ヶ月に1回くらいのペースで症状が出る

・その時に疲れているところに痛みが出る

月によって症状が出たり、出なかったり、度合いが違うという人もいます。さらには、「症状は出るんだけど、どこに出るかはわからない」という人も。「今月はどんな症状が出るんだろう」という状況だけでもストレスになるうえ、症状が出ないように事前に対策を講じることも難しくなりますよね。

生理中は身体的な痛みが起こりやすい

Q.生理中に身体の不調を感じますか?

生理前よりはやや少なくなるものの、生理中に不調を感じる人も70%を超えています。その具体的な症状を調べてみました。

1位 腹痛 60.6

2位 下痢または便秘 30.3

3位 眠気 29.8

4位 頭痛 22.3

5位 イライラする 19.1

生理前に比べると、身体的な不調が上位を占めているのが特徴です。「2日目までは薬が必要」と答えるほど、経血量が多いことに伴って症状が重たくなるという人も。特に、腹痛や頭痛といった痛みは、我慢するのもストレスですし、とはいえ、薬を服用すると種類によっては眠気が起こることもあったりして、いつも通りに過ごせるわけではないのが難点です。

自己解決している人が多い?

今回のアンケートでは、7割を超える女性が、生理前、生理中に不調を感じていることがわかりました。それと同時に、興味深い事実も判明しています。

それは、不調を感じているのにも関わらず、何もしていない人が多いことです。

Q.生理前の不調を改善のために何か服用しているものがありますか?

Q.生理中の不調を改善のために何か服用しているものがありますか?

生理前も、生理中も不調は改善していこう

不調が表れているということは、要因となる何かがあります。病気が隠れている可能性も否定はできません。専門医に相談することで、自分に合った対策が見つけられることもありますし、薬についての疑問や副作用の不安を解消することもできます。

また、当たり前のように起きていた症状が改善すると、生理前や生理期間中が今までよりも快適に過ごせるようになるかもしれません。

そして、どんな症状でも、「コントロールできないし」「我慢すればいいし」と、自己判断で解決することはできません。毎月のおなじみの症状だったとしても、新たに気になる症状が表れた時も、専門医に相談する機会を作ってみてくださいね。

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「フェムテック tvアンケート 2021」
・調査エリア:全国
・調査母数:20代〜40代の男女300名
・調査期間:2021年5月4日~5月17日
・調査方法:インターネットリサーチ
・調査主体:フェムテック tv
・調査機関:SHINOBIアンケート
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【公認心理師・山名裕子先生のココロの処方箋】〈CASE:4〉生理前になると不安が強くなって彼に大量メール…どうすれば止められる?

月経やPMS(月経前症候群)、セクシャルな問題など、女性には特有の悩みや不調がつきものです。その症状は、痛みとなって身体に現れるだけでなく、時に女性の心にも重くのしかかります。なかなか人に話すことができないそんな女性特有の心の問題への対処法を、公認心理師の山名裕子先生に伺います。

〈今回のお悩み〉

「生理が始まる少し前になると、急に不安感が押し寄せ、心が不安定になりがちです。その時期になると、付き合っている彼氏が本当に私のことを好きかどうか不安になり、夜中に大量のメールを送ってしまうことも。彼を困らせたいわけではないのに、どうすればいいのでしょう?」(20代・会社員女性)

不安な気持ちを紙に書き出してみる

「月経が始まる3~10日ほど前になると、だるくなったり、眠くなったりといった変化が身体に現れたり、イライラや気分の落ち込みといった心の不調が現れる症状のことをPMSと言います。今回の相談者さんも、このPMS症状によって不安感が増しているのではないかと考えられます(山名先生、以下同)

日本では、月経のある女性の約7080%が月経前に何らかの症状を感じ、そのうち日常生活に支障をきたすほどの強いPMSを示す女性の割合も5%ほどいると言われています。(1)不調の原因がPMSに起因しているものだと気が付いていない女性も多いそうですね。

「そうなんです。PMSの症状は、月経前の黄体期に身体のなかで起こる女性ホルモンの急激な増減によって引き起こされると考えられています。辛い症状がPMSによるものか否かを見極めるためにも、月経が始まる頃にそれらの症状がどうなっているのかをチェックしてみてください。月経開始とともに症状が治まる場合は、PMSの可能性が高いと考えられます」

―PMSの症状が出る時期にパートナーとのトラブルが増える、という女性は多いのでしょうか?

「そういった女性からの相談は多いですよ。

一番身近な存在であるパートナーに、イライラや不安感の矛先が向いてしまうケースが少なくありません。こういった困りごとを抱えている女性へのカウンセリングでは、まずはその漠然とした不安感や辛さを紙に書き出していただくようにしています。たとえば10分と時間を決めて、心に浮かんだ思いを自由に書き留めていただくのです」

生理が始まってみると「なんてことない」

それはどういった効果があるのでしょう?

「その後、月経が始まって気持ちが安定しているときに再びお越しいただき、前回、書き留めたメモをクライエント様と一緒に振り返って分析をします。私が、この頃はこんな風に思っていたようですが、今はどうですか?とお聞きすると、何でこんな風に感じていたのか、今読み返すと信じられないとおっしゃる方も多いのです。

たとえば、月経前の心が不安定になっている時期に、仕事が忙しいと彼があまり会ってくれないが、本当はもう私のことなど愛していないに違いないとか、残業と言いつつ浮気をしているのではないかと不安で、返事が来るまで何通もLINEを送ってしまう。本当は止めたいのに……”などと書き綴っていた女性がいたとします。

彼女にPMSの症状が出ていない時期にそれを読んでもらうと、何も根拠がないのに勝手に彼を疑って、不安になっていたのが不思議で仕方ない”“今はこの気持ちはまったく感じないとおっしゃったりするんです」

たしかに自分の心が不安定になると、相手は何も悪くないのに、勝手にマイナスな妄想が膨らんだりしますよね。

「紙に書き出し、自分の気持ちを客観視することで、次に同じような症状が現れたときには、これは一時の感情にすぎないのだから、彼を振り回すような行動はやめておこうと、冷静な判断ができるようになります。それに、時間を決めて自分の気持ちを書き出す行為自体も、実は大事なメンタルケアの一環なのです」

今の自分と向き合う「ジャーナリング」とは?

「これは『マインドフルネス』の『ジャーナリング』と呼ばれる手法のひとつです。過去の経験や先入観にとらわれることなく、今のあるがままの自分自身に心を集中させ、心を整えるシンプルな方法です。書いた内容について良い悪いとジャッジしないこともポイントです。

紙に気持ちを書き出すことで、書くという行為に集中し、漠然としていた不安感からいったん離れて気持ちを切り替えることができます。また、思いを書き、吐き出すことで、心の負担を軽減させる効果にも期待できます」

それなら自宅でも気軽に実践できそうですね。

「そうですね。心が漠然とした不安感やネガティブな気持ちに占領されそうになったら、その気持ちを紙に書き出してみてください。書くことで気付くこともありますし、後日、その言葉を見返してみたときに、意外と私、なんでこんなネガティブに考えていたんだろう?と、冷静な判断ができるかもしれませんよ」

人に会って気持ちを話す機会が少ないコロナ渦の今だからこそ、セルフケアも大切にしたいですね。

もともとの性格も一因

「PMSの影響で心が不安定になること自体は誰にでも起こりうることなのですが、そういうマインドに陥りやすい人と、そうでない人はいるような気がします。もともとの考え方の癖や性格が、PMSの症状に影響を与えると考えられるのです」

どういったタイプの女性が、PMSの時期に心が不安定になりがちなのでしょう?

「真面目で完璧主義者な方が多いように感じます。

そういった性格は仕事をする上ではプラスに働くこともあるのですが、無理をしてしまう人が多いのです。イライラしたり気分が沈んだりしても、外では平気なフリをしているうちに、その反動が、身近な夫や彼といったパートナーに向けられてしまうのかもしれません。自分の性格や思考回路の癖、心が不安定になりがちな時期を自覚し、無理をしすぎないことが大切です」

PMSによる心の不調は、ホルモンや自律神経の乱れから引き起こるもの。思い当たる節のある方は、これらの方法を一度試してみてはいかがでしょうか?

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参考:公益社団法人 日本産科婦人科医会「月経困難

山名裕子氏(やまな ゆうこ)

1986年生まれ、静岡県浜松市出身。公認心理師。「やまなmental care office」を東京青山に開設。心の専門家としてストレスケアからビジネス・恋愛などの悩みへのカウンセリングを行っている。メディア出演や講演会活動も多数。

山名裕子YouTubeチャンネル:「心の専門家チャンネル

【公認心理師・山名裕子先生のココロの処方箋】〈CASE:3〉生理前に勃発!夫との大ゲンカを防ぐ「アサーティブコミュニケーション」とは?

