PMS/生理 お悩み相談室 by 小嶋美樹

【読者のお悩み】10代女子の生理不順は心配いらない?「初経から3年目以降も不順のようなら受診をおすすめします」

『フェムテック tv』でも人気の産婦人科医・池田裕美枝先生ことゆみえ先生が、SNSで集めた読者からのリアルな悩みに答えます! 

今回の相談:10代女子ですが、生理不順や、経血の量が少ないときがあり将来が心配です。親は「もう少し様子を見てから産婦人科に行っても遅くはない」というのですが、それでも大丈夫でしょうか?

ゆみえ先生の回答:「初経から3年目以降になってもまだ月経不順が続いている場合には、婦人科を受診することをおすすめします」

月経周期の正常範囲は約2538

「月経が始まってから23年の間は月経不順であってもまったく心配ありません。ただ、初経から3年目以降になってもまだ月経周期が定まらない、という方は、念のため婦人科やレディースクリニックを受診することをおすすめします」(ゆみえ先生・以下同)

先生がおっしゃった「月経周期が不順」と言うのは、具体的にはどんな状態をイメージすればよいでしょう?

「月経周期の正常範囲という基準があって、それが約2538日だと言われています。毎回一定でなくても、数日程度のずれで月経が起こっていれば問題はないと考えてください。具体的には、『1カ月に1度の月もあれば1カ月半に1度のときもある』『今月は丸っと飛んだけど、来月以降は定期的にきている』という範囲内であれば心配ありません。

ただ、『3ヶ月間こないと思ったら今月はきて、でもそれ以降もしばらくはきていない』とか『いつ、どんなタイミングでくるのかさっぱり予想ができない』という方は月経不順だと考えてください」

婦人科の内診をしなくても調べられる病気がある?

今回の相談者の方のように、10代の女性だと婦人科の内診に抵抗があって受診するに至らない人も多いような気がします。

「そうですよね。たとえば、月経不順を引き起こす疾患のなかで心配なひとつに甲状腺疾患があるのですが、これは内診をしなくても採血で調べることができます。まれに、胃薬など常用している薬のために月経不順になっている人もいるのですが、これも採血で調べられます。

また、月経不順の女性で多いのが多嚢胞性卵巣症候群なのですが、これも採血とお腹の上からのエコー検査で調べることが可能です。婦人科の内診に抵抗のある人は、その旨を事前に医師に相談してみてほしいなと思います」

>>多嚢胞性卵巣症候群に関する記事はこちら:『月経不順や無月経がサイン! 日本人女性に多い「多嚢胞性卵巣症候群」はどんな病気?』

多嚢胞性卵巣症候群であれば、あまり心配いらないのですよね?

「そうですね。10代の月経不順の原因のほとんどが多嚢胞性卵巣症候群かストレスが原因です。明らかな疾患が見つからない場合には、しばらく様子を見守るでも心配ありません」

常用している薬のせいでも月経不順がおこりうる、とのことですが、サプリメントでも月経不順になることがあるのでしょうか?

「その可能性はまず考えられませんので、そこは心配しなくて大丈夫かと思います。ただ、月経不順の原因のなかには、稀ではありますが、何かしらの疾患が潜んでいる可能性もあります。10代の女性であっても、初経から3年目以降も不順な方は、一度婦人科を受診してみて欲しいですね」

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池田裕美枝先生

いけだ・ゆみえ 京都大学医学部卒業。「市立舞鶴市民病院」「洛和会音羽病院」にて総合内科研修後、産婦人科に転向。現在は「二宮レディースクリニック」での産婦人科外来、「神戸市立医療センター中央市民病院」の女性外来、「京都大学医学部附属病院」の女性ヘルスケア外来を担当。また、SRHR(セクシュアル・リプロダクティブ・ヘルス&ライツ)の勉強会や啓もう活動を行う研究会「SRHR Initiative」の代表も務める。

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小嶋美樹
編集者、ライター、ディレクター。大学卒業後、出版社に勤務し、女性誌や実用書・ビジネス書の編集、WEBディレクターなどを経て、2020年からフリーランスに。現在は主にインタビュー記事や女性のライフスタイル・子供の教育系記事の執筆、韓国エンターテインメント記事の編集・執筆など行う。趣味は旅行で、今一番欲しいものは子供たちと日本中を旅して回れるキャンピングカー。