月経やPMS(月経前症候群)、セクシャルな問題など、女性には特有の悩みや不調がつきものです。その症状は、痛みとなって身体に現れるだけでなく、時に女性の心にも重くのしかかります。なかなか人に話すことができないそんな女性特有の心の問題への対処法を、公認心理師の山名裕子先生に伺います。

〈今回のお悩み〉

「生理前になると夫とのケンカが多発します。先日は些細なことからケンカがエスカレートして、相手を深く傷つけるような言葉を浴びせてしまいました。生理前に増えるパートナーとのトラブルを防ぐ方法はありませんか?」(30代・主婦)

症状を共有することが解決への第一歩

「月経前にパートナーとのトラブルが増えてしまう、という悩みは、私のメンタルケアオフィスのクライエント様からも多く寄せられる相談のひとつです。その時期になると、いつも以上に相手の行動や言葉にイライラしたり、不安感が強くなったり……。これはPMSの症状のひとつなのです」(山名先生、以下同)

月経前の黄体期に起こるホルモンバランスや自律神経の乱れによって、女性はこの期間、精神的に不安定になりやすいんですよね?

「そうなんです。そしてこのような相談は、実は女性からだけではありません。『パートナーの精神状態が不安定になってケンカが絶えず、どうしていいのか悩んでいる』と相談に訪れる男性もいらっしゃいます。なかには、『妻が生理前になると、普段とはまるで別人のような性格になってしまい困惑している』と訴える男性も。こういったケースでは、私はカップルカウンセリングをお勧めしています」

カップルで一緒にカウンセリングを受けることで、どのような効果を生むのでしょう?

「女性が月経前になると怒りっぽくなるのは、女性ホルモンの影響からなのだということをお互いが認識することが、トラブル回避の第一歩になります。パートナー同士、共に向き合う姿勢が大切ですね」

自分の月経周期を把握しよう

「男性には、月経に伴う女性の心身の変化を実感することはできません。けれど、女性にはそういう時期があるものだという知識があれば、たとえば普段はそんなことではイライラしない妻が怒り出したときに、月経前にケンカになりそうになったら、自分の言い方を少し変えてみようとか、時期がすぎれば収まるだろうから、今はどんな言葉も受け止めようと、男性側の許容範囲も広がるかもしれません。

また、女性側も月経前はケンカになりがちだから、物理的な距離をおこうとか、イライラしないために、自分がリラックスできる予定を入れておこうと、対処法を考えておくこともできるでしょう」

そのような対処をするためにも、女性自身が自分の月経周期をきちんと把握することが大切ですね。

「そうですね。相談を受けているなかで意外と多いのが、パートナーに妙にイライラするなとは思っていたけど、実はそれが生理前の時期だったということに後から気が付いたという女性の訴えです。今は月経スケジュールを管理してくれるスマホアプリなどもあるので、まずはきちんと自分の身体のリズムを把握することが大切です」

「アサーティブコミュニケーション」を心がけよう

「カップル間のトラブルを防止するためには、相手とのコミュニケーションの取り方も重要です。ケンカの最中には、どうしても相手を傷つけるような言葉を発してしまいがちですが、それでは根本的な問題解決には至りません。『アサーティブコミュニケーション』という方法をご存じでしょうか? これは相手を尊重したうえで、自己主張もしっかりするコミュニケーション方法のことです」

たしかに、ケンカがエスカレートするとお互いに攻撃をしあうばかりで、根本原因からどんどん逸れてしまうことがよくあります。

「『アサーティブコミュニケーション』では、自分の状況を言葉にしてきちんと相手に伝えつつ、それを聞いた相手の意見や立場も尊重することが重要視されます。自分の主張を一方的に述べるのではなく、相手の気持ちや考えを尊重し、対等な立場でコミュニケーションを取るためのテクニックなのです。

たとえば女性は、今は月経前でどうしてもイライラしてしまう時期なのだということを、攻撃的な言葉を避けてパートナーに伝えてみましょう。男性も、女性の状況を理解した上で心に寄り添う言葉をかけ、自分ができることと、できないことを丁寧に伝えましょう。

お互いが相手の状況を理解し、考えを尊重することで、自分たちなりのトラブル回避の方法が見つかるかもしれませんよ」

女性特有の辛い症状や悩みをパートナーと共有することで、月経前の心が不安定になりがちな時期も穏やかに乗り切ることができるかもしれません。

山名裕子氏(やまな ゆうこ)

1986年生まれ、静岡県浜松市出身。公認心理師。「やまなmental care office」を東京青山に開設。心の専門家としてストレスケアからビジネス・恋愛などの悩みへのカウンセリングを行っている。メディア出演や講演会活動も多数。

山名裕子YouTubeチャンネル:「心の専門家チャンネル

【今月のFな人】 第1回:鈴木奈々さん×高橋怜奈医師〜前編〜「鈴木奈々さんも悩んでいる! 30歳からピルってもう遅い…?」

生理前の体調不良と気分の落ち込みに時折悩んでいるという、鈴木奈々さん。ネットで調べたところ、ピルを飲むとPMSの症状が落ち着くと知ったけれど、33年間、ピルは未経験。今から飲み始めるピルって意味があるの?そして、そもそもピルって安全なの Over30からはじめるピルについて、婦人科医の高橋怜奈先生に教えていただきました。 

PMSに年齢や健康状態は関係する?

鈴木奈々さん(以下鈴木さん):先生、今回色々お話を伺えると聞いて、とっても楽しみにしていました! さっそくですが、30歳を超えたころからPMSが酷くなってきているみたいで今日も、まさに生理前なんです! あと3日ぐらいでくるんじゃないかな? だからすっごく精神状態が不安定になりやすいです。いつもは元気なのに、生理前になると落ち込みやすくなったり、イライラしがちだったり

高橋先生:鈴木さんもPMSで悩んでいたんですね。まずはPMSの仕組みからお話させてください。PMSはそもそも、身体が妊娠に向けて準備をする中で、排卵をするために起こります。この排卵によって女性ホルモンの大きな変動が起こり、その女性ホルモンの波によって体調不良やメンタルに問題がおこるのです。つまり、PMSの原因は女性モルモンの波によるものなので、健康体な女性でも起こる可能性がある症状なのです。PMSの定義としては、生理前の310日前から起こりうる、身体的不調や精神的不調で、生理がはじまると改善したり、治まったりする状態のことを呼びます。

PMSはホルモンバランスの他に、生活環境も原因となる

鈴木さん:私は30歳をすぎてから、症状が悪化している感覚があったのですが、年齢によって酷くなることもあるんですか?

高橋先生:もちろん、年齢とともに悪化するという人もいらっしゃいます。ただ、PMSの原因は女性ホルモンの波の他に、生活環境やストレスによって引き起こされることもあるため、一概に年齢のせいとは言い切れないですね。女性も年齢を重ねるごとに、仕事でも責任のあるポジションを任されたり、子育てに悩んだりなど、生活環境の変化によりストレスが増えると思うので。

鈴木さん:なるほど! 婦人科ではPMSの治療はどんなことをしてくれるのですか? よくピルがいいと聞きますが、なんとなく怖いイメージで、試したことがないんです。

高橋先生:一番手軽な治療はピルの内服ですね。他にも、ピル以外のホルモン療法や漢方薬などがありますが、現在のピルは種類も増えていて、自分にあったものを選べるようになっています、超低用量ピルといって、ホルモン量がとても少ないピルもあるので、昔のピルに比べて副作用やマイナートラブルも少なくはじめられるようになったのでおすすめです。ただ、先ほどもお話をしたとおり、PMSはホルモンのバランスの他に生活環境が原因になっていることもあります。なので、ピルだけでは症状が改善しない場合もあることも、知っておいてください。ピルの内服はPMS以外にもメリットが多いのですが、昔の副作用の強いピルの印象が未だに残ってしまっていて、怖い印象を持っている人は今でも多いですね。

鈴木さん:そうなんです! 私もピルを飲むと太りやすいとか、ネットで見ていたので。それはイヤだなぁって思っていました。

高橋先生:そうですね。身体に合わないと飲みはじめは少し辛い人もいます。比較的、身体に負担の少ないと言われている低用量ピルでも、体調不良になってしまう人もいますが、今は超低用量ピルもありますから、低用量ピルでキツかった人は、超低用量ピルを試してみるのもおすすめですよ。

あとは、お薬に敏感な方や不安な方は、ピルを処方してもらう際に、その旨を伝えると、ピルと一緒に吐き気止めを出してもらうこともできます。また、飲む時間を工夫するのもおすすめです。寝る前の時間に飲むと、日中に体調が悪くなることが少なくすみますよ。それでも吐き気があるなら、ピルの種類を変えてしまうのがおすすめです。

 実は排卵は止めておくほうが、メリットがある!?

鈴木さん:ピルで生理をコントロールするって、ちょっと怖いなって思っちゃうんですよね。そのまま生理が来なくなったらどうしようって。

高橋先生:その心配は必要ないですよ。ピルは飲むのを辞めたら、すぐに排卵が再開します。むしろピルを飲み忘れるとすぐに排卵して妊娠する可能性があるので、避妊目的の方には、飲み忘れないようにしっかりと説明しているくらいです。なので、妊活をはじめたくなったら、飲むのを止めればいいだけなんです。それに、排卵は止めておいたほうが、色々な病気のリスクを下げられるんですよ!

鈴木さん:え!? 排卵って止めたほうがいいんですか!?

 高橋先生:実はそうなんです。ピルを服用していると排卵を止められますが、それは卵巣を守っていることにもなるんですよ。排卵により卵巣から卵子が出るときは、卵巣の壁を突き破って出てきます。それによって卵巣の壁は毎月傷ついているんです。そのダメージが積み重なって、卵巣がんの一つの原因にもなっているんです。なので、ピルで排卵を抑えることで、卵巣がんのリスク低下にもつながるんですよ。また、将来妊娠を考えている人は、長期間ピルを飲んでいたほうが、本当に妊娠をしたい時に妊娠をしやすくなるという研究結果もあります。長期間ピルで排卵を止めていることで卵巣の壁がきれいに保たれ、本当に排卵してほしいときに排卵しやすい状態を保てるんです。

鈴木さん:すごい! 排卵を止めたほうがいいなんて、考えたこと無かったです 

高橋先生:卵巣癌のリスクが下がったり将来的な妊活にも有利になるのは素晴らしいですよね。他にも、子宮体癌や大腸癌のリスクも下げますよ。

鈴木さん:いいことしかないじゃないですか! 私は7月で33歳になるのですが、まだ間に合いますか?

高橋先生:もちろん! 今からでも全然遅くないですよ。いいことばかりに見えるピルですが、血栓のリスクは上がってしまうというデメリットがあります。ただ、これは飲んでない人に比べると高くなってしまうというお話です。原因はピルに含まれているエストロゲンという女性ホルモンがなんですが、実は妊婦さんやお産後の女性の方が血栓のリスクは高いので、ピルのリスクとして血栓を言われがちですが、実は世の中に血栓ができやすくなることってたくさんあるんですよね。

あとは、肥満や40歳以上の方は投与を慎重に行いますね。そのほか、ピルを服用するのにリスクがある方もいらっしゃるので、産婦人科に相談してほしいです。そういった方のPMSや生理痛の治療では、ピル以外のホルモン療法や漢方薬などの方法もあります。

鈴木さん:話を聞けば聞くほど、妊娠予定が無い時は、ピルを飲んでおいたほうがよさそうですね! ピルなどでコントロールをして、排卵を止めておくことが、他の病気の予防になるなんて知りませんでした! ピル、私もはじめてみようかな。今日は先生に直接お伺いできて安心できました! まずは婦人科を受診してみます!


次回は、女性ならではの病気について、高橋先生に鈴木奈々さんが教えてもらいました。後編へ続く。

 

鈴木奈々:198879日生まれ。B型。茨城県出身。2012年に約350本のテレビ出演を果たし、ブレイクタレントランキング女性部門第1位を獲得。以降も多数のテレビ番組に出演。何事にも全力で挑む姿勢、新人タレントさながらの元気さと謙虚さが幅広い世代に支持され、テレビ・雑誌・広告など多方面で活躍中。

instagram:@nana_suzuki79

 高橋怜奈:東邦大学医療センター大橋病院・産婦人科在籍。医師であり、プロボクサー。産婦人科YouTuberとしても活動。自身のSNSをはじめ、テレビや雑誌などで女性のデリケートな悩みに答える。

YouTube:産婦人科医YouTuber高橋怜奈

【公認心理師・山名裕子先生のココロの処方箋】〈CASE:2〉コロナ禍における生理不順、生理痛への対処法は?

月経やPMS(月経前症候群)、セクシャルな問題など、女性には特有の悩みや不調がつきものです。その症状は、痛みとなって身体に現れるだけでなく、時に女性の心にも重くのしかかります。なかなか人に話すことができないそんな女性特有の心の問題への対処法を、公認心理士の山名裕子先生に伺います。

今回のお悩み〉

「ここは半年ほど、生理周期が安定せず生理痛も以前より辛いです。コロナ禍のストレスでずっと心が晴れないせいかもしれないなと思っているのですが、改善する方法はありますか?」(30代・自営業女性)

生活変化からのストレスが原因の場合も

「新型コロナウイルスの感染予防対策で、通学や通勤の機会が減ったり、休日に人と会えなくなったり、こまめな手洗いや消毒が必要だったり……。ここ1年で人々の生活様式は急激に変化しました。人間はそもそも、変化に弱い生き物です。長引くコロナ禍の日々のなかで心に蓄積したストレスが今、女性たちの心身にダメージを与えているように感じます」(山名先生、以下同)

今回の相談者さんのように、月経周期が不規則になってしまったり、月経痛がひどくなったり、なかには月経が止まってしまう女性もいるそうですね

「そうなんです。そういった症状を自覚したら、まずは婦人科やレディスクリニックを受診することが先決です。なかには、婦人科系の病気が原因になっている場合もあり、その際には適切な治療を受ける必要があります。しかし、病的要因が見つからなかった場合には、コロナ禍におけるストレスが原因になっている、ということも十分に考えられます」

生理をネガティブにとらえすぎない!

「なかにはコロナ禍の生活様式のなかで、自分の月経が不順になってしまっていることに気が付いていない女性もいるかもしれません。以前だったら平日は通勤や通学、週末は休日といったように、規則正しい生活リズムの中で月経も巡ってきていたのに、今は通勤日と在宅日が混在したり、起床時間が不規則になったり……。月経周期がいつもと違うことに、女性たちが気付きにくい生活パターンに陥ってしまっているかもしれません」

たしかに『生理が飲み会とかぶらないかな』とか『温泉に行く日は生理とかぶらない日にしよう』など、女性が月経周期を気にするタイミングが、コロナ禍の日常では減っていますよね。

「あるクライエント様が『生理不順で回数が減って、ラッキーかもしれない』とおっしゃったことがありました。大変なことも多く、どうしてもネガティブに捉えがちな月経ですが、『生理はめんどくさい』『なくなってしまえばいい』など生理=悪と思わせるような言葉ばかりを口にすることはあまりおすすめできません。

と言うのも、人間は自分が口にした言葉に知らず知らずに影響を受けてしまう生き物なのです。『生理がいやだ』と繰り返し口にすることで、その言葉が耳から脳に伝わり、心が一層ネガティブな方向に引っ張られてしまいます。

逆にポジティブな言葉を発し続けていると、気持ちも明るくなるものです。月経は女性にとってなくてはならない大切なもの。思い当たる方は、少しでも快適に月経周期を乗りきるために、ぜひ心掛けてみてください」

周囲に症状を共有することも大切

「長引くコロナ禍のストレスに、運動不足や生活環境の変化も重なり、月経痛が以前よりも強く出るようになってしまった女性もいるかもしれません。そんなときには無理をせずに、休息をとることが大切です。

ただ、月経の痛みには個人差があり、それを人と比べることもできないので、苦痛を我慢し続けてしまう女性も少なくないのではないでしょうか。日常生活を送るのも困難なほどの痛みを抱えていても、『女性はみんな辛いのに、自分だけが生理痛で休むわけにはいかない』と、休息をとることに抵抗感がある人も多いように感じます」

たしかに、月経痛の度合いは人と比べることができないので、どこまで我慢をすればよいのか難しいなって思ったりします。

「その場合、周囲の人に月経痛の辛さをきちんと共有することも大切です。たとえば会社の人や家族に自分の症状や辛い周期、どのようなサポートが必要なのかを、きちんと言葉にして伝えることから始めてみてください。

日本の社会には、月経の話をすることがはばかられる風潮がありますし、男性には月経の体験がありません。月経の痛みの度合いに個人差があることすら知らない男性もいるでしょう。無知であるがゆえに女性に寄り添えないでいる男性もいるはずですから、どんな症状があり、どのような手助けが必要なのか、思い切って話をしてみることが大切です」

我慢がストレスになり、さらに症状が悪化する悪循環を生まないためにも、周囲の協力を得ることが大切なんですね。

「その通りです。日本人は耐える美を良しとする文化がありますが、そもそも女性ばかりが我慢を強いられるのはおかしな話ですよね。今は医学が進歩し、月経に伴う痛みや苦しみ、心のモヤモヤをコントロールできる手段も多数あります。

コロナ禍での生活様式の変化なかで、知らず知らずのうちに心に大きな負荷がかかっていることを自覚して、無理をしない”“我慢をしすぎないで人に頼ることを心がけてみてください」

今後女性の問題を「他人事」にしない、家族や社会のサポートにも期待したいです。

山名裕子氏(やまな ゆうこ)

1986年生まれ、静岡県浜松市出身。公認心理士。「やまなmental care office」を東京青山に開設。心の専門家としてストレスケアからビジネス・恋愛などの悩みへのカウンセリングを行っている。メディア出演や講演会活動も多数。

【公認心理師・山名裕子先生のココロの処方箋】 〈CASE:1〉コロナ禍でPMSが急増!? カタルシス効果で、イライラ&憂鬱に対処しよう

月経やPMS(月経前症候群)、セクシャルな問題など、女性には特有の悩みや不調がつきものです。その症状は、痛みとなって身体に現れるだけでなく、時に女性の心にも重くのしかかります。なかなか人に話すことができないそんな女性特有の心の問題への対処法を、公認心理師の山名裕子先生に伺います。

〈今回のお悩み〉

「数年前からPMSのさまざまな症状に悩んでいたのですが、コロナ禍の日々のなかで、PMSに伴うイライラや憂鬱感といった心の症状が、より強く出るようになりました。少しでも軽減する方法はありますか?」(20代・会社員女性)

人間は変化に弱い生き物?

 

「終わりの見えない新型コロナウイルス感染予防対策の日々のなかで、今、心身のバランスを崩す女性たちが急増しているそうです。事実、私のカウンセリングオフィスのクライエント様にも、生活様式の変化に伴う心の不調を訴える女性が多くいらっしゃいます。

もともと人間は変化に弱い生き物だということをご存じでしょうか? 変化が小さくても大きくても、それがたとえ自分にとってプラスに感じるものだとしても、人は変化にストレスを感じる生き物なのです」(山名先生、以下同)

去年から今年にかけて、働き方、余暇の過ごし方、友人や家族との距離感やコミュニケーション手段に至るまで、人々の日常が急激に変化しましたよね。

「そうですね、そういったあらゆる環境の変化が、知らず知らずのうちにストレスとなって積み重なり、心の不調を招く人が増えています。PMSのあらゆる症状は、月経前の黄体期に女性の身体のなかで起こる女性ホルモンの急激な増減によって引き起こると考えられています。コロナ禍の変化に伴うストレスが重なると、女性ホルモンのバランスがさらに乱れ、PMSの症状が強く出てしまうのです」

月経前の黄体期に関しての詳しい記事は、こちらをチェック!

フェムテック tv:「生理前や生理中、甘い物が止まらない…」と悩む女性必見!罪悪感なく食べられるおやつリスト

生活リズムと運動習慣の見直しを!

コロナ禍の生活はまだしばらく続きそうです。PMSに伴う気分の浮き沈みに悩む女性は、今の生活のなかでどういったことに気をつければよいのでしょう?

「たとえば『コロナ前に比べて、通学や通勤の回数が減った』という女性のなかには、知らず知らずのうちに起床時間が以前より遅くなっていたり、日によってバラバラになっていたりする人も少なくないように感じます。まずは、できる限り生活パターンを一定化し、以前のリズムを取り戻すことが大切です。

また、在宅時間が増えたことで、以前は通っていたジムや運動系の習い事に行けなくなってしまったことによる運動不足に陥っている方も。心と身体は、私たちが思っている以上に、連動していることを覚えておいてください。

運動不足で身体が重くなると、新しいことに一歩踏み出す際の心の踏ん張りが効かなくなったり、いつもは気にも留めない何気ない出来事にストレスを感じたり、ポジティブな心の状態ではいられなくなってしまいます。コロナ禍の日々で、PMSの症状としての憂鬱感やイライラが以前より強く出てしまっている方は、まずは生活リズムを見直し、運動不足の改善を試みてみましょう」

『カタルシス効果』を利用しよう

他にも、コロナ禍での日々のなかで、女性たちを苦しめるストレス要因のひとつになっているのが「会話の減少」だそうですね?

「心理学的には『カタルシス効果』と言うのですが、人は苦悩や悩みを口に出して言うことで、それがたとえ直接的な解決に至らなかったとしても、心の浄化作用になる、という考え方があります。しかし今は、ZOOM授業になったり、在宅勤務になったりしたことで、誰かと会話をする時間がぐんと減ってしまっているのです」

学校や会社で友人や同僚と何気なく話していた時間も、実はストレスを軽減させるためには重要なポイントだったのですね。

「これまでは、ちょっとした心のモヤモヤや負の感情は、日常生活のなかで誰かに聞いてもらうことで、知らず知らずのうちに解消されていました。ところが、今は何気ない会話の機会が減ったことで、心に蓄積してしまっている女性も多いのです。

同様の悩みを相談されるクライエント様に対して、私はカウンセリングの際に『話せる相手を見つけていきましょうね』とお話ししています。必ずしも対面でなくてもいいので、ZOOMでも電話でも、意識的に人と話す時間を日々のなかに設けることが大切です」

ただ、なかにはわざわざ時間を作ってもらってまで、自分の悩みや心の内を人に聞いてもらうことを心苦しく思う女性もいるのではないでしょうか?

「そうなんです。日本人は、『自分のことで人に迷惑をかけてはいけない』と思い込んでいる人が非常に多いように感じます。あえて相手に時間をとってもらってまで、自身のモヤモヤした気持ちを話すことに抵抗がある人は、心のケアの専門家に話を聞いてもらうのもひとつの手段です。

電話相談に応じているカウンセリングオフィスもありますし、感染症対策がきちんとなされている相談所や産婦人科に気分転換を兼ねて足を運ぶでもいいでしょう。専門家をもっと気軽に頼って欲しいなって思います。

PMSの症状からくる気分の浮き沈みを我慢しつづけた結果、うつ病を発症してしまうこともあります。PMSの心の症状に苦しんでいる女性のなかで、『最近、人との会話の機会が減ったな』と思い当たる人は、意識的に人と話す時間を設けるようにしてみてください」

まだまだ続くコロナ禍の日常。女性特有の心の苦しみは、我慢しすぎることなく、日々対処することが大切です。

山名裕子氏(やまな ゆうこ)

1986年生まれ、静岡県浜松市出身。公認心理師。「やまなmental care office」を東京青山に開設。心の専門家としてストレスケアからビジネス・恋愛などの悩みへのカウンセリングを行っている。メディア出演や講演会活動も多数。

女性のカラダのウソ・ホント 健康、生理、SEX…にまつわるetc.

カラダについて、わかっているつもりでもわかっていないことって意外と多く、常識だと思って信じていたことが、実は間違っていた! なんてこともよくあるもの。

女性のカラダのウソ・ホントで、あなたの理解度をチェックしてみましょう!

Check1. 男性と女性で肌質が違う

【ホント】

個人差はありますが、一般的に男性の肌は、女性の肌より約25%厚く、コラーゲンの密度も高いのだそうです。また、皮脂の分泌量も女性の2〜3倍。一方、水分量に関しては、男性は女性の30〜50%で、水分蒸散量も2倍以上。男性の肌は女性に比べ、べたつきやすいのに乾きやすいと言えます。

Check2. 貧血は女性に多い

【ホント】

女性の場合、月経や出産により血液を喪失したり、妊娠や授乳期に鉄の必要量が多くなるなど、貧血になりやすい条件が多いことが理由。気になる人は、レバーやほうれん草を積極的に摂るなど、鉄分不足を補えるような食生活を心がけましょう。

Check3. 子宮は冷える

【ウソ】

体内にある臓器である子宮の温度が、手足が冷えたくらいで下がることはまずありません。東洋医学では「冷え」は万病の源と考えられていて、実際に体温が低いということではなく、自覚症状として身体の芯が冷えている、しびれのような冷えの感覚があること。これにより、血の巡りなどが悪くなり不調を招く可能性があるといわれています。「子宮を冷やすとよくない」などといわれるのは、東洋医学の影響のようで、実際に温度が下がることではないということです。

Check4. 女性は味に敏感

【ホント】

食の感度は性差ではなく個人差ですが、ひとつ言えることは、通常、女性は男性よりも味蕾(味覚器官)を多く持っているということ。さらに、匂いの分子を処理する脳組織・嗅球に、男性よりも50個多いニューロン(細胞)を持っています。

Check5. 女性は寒がり

【ホント】

体熱を作り出すのは、筋肉です。ですから筋肉量が少ないということは、カラダが冷えやすくなりがちです。男性の筋肉量は体重の約48%、女性の筋肉量は約36%なので、女性の方が冷えやすい、寒がりと言えるでしょう。

Check6. うつ病になるのが多いのは男性

【ウソ】

女性は男性の2倍ほど、うつ病になりやすい傾向があると言われています。その理由として、思春期や更年期におけるカラダの変化、妊娠・出産・育児なども影響していると考えられます。また、パニック障害の患者も女性は男性の2倍ほど。明確な理由はまだわかっていませんが、生理前や更年期にパニック発作が起きやすいということから、女性ホルモンが何らかの形で関与している可能性もあるのかもしれません。

Check7. 女性ホルモンを持ってるのは女性だけ

【ウソ】

男女とも持っているホルモンは一緒です。違うのはその比率。男性は男性ホルモンを、女性は女性ホルモンを多く持っています。社会で活躍する女性は男性ホルモン値が高くなる傾向にあるそうで、男性ホルモンであるテストステロンは、社会性ホルモンとも呼ばれ、誠実で交渉力が高い人は分泌量が多いと言われています。

Check8. 女性ホルモンは増やせる

【ウソ】

増やすことはできません。HRT(治療)を行えば、急激に減少したエストロゲンは補うことは可能です。実際に更年期障害の治療などで用いることもあります。市販のサプリメントなどで簡単に女性ホルモンを増やすことは難しいでしょう。年齢とともに減少していく女性ホルモンですが、若くてもストレスなどで分泌が低下することがあると言われています。

Check9. 生まれた時から女性は卵子を持っている

【ホント】

女性は、既に約200万個の卵子を持って生まれて来ると言われています。正確には妊娠20週あたりの胎児の頃に一番多くの卵子を持っていて、その数は約700万個。その後胎内で卵子は消え、生まれてくる時には約200万個、思春期には20〜30万個、閉経時にはゼロに近づき、年齢とともに減少していきます。

Check10. ダイエットをはじめるのは、生理後がいい。

【ホント】

女性ホルモンの変化によって、痩せやすい時期と痩せにくい時期があります。痩せやすいのは、生理後7〜10日間。その後の排卵後~生理までは、カラダが水分をため込もうとする時期なので、痩せにくい時期となります。

Check11. 生理中に運動はしない方がいい

【ウソ】

以前は、生理中はカラダを休めた方がいいと言われていましたが、最近では、運動することで生理中の不調を和らげる効果もあると言われるようになってきています。定期的な運動がホルモンに良い影響を与え、ストレスの解消にもつながるそうです。激しい運動(アスリートレベル)を繰り返すことは、生理中かどうかに関わらず、女性ホルモンのバランスを崩すため避けた方が良いですね。

Check12. 生理痛で、病院に行く必要はない

【ウソ】

生理痛は我慢するものと考えるのは間違いです。生活に影響があるほど痛みがひどい場合など、月経困難症の疑いや子宮内膜症などの病気が隠れていることもあります。産婦人科、婦人科クリニックなど専門医へ相談しましょう。

Check13. タンポンを入れたまま放置するのは危険

【ホント】

タンポンは便利ですが、長時間入れたままにすると、雑菌が繁殖しやすくなります。タンポンを入れたことを忘れ数日放置したことで、細菌が発する毒素がカラダを巡り感染症をひき起こし、多臓器不全を起こしたという症例もあります。1日に数回は新しいものに変え、寝るときはナプキンなどを使用するのが良いでしょう。

Check14. コンドームをすれば、妊娠はしない

【ウソ】

コンドームをしても妊娠することはあります。正しい付け方でなかったり、うまく装着できていない、サイズがあっていない、破損・劣化している場合もあります。コンドームを使用したからといって100%妊娠しないというものではありません。

Check15. 生理中に性行為をしても妊娠はしない

【ウソ】

基本的には、生理中は妊娠できる期間ではありませんが、排卵のサイクルは一定ではありません。健康な精子は体内で数日生きているので、排卵が早まった場合、受精する可能性もあります。

Check16. 避妊しなくても妊娠しない「安全日」がある

【ウソ】

絶対妊娠しない日というものはありません。月経が始まる前の数日は、妊娠しにくい時期と言われることもありますが、排卵は、早まったり遅まったりするものなので、受精する可能性はゼロではないからです。

Check17. 性行為中にトイレに行きたくなるのは異常ではない

【ホント】

性行為中に尿意を感じるのは、いたって普通のこと。尿道と膀胱は、膣のすぐそばにあるため、ペニスの動きにより膀胱を圧迫し、尿意を刺激するからです。他にも、膀胱の調子がよくない場合など尿意を頻繁に感じてしまうこともあります。あまりにコントロールができなかったり、痛みをともなう尿意がある場合は、医療機関へ相談してみましょう。

Check18. セルフプレジャーをしすぎるのは、カラダに悪い

【ウソ】

やり過ぎても、カラダに害があるという報告はりません。ただ、衛生状態がよくない環境で行うと、感染症など思わぬ病気を招くこともあるので注意が必要です。

Check19. 男女でオーガズムの感じ方が違う

【ホント】

性的興奮が絶頂に達し大きな快感となるオーガズム。男性は性器周辺の筋肉が収縮、射精し、女性は膣周辺の筋肉が収縮します。男女ともに、筋肉の収縮は0.8秒間隔で繰り返され、基本的な仕組みは同じ。ただ男性の場合は興奮が一気に高まり、射精で一気にダウンしますが、女性の場合は徐々に興奮度が増し、オーガズムを迎えた後もしばらく余韻が続きます。

女性のカラダへのあなたの理解度は、いかがでしたか? 子宮や卵巣があり、ホルモンのアップダウンが活発な女性のカラダには不思議がいっぱい。自分のカラダを理解することで、心地のよい毎日につながりますように。

医師監修:中田航太郎(株式会社ウェルネス)

PMSにまつわる疑問100 これを読めば基本が分かる!

月経前に起こるカラダの不調「PMS」って? どうして起こるの? 原因はなに? 解消方法はあるの? 分からないことだらけのPMSのギモンに徹底的にお答えします!これを読めばPMSにまつわるエトセトラが分かりますよ。

1. PMSって何の略?

Premenstual Syndrome の略でPremenstualは「月経前」、 Syndromeは「症候群」という意味です。

2. どうしてPMSになるの?

具体的な原因は分かっていませんが、排卵に関わるホルモン動態の変化が原因なのではないかと考えられています。

3. PMSの特徴って?

月経開始の310日くらい前から始まる精神的、身体的症状で月経開始とともに減退ないし消失するものです。

4. どれくらいの人が症状を感じてる?

ウィメンズ・ヘルス・アクション実行委員会「ウィメンズ・ヘルス・アクション DATA BOOK 2019 ~PMS・うつ病・更年期・がん 4大お悩みを考える~によると、女性の 7 割が悩んでいると言われています。

5. どんな症状があるの?

身体的な不調と精神的な不調が200種類以上多数あると言われています。

6. 身体的な症状ってなに?

カラダがだるい・胸がはる・むくみ・腹痛・頭痛・吐き気・肩こり・胸の痛み・微熱が続く・ニキビ・疲れやすい・むくみ・体重が増える・食欲増進、減退など。

7. 精神的な症状ってなに?

 イライラ・落ち込む・ボーっとする・八つ当たり・眠気・精神的に不安定・憂うつ・うつっぽくなる・無気力・集中できない・細かい作業ができない・朝おきられない・不眠・寝つけないなど。

8. 人それぞれ症状が違うのはどうして?

PMSの原因と考えられる排卵に関わるホルモンの分泌量が人それぞれ違うのと、それ以外にもその人が生活している環境、性格なども影響するため、個人差があると考えられています。

9. いつから発症する?

月経のサイクルが整ってくる10代後半から40代前半にかけて症状が現れるのが一般的で、発症時期は人によって異なります。

10. どの年代に多く見られる?

女性ホルモンの分泌量は思春期に増加し、月経のサイクルは10代後半から整ってくる人が多い傾向にあり、早い人ではPMSの症状が10代後半から発症する人も。症状が多くみられるのは20代後半で、月経の回数が増える2040代になるにつれひどくなるケースもあります。

PMSが現れる割合は? 症状が多く見られる年代は?

出典:出典:ウィメンズ・ヘルス・アクション実行委員会「ウィメンズ・ヘルス・アクション DATA BOOK 2019 ~PMS・うつ病・更年期・がん 4大お悩みを考える~

11. いつ終わるものなの?

更年期を経て閉経すると症状はなくなると言われています。

12. 更年期ってなに?

更年期とは、閉経前後の45歳から55歳くらいの期間で、その間に起こるさまざまな不調を更年期症状といいます。

13. PMSと更年期障害の違いは?

更年期症状の中でも日常生活に支障をきたすほど重い症状のことを更年期障害と呼びます。更年期障害は閉経前後の45歳から55歳くらいの期間に起こり、PMSは月経開始の310日くらい前から始まる精神的、身体的不調です。

14. どんな人がPMSになりやすいの?

不規則な生活を送っていたり、睡眠時間が少なかったり、偏った栄養バランスの食生活を送っていたりすると、症状が出やすいそう。曲がったことがきらい、きっちりとした生活を送っている人ほど、イライラする傾向に。

15. どんな人がPMSになりにくい?

発症確率に関する明確的なエビデンスはありませんが、規則的な生活を送っている方はなりにくい可能性が高いと考えられます。

16. PMSだと感じたらまず何をするべき? 

☑︎どのタイミングで不調が現れるのか、自分の周期を理解する

☑︎不調があらわれるタイミングを理解したらその間は無理をしない

☑︎仕事のスケジュールは負担にならない程度に調整する

☑︎家族にできる限り家事をサポートしてもらうようにお願いする

☑︎食事、睡眠など、規則正しい生活を送るように心がける

☑︎カフェイン、アルコール、たばこの過剰な摂取を控える

☑︎ウォーキング、ジョギング、ヨガなどの適度な運動を心がける

☑︎できる限り好きなことをして過ごし、リラックスできる環境をつくる

☑︎ビタミンB6、カルシウム、マグネシウム、鉄分、ビタミンCなどのサプリメントを摂る

☑︎生活に支障をきたすくらい症状が重い場合は医師に相談する

17. イライラはPMSの症状のひとつと言われていますが、月経前のイライラはコントロールできないもの?

 PMSを感じる2040代の女性1,200名に、ゼリア新薬工業株式会社がインターネットで、月経前に感じる精神的・身体的症状について調査(20156月実施)を行った結果、月経前に感じる「イライラ」や「怒りっぽい」など、精神的なコントロールができない女性が多い傾向にあります。

PMSの症状って?

ゼリア新薬工業「PMSと人間関係に関する意識調査」(20156月)

出典:ウィメンズ・ヘルス・アクション実行委員会「ウィメンズ・ヘルス・アクション DATA BOOK 2019 ~PMS・うつ病・更年期・がん 4大お悩みを考える~

18. PMSって悪化するの?

ストレスがかかると悪化するため、PMSによる不調があらわれる時期には、仕事や家事などのスケジュールはなるべくゆとりを持ち、リラックスして過ごすことが理想です。

19. PMSがひどくなるとどうなる?

急に悲しくなったり、涙もろくなったり、怒りっぽくなったりなど、精神的な不調が特に強くなることもあります。このように精神的な症状が重く、情緒不安定になることが特徴で、日常生活に支障をきたすものをPMDDと呼びます。

20. PMSは漢方で緩和される?

緩和効果があるとして、婦人科系の病院で処方してもらえます。桂枝茯苓丸(ケイシブクリョウガン)は、滞った血のめぐりを良くして、のぼせや足の冷えを改善して、月経痛、月経不順などをよくするのに効果的。当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)は、血行を良くして、水分代謝を整え余分な水分をとり除き、足腰の冷えや月経不順を改善する効果があると言われています。

21. PMSを緩和する食材ってある?

食材からPMSに効果的な栄養素を摂取しようとすると大量に摂取しなければならず、あまり現実的ではありません。そこで、サプリメントなどの健康補助食品がおすすめです。ビタミンB6、カルシウム、マグネシウム、鉄分、ビタミンCなどの栄養素を摂りましょう。

22. PMSを改善する運動やスポーツはある?

マラソン、ウォーキング、ヨガなど、気軽に始められる運動がおすすめです。自分がすっきりした!と思える運動であればなんでもOKです。

23. PMSの時にカフェインは摂っていい?

控えるのがおすすめです。カフェインには目が覚め、気持ちがシャキッとするなど良い面もありますが、神経を興奮させることで精神症状を悪化させるなど悪い面もあります。イライラを増強させたり、興奮状態をさらに高める作用もあるので気を付けましょう。

24. PMSの時にアルコールは摂っていい?

飲みすぎないように気を付けましょう。適度に楽しむ分にはリラックス効果が得られる方もいるので問題ありません。

25. PMSの時にタバコは吸っていい?

たばこは百害あって一利なし。ある研究によると、喫煙する女性は喫煙しない女性に比べてPMSを抱える女性が多く、またその症状も重いとされています。普段から控えていただきたいですが、PMSによる不調を感じているときは特に控えましょう。

26. PMSの時に辛いものなどの刺激物は食べていい?

月経前は水分代謝が悪くなる傾向にあるため、むくみやすくなるので塩分の強い食べ物や辛いものなどの刺激物、避けたほうがよさそうです。

27. 月経がはじまる前から月経が終わるまでずっとイライラ!これもPMS

月経前にメンタルの不調をきたし月経がくるとイライラがおさまる場合は、プロゲステロンの影響によるものなのでPMSの可能性が高いです。月経中のイライラはPMSではなく、調子が悪くなりストレスでイライラが爆発しているのではないでしょうか。必要に応じてドクターに相談することをおすすめします。

28. 月経前になると眠気に耐えられないのはPMS

PMSの精神的な症状のひとつに眠気もあります。排卵後に急激にプロゲステロンが分泌・分解されて、眠気を起こす物質が発生すると言われています。ほかにも、月経前になると寝つけなくなったり、眠りが浅くなるため、日中に眠気をきたすこともあります。

29. 月経前に肌荒れするのはPMS

プロゲステロンは排卵後の皮脂の分泌を活発にする働きがあります。それによって毛穴が詰まりニキビや吹き出物の原因になるため、PMSの影響である可能性は高いです。

30. 月経前に乳房が張ったり、お腹が痛いのはPMS

月経前には、プロゲステロンというホルモンの作用によってお腹の痛みや乳房にハリを感じるなどの身体的な症状が現れます。

31. 月経前になると無性に甘いものが食べたくなるのはPMS

プロゲステロンが作用していると考えられています。人は血糖値が下がると空腹を感じます。月経前にプロゲステロンが増えると血糖値が急激に上下動し、それによって血糖値が下がっていないのに空腹を感じ、ついつい甘いものが食べたくなってしまうのです。

32. PMSを感じる月と感じない月があるのはどうして?

PMS症状の出方や強さは、ホルモンの影響のほか、置かれている環境も影響するため、リラックスしているときには症状は和らぎますが、仕事や家事、学校の勉強が忙しいとき、家族や友人ともめ事が起き精神的につらいときなどはPMSがひどくなる人が多い傾向にあります。

33. 頭痛がひどいのはPMS

月経前の頭痛はPMSによるものです。エストロゲンの分泌量が減ると脳内のセロトニンも減少します。セロトニンは痛みを抑制する働きがあるため、月経前はセロトニンが減るため痛みに敏感になり、頭痛を感じやすくなると考えられています。

34. 月経中も頭痛がします。これもPMS

月経の開始2日前から開始3日目の間に起きる場合は、月経関連片頭痛の可能性が高いです。急にカラダを動かすとグワンと頭に響いたり、ズキズキと波打つような強い痛みがあるなどの症状が見られます。

35. 頭痛はずっと続くの?

閉経すると女性ホルモンの分泌量が減少しますが、それによって片頭痛が改善する人も多いです。

36. 頭痛は暖める?冷やす?改善方法が知りたい!

血管の拡張を抑えたいので、首筋や額、こめかみなどを保冷剤やなどで冷やすのが有効です。温めると逆に血管が拡張するため、お風呂にゆっくり浸かるなどは控えましょう。

37. 月経前、寝すぎると頭痛がひどくなる!最適な睡眠時間は?

睡眠不足や血糖値の低下などが頭痛の原因の可能性もあるため、睡眠時間は7時間程度が理想で、最低でも6時間というところです。それ以上については人によって必要な睡眠時間が異なりますので、疲労が溜まってくるようだと睡眠時間が足りていないサインと考えましょう。

38. 頭痛のときやってはいけないことはある?

光や音に敏感になったり、カラダを動かすことで痛みが増すこともあります。片頭痛がしたら明る過ぎずできるだけ静かな部屋で、安静に過ごしましょう。また、チョコレート、コーヒー、赤ワイン、チーズといった、血管を拡張する物質が含まれている食べ物は控えた方がいいでしょう。脳内の血管が膨らむことで、三叉神経を刺激し、片頭痛に至ると考えられているからです。

39. 軽い運動やマッサージは頭痛を改善する?

片頭痛時に運動すると血流が良くなるので痛みが増します。カラダが温まって血流が良くなる入浴も同様ですので、運動と湯舟にゆっくりつかることは、避けたほうが無難です。

40. 頭痛の影に深刻な病気が隠れている可能性は?

普段通りの日常が送れないほど頭が痛む場合は、何らかの病気が潜んでいるかもしれません。くも膜下出血脳梗塞などの可能性もあるため、いつもと違う痛みを感じたらできるだけ早く病院へ行きましょう。

41. 月経前のむくみがひどいのですが、PMSの症状ですか?

月経開始45日前からカラダや顔のむくみを感じることがあります。原因は月経前にカラダに水分をため込む作用があるプロゲステロンが増加するためです。

42. 月経前に体重が増えるのはなぜ?

月経前に女性ホルモンの分泌量が変化し、カラダが水分を保持しようとしていることが原因です。排卵時にも女性ホルモンの影響で、わずかに体重が増えることもあります。

43. 月経前に増える体重を何とかしたい!

暴飲暴食に気を付け、いつも通り栄養バランスのとれた食生活を心がけていれば、月経開始後に体重は元に戻ります。月経前の体重増加は、カラダの正常な機能ですので気にしないのが一番です。

44. 月経前におりものが多くなりますが、これって普通?

おりものは女性ホルモンと密接な関係があり、月経周期に合わせて色、粘度が変化します。最もおりものの分泌量が多くなるのが月経前の排卵期なので、いたって普通のカラダの反応といえます。

45. おりものが出ない時はあるの?

月経終了後、23日はほとんど出ないと言われています。排卵期に向けて徐々に増えていきます。

46. 正常なおりものの状態が知りたい!

もっともおりものが多い排卵期には、透明のゼリー状で伸びがよい状態です。その後は量が減り、粘り気があって黄白色に変わります。このような変化は女性ホルモンが正常に分泌されている証で、月経の周期を知る目安になります。

47. おりものにおいが気になります。

おりものは、チーズやヨーグルトのにおい、酢を薄めたようなにおいなど、酸味のある酸っぱいにおいがすると言われています。これは健康的な状態なので気にすることはありません。ただし、いつもとにおいが異なる場合は正常ではないサイン。気になる場合はドクターに相談してみてください。

48. いつもと違うにおい、色がついたおりものが出たときは受診した方がよい?

いつもと違うニオイを感じたときは、感染症などの病気が隠れている可能性もあるので医師の診察を受けましょう。

49. PMSかどうかわからないけど自己診断基準はある?

PMSは、月経開始の310日くらい前から始まる精神的、身体的症状で月経開始とともに減退ないし消失するものと定義されています。そのため月経前になんらかのカラダの不調を感じ、月経が始まると不調が緩和されるとしたらPMSの可能性は高いです。産婦人科診療ガイドラインでは、表1のように身体症状と精神症状を分けて、少なくとも2周期以上にわたって周期的な症状変動があり、月経周期 5~10日目の精神、身体症状に比べ 月経前の症状の強さが30%以上増強する場合にPMSと診断する、とされています。

 

 

表1 PMSの診断基準(ACOG A Resource manual.Fourth Edition

出典:白土なほ子「PMS,PMDDの診断と治療-他科疾患と鑑別-」『昭和学士会誌』第77巻,第4号,2017, P.336

50. 年々PMSを強く感じるけれど、大丈夫?

月経の回数が増える2040代になるにつれひどくなるケースもあります。生活に支障をきたすほど、カラダの不調を感じる場合は医師へ相談することをおすすめします。

51. 月経不順でもPMSになることはある?

PMSは女性ホルモンの変化が影響していると言われているため、月経不順の方でもPMSになることはあります。

52. 月経前になると気分が落ち込んで立ち直れないのってPMS

PMSのなかでも特に精神的な症状が重く、情緒不安定になることが特徴で、日常生活に支障をきたすものをPMDDと呼び、PMSとは区別されます。

53. PMDDの特徴って?

PMSと同様に月経の3日前~10日前の排卵後から始まり、月経がやってくると症状が消える、もしくは改善傾向にあるのが大きな特徴です。強い絶望感に襲われたり、激しく落ち込んだり、涙が止まらなくなったりします。

54. PMDDの症状って?

拒絶されることへ敏感になるなど不安定な気分が続いたり、かなり怒りっぽくなる、激しくイライラする、対人関係がこじれがちになるなどのほか、気分が激しく落ち込む、絶望的になり自殺願望が芽生える、自分を責め自己嫌悪に陥ってしまう、常に不安や緊張を感じている、などの症状があります。

55. PMDDはどのくらいの人がなるの?

科学研究費助成事業(※)が発表した研究成果報告書によると、PMDD12カ月有病率は、月経のある女性の1.85.8%の間とされています。まだまだ認知度が低く、自覚症状もほとんどない方が多いです。

※駿河絵理子「月経前症候群および月経前不快気分障害にある勤労女性の症状とセルフケア学習ニーズに関連する要因」『聖徳大学研究紀要』第50,2017,P59-64

56. PMDDの原因とは?

原因はまだ解明されていませんが、PMSと同様に排卵に関わるホルモン動態の変化によるものが原因だと考えられています。

57. 月経前になると人とのコミュニケーションがうまくとれないのってPMS

PMSの中でも特にPMDDの可能性が高いです。PMSのなかでも特に精神的な症状が重く、情緒不安定になるPMDDは、人に対して攻撃的になるなどの症状が現れるため、感情のコントロールが効かなくなり、周囲と摩擦を生んでしまうことも見受けられます。

58. PMDDを緩和させる方法は?

排卵するとプロゲステロンというホルモンがたくさん出るので、プロゲステロンが出ないようにホルモンの働きを抑えればよいと考えられています。そのため、ピルを飲むことで排卵を止めると、症状が和らぐ効果が期待できます。

59. PMDDって漢方も効果的?

月経に関わるお悩みに使う漢方は大きく34種類あります。クリニックでは体質、体格などをみて処方してくます。ピルに抵抗がある場合は、一度専門医に相談してみてください。

60. PMDDって、運動すると緩和する?

ヨガ、マラソン、ウォーキングなど、気軽に始められる運動は、血の巡りがよくなるため肩こりやむくみが軽減され、リフレッシュすることでPMDDが軽くなる人もいます。

 61. PMDDの症状を緩和する栄養素は?

運動と一緒にビタミンB6、カルシウム、マグネシウム、鉄分、ビタミンCをサプリメントで摂取するのも効果的です。野菜ジュースだと余計な糖分をとりがちですが、サプリメントは効率的に栄養素が摂取できます。

62. PMDDなのかもしれない……どうしたらいい?

日常生活に支障をきたしていたり、精神的苦痛が大きい場合は医療機関に相談するのがおすすめです。

63. ピルって何?

ピルにはエストロゲンとプロゲステロンという2つのホルモンが配合されています。子宮内膜の増殖を抑制したり、排卵を抑制するなどの働きがあり、避妊をはじめ月経痛やPMSの緩和に役立つと言われています。

64. ピルを飲むとPMSは感じなくなるの?

人によって症状はさまざまですが、一般的にピルを内服すると諸症状が緩和すると言われています。

65. ピルはどんな人におすすめなの?

排卵の働きを抑制する月経痛やPMSによるカラダの不調に悩んでいる人、避妊したい人におすすめです。

66. ピルを飲んではいけない人は?

高脂血症、血栓症、子宮頸がんや乳がん、肥満、肝機能障害や腎臓の働きが悪い場合、高血圧症の薬でコントロールが難しい場合などは控えたほうがよさそうです。

67. ピルの副作用は? 

吐き気、胸のはり、頭痛、不正出血など、マイナートラブルがおこりますが、飲み始めて3カ月間程度でおさまる場合がほとんど。マイナートラブルが出ない方も多いです。

68. ピルを飲んで副作用が出た時はどうしたらいい?

ピルを処方してもらった医師に早急に相談してください。

69. ピルはどこで買えばいいの?

婦人科や産婦人科など、医療機関に相談して処方してもらうのがおすすめです。最近ではネットでも購入できます。

70. ピルは先生の診断がないと買えない?

ピルはある程度健康な人しか服用できません。その診断をくだすのは医師ですので、診察を受けた上で服用することが望ましいと言われています。

71. 通販などで購入した海外製のピルを飲んでも大丈夫?

あまり得策とは言えません。通販などで購入した海外製のピルは、そもそも低用量ピルの成分が含まれないにせものや、違法薬物などが混入されている場合もあります。安易に購入するのは控えた方がよさそうです。

72. ピルを飲むと妊娠しないって本当?

ピルを服用すると排卵の働きを抑えるため、妊娠しないと言われています。

73. ピルを飲むと妊娠しにくくなる可能性はあるの?

日本産科婦人科学会のガイドラインによると、ピルを2年以上飲み続けていた場合でも、2年未満の場合でも、ピルの服用をやめた1年後の妊娠率は約80%というデータがあります(※)。妊娠したくなったら、ピルの服用を中止すれば数カ月後には排卵が正常に行われます。

※出典:日本産科婦人科学会 『OCLEPガイドライン 2015年度版』pp.33-37

74. ピルを飲み続ける場合の注意点は?

40~50代になると、どんどん血栓リスクが上昇していくため、40歳以上の方は、血栓リスク評価やホルモン計測など、慎重に管理していく必要があります。

75. ピルを止めるタイミングって?

副作用がつらい場合、妊娠を考えている場合、更年期や閉経を迎える年代になった場合などには止めたほうがよさそうです。

76. ピルと一緒に飲んではいけない薬やサプリってあるの?

向精神薬やうつの薬などを服用している人は、精神科や心療内科の医師にも相談しながら薬の量を調整しましょう。

77. ピルを飲むと太りやすいって本当?

ピルにはエストロゲンとプロゲステロンという2つのホルモンが配合されています。この2つは体内に水分をためやすくする働きがあるためむくみやすくなり、太ったと感じてしまうことがあります。

78. いろんな種類があるけど、どのタイプのピルがいいの?

どのタイプのピルが合っているのかについては、医師に相談し、処方してもらうとよいでしょう。

79. ピルを飲むタイミングはいつがいいの?

月経開始から15日以内に服用を開始し、毎日1錠ずつ飲みます。飲む時間はいつでもOK。たとえば、朝と決めたら毎朝、同じ時間に服用すること。数時間以内であれば多少のずれも問題ないですができるだけ同じ時間に服用すると飲み忘れもなくおすすめです。

80. ピルを飲み忘れた時はどうしたらいい?

1錠を飲み忘れた場合は、翌日にその分を含めて2錠を服用すること。2錠を飲み忘れた場合は、気づいたときにまとめて2錠服用します。ただし、2錠分の内服忘れはより妊娠の可能性が高くなってしまうため、7日連続での内服ができるまでは避妊をするか性交渉を避けましょう。

81. ピル以外にも改善できる薬はある?

薬ではなく漢方を処方してもらうことも効果的と言われています。月経に関わるお悩みに使う漢方は大きく34種類あります。クリニックでは体質、体格などをみて処方してくれます。

82. 出産後にPMSを感じるようになったけれどどうして?

女性は妊娠、出産など、それぞれのライフステージに応じた女性ホルモンの影響を受けて、体質が大きく変わっていきます。出産後にPMSを感じるようになったのは、 そういった体質の変化が原因かもしれません。

一般的に出産経験のある女性の方が、イライラする、怒りっぽくなる、自己否定的になるなど精神的な症状が多く、出産経験のない女性は、下腹部痛、乳房のはり、頭痛などの身体的な症状が多くみられます。

83. 月経困難症との違いは?

月経困難症は、月経の際に生じる症状が日常生活を送るのが困難で、治療が必要なほど重い場合を指します。PMSと月経困難症の大きな違いは症状が発現する時期。月経困難症は月経中に症状が現れ、PMSは月経前に症状が現れます。

84. 女性ホルモンにはイソフラボンが効果的って本当?

大豆イソフラボンには、女性ホルモンのひとつであるエストロゲンの調節作用があり、ホルモンの変動を和らげる効果が期待できると言われています。

85. PMSのことを周りの人がわかってくれない時はどうしたらいい?

気まぐれに不調が起きるわけではなく、定期的にやってくる月経前の不調は女性ホルモンの影響であって自分でもコントロールできず、苦しんでいることを周囲に伝えていきましょう。伝えることが難しい場合は、PMSの諸症状を和らげるために医師に相談してみてはいかがでしょうか。気持ちもカラダも楽になるはずですよ。

86. PMSで辛いことを周りの人に話すのが恥ずかしい

友人や家族、彼氏など、顔見知りの人たちに話すのが恥ずかしいのであれば、SNSなどを利用してみてはいかがでしょうか。直接医師に相談できるアプリもあるので、自分に合った相談方法を探してみてください。

87. PMSを知らない人になんて説明したらいいのかわからない

まずは知っているようで知らないPMSにまつわる知識を身に着け、知らない人に対してPMSの諸症状について説明してみることから始めると良いかもしれません。また、医師に相談し、しかるべき治療を受けて症状を緩和させれば、ご自身の負担も軽くなるはずです。

88. PMSが原因でパートナーとの言い争いをしてしまいます。ケンカはしたくないのですがどうしたらいい?

パートナーと一緒にPMSについて学んでみてはいかがでしょうか。男性はPMSについて口に出すことを憚っている可能性もありますが、深く知りたいと思っている方もいます。そんな男性陣にぜひ読んで頂きたい、男性向けのPMSセミナーをまとめた記事があります。

フェムテック tv:『男性向けPMSセミナーを開催!

こちらを読んでいただければ、女性はもちろん男性のPMSに対する考え方が変わるはず。ぜひ参考にしてみてください。

89. 基礎体温ってなんですか?

普段はかっている体温とは違い安静時の体温のこと。生命維持に必要な最小限のエネルギーしか消費していないときの体温=寝ている間の体温ので、排卵や月経、妊娠などにともなう女性ホルモンの分泌に関係しているため、目には見えないカラダの内側で起こっている変化が分かります。

90. 基礎体温はいつはかるの?

朝目覚めてすぐ、なるべく動かずベッドの上ではかりましょう。

91. 基礎体温を記録するメリットって何?

月経周期を把握できるためPMSの時期を推測できるようになります。仕事や家事など無理のないスケジュールを組めたり、PMSの時期だと自覚することでカラダを休めることもできます。

基礎体温は毎日同じ時間に測定する必要があり必然的に生活リズムが整ってくるため、規則正しい生活はPMSの緩和にも効果的です。ほかにも、排卵の有無、月経不順、妊娠の可能性など、カラダの変化やトラブルなども読み取れます。

92. PMS症状が軽い場合は対処しなくてもいい?

症状が軽くても、夜更かしをしていたり、食事の時間や回数がバラバラだったりする方は、今後症状が重くなる可能性もあります。症状が軽いと感じているうちに、生活サイクルを見直してみてはいかがでしょうか栄養バランスに気をつけることも大切です。

93. PMSに関して、どこに相談したらいいの?

婦人科や産婦人科などに相談してください。女性医師を希望する場合は、予約の際に予めその旨を伝えておけば、安心して女性に診察してもらうことができます。

94. 専門医に相談する目安ってあるの?

日常生活に支障をきたすほど症状がひどい場合はすぐにでも専門医へ相談してください。もちろん症状が軽い場合でも気になることがあれば遠慮せず相談してみてください。

95. 専門医を選ぶ基準は?

できるだけ自宅近くで見つけると通院するのが苦になりません。PMSや月経痛など、気軽に相談できる専門医が近くにいたら心強いですよね。

96. 初めていく婦人科。気をづけることはある?

検査をする際には足を開くため、スカートなどのゆったりとした服装がおすすめ。脱ぎやすい靴を履いていくのもよさそうです。

97. どんな診療を受けるの?

問診結果を見て、性交経験があれば子宮頸がんの検査を行うことが多いです。ほかにも、性感染症の検査、超音波検査で子宮、卵巣の状態をみて、必要な場合は血液検査なども行います。

98. 相談しに行くのが恥ずかしい、気が進まない時はどうしたらいい?

気が進まない理由はいくつかあるかと思いますが、対面で相談するのが恥ずかしいのであれば、専門医に相談できるアプリやWEBサイトがありますので、それらを活用してみていかがでしょうか。

相談すること自体に抵抗を感じている場合は、自らが相談したいと思ったときに前に進んでみましょう。まずは気を許している友人にサラッと話してみるのもひとつの手です。

99. 月経痛はPMS

月経痛は月経期間中に起きる不調で、PMSは月経開始の310日くらい前から始まる不調で月経開始とともに減退ないし消失するものと、定義されているため、月経痛とPMSは異なります。

100. PMSは現代病?

昔は現代に比べると一人あたりの出産回数が多く、10代後半から妊娠、出産を繰り返していました。妊娠している期間は排卵しない(月経が来ない)ため、PMSなどの月経前特有の不調を感じることもありませんでした。現在は働く女性が増え晩婚化、晩産化を選択する人が増え、社会では少子化が問題に。一生のうち妊娠している期間が短くなった分、月経の回数が増加しました。さらにハードワークや人間関係といった、ストレス要因が増えたことにより、PMSになる女性は急増しました。そのようなことからPMSは現代病と言えるでしょう。

医師監修:中田航太郎(株式会社ウェルネス)

「生理前や生理中、甘い物が止まらない…」と悩む女性必見!罪悪感なく食べられるおやつリスト

女性にとって月経は思春期の頃に始まり、50歳前後で閉経を迎えるまでの長い付き合いとなる人生のパートナーです。そのパートナーとの付き合いのなかでは、さまざまな悩みも生じます。

「生理になると日中も眠い」「腹痛が辛い」「腰が痛い」「ナプキンでかぶれる」「経血の量が多く漏れが心配」「気分が沈みがちになる」などなど……。症状も悩みも千差万別です。

そこで今回は、月経中の困り事のなかでも特に多くの女性が訴える「甘い物を過剰に食べてしまう」という悩みへの対処法を、管理栄養士で公認スポーツ栄養士の高須希代さんに伺いました。

生理前や生理中になると、甘い物が無性に食べたくなる!

 

「生理前や生理が始まってすぐの頃になるといつも以上に甘い物が食べたくなる欲求は、実は体内のホルモンの影響から起こることが分かっています。

排卵後から生理前にかけての時期になると、女性の体内では『エストロゲン(卵胞ホルモン)と『プロゲステロン(黄体ホルモン)』という2つの女性ホルモンが多く分泌されます。そのひとつである『プロゲステロン』は『インスリン』という膵臓で作られるホルモンに影響を与えるのです。

『インスリン』には血糖値を調整する働きがあります。人が何かを食べると、その食べ物に含まれる糖分が分解され体内の血糖値が上がるのですが、血糖値が上がりすぎるのを防いでくれるのが『インスリン』の役割。『インスリン』が分泌されることで血糖値を下げ、血糖値を正常な値へと調整する仕組みになっています。

生理前に分泌が盛んになる『プロゲステロン』には、この『インスリン』の効きを悪くする作用があるのです。そのためこの時期になると、『プロゲステロン』の影響で効きが悪くなった分を補おうと、体内で『インスリン』の分泌量が増え、その結果、血糖値が通常より低くなってしまう人がいるのです。

生理前や生理が始まったころに無性に甘い物が食べたくなるのは、『インスリン』の分泌量が増えたことにより、身体が低血糖状態になっているせいではないかと考えられているのです」

「タンパク質のおやつ」は良いことだらけ!

「甘い物をいつもよりたくさん食べてしまい、『こんなに食べたらまずいよなぁ』と自己嫌悪に陥りながらも止められず、どうしたらのいいのか悩んでいる女性も少なくないかもしれませんね。しかし、ホルモンの作用によって生まれる欲求だとも言えるので、ある意味では仕方のないこと。我慢をしすぎるのもよくありません。

そんなときのおやつとして、私のおすすめはタンパク質の軽食です。タンパク質は血糖値を上げることもなく、疲労軽減効果や美肌・美髪を作る素にもなるので一石二鳥です。

口寂しくなったときには、スルメや枝豆、ゆで卵などを食べてみてはどうでしょう? また、今はスムージーのように美味しく飲めるプロテインもさまざまな種類が発売されているので、試してみてもいいかもしれません」

洋菓子より和菓子!ドライフルーツやナッツもおすすめ

 

軽食ではなく、どうしても甘い物が食べたいという人には和菓子がおすすめです。洋菓子は油分が豊富な物が多いので、一度口にしてしまうとより食欲が増してもっと、もっと……”と食べすぎてしまいがち。いくら身体が求めているからといって、カロリーの高い甘味の食べすぎは血糖値の急上昇を招き、ホルモンバランスを乱す悪循環に。当然、健康にも美容にもいいことはありません。

甘い物が食べたくなったら、洋菓子ではなく、油分の少ないお団子やせんべい、寒天などの和菓子を口にしてみてください。他にも『インスリン』の分泌量増加の影響で下がってしまった血糖値をゆるやかに上げるのに最適なのが、ドライフルーツやナッツ類のおやつです。

また、どうしても菓子パンや小麦を含む洋菓子などを食べたくなった場合には、小麦が使われているのものではなく、全粒粉やライ麦が使用されている物を選ぶようにしてみてください。シリアルも生理時のおやつにおすすめですよ」

過剰な我慢や罪悪感からくるストレスは、ホルモンバランスをより乱してしまう原因になりかねないので厳禁です。工夫しながら適度におやつを食べて、憂鬱な生理期間を上手に乗り切りましょう。

高須  希代

管理栄養士、公認スポーツ栄養士 。東京都内の心療内科クリニックで15年間にわたり食事カウンセリングを行う。5000通り以上の食事記録をもとにアスリートへの食事指導も。現在はフリーランスの栄養士として、スポーツ栄養サポート、各種学校での指導、講演、レシピ開発などに携わる。