FEMTECH/FEMCARE by 木川誠子

産婦人科医が教える、デリケートゾーンケアの7つのポイント

テクノロジーを用いず、女性の健康課題を解決するためのサービスや製品であるフェムケアが広がり、その代表格であるデリケートゾーン用の製品を取り入れている人が増えています。そこで、デリケートゾーンのケアのポイントを、産婦人科医の池田裕美枝先生に教えていただきました。

1.自ら整える力があるから洗わなくても問題なし

「デリケートゾーンはあまり洗わなくても問題ありません。その理由は、腟粘膜には自浄作用といって、自らいい状態に整えて保つ働きがあります。そのうえ腟内と外陰部には常にいい菌と悪い菌が存在しており、ほぼ無菌状態の子宮を守るため戦ってくれています。外陰部を洗うということは、必要な菌さえも洗い流してしまう可能性がありますので、洗いすぎないように気をつけましょう」(ゆみえ先生、以下同)

2.デリケートゾーンの汚れはシャワーで落とせる

「顔や身体にできたアトピー性皮膚炎がストレスなどで悪化するように、外陰部に常在する菌や皮膚の状態も、ストレスや食生活などの生活習慣による影響を受けることはあります。

ただ、粘膜である鼻の中を毎日洗うことはありませんよね。風邪をひいた時などに鼻うがいをする場合があるかもしれませんが、鼻の中を洗うという認識はないと思います。基本的には、腟内と外陰部にも同じことが言えます。

石鹸を使って洗わなくても、シャワーで身体を流すだけで外陰部の大きな汚れは取れます。それだけでも清潔に保つことはできますので、洗うことが基本なのではなく、あまり洗わなくても問題ないことを知っていてください」

3.洗いたい場合は専用ウォッシュを使う

「シャワーで汚れは落とせますが、顔を洗ってすっきりするように外陰部を洗ってすっきりしたいという場合もあると思います。そういう時は、いわゆるデリケートゾーン専用の製品を用いてください。

外陰部に存在する菌は、酸性の状態で本来の働きを発揮します。ただし、一般的な石鹸やボディソープはアルカリ性のものが多いので、酸性である外陰部との相性は悪いため使うのは避けましょう。外陰部を洗いたい場合は、外陰部の酸性の状態に調整された専用のウォッシュを取り入れてください」

4.洗う時はこすらず、泡で優しくなでる

「外陰部の皮膚は薄いためこするのは避けましょう。洗う時はたっぷりと泡を作り、その泡を皮膚の上で転がすように優しくなでていきます。専用のウォッシュの中には、あらかじめ泡で出てくるタイプがありますので、そちらを選ぶのもおすすめです。

そして、爪が長い場合は皮膚をひっかいてしまわないように注意してください」

5.洗った時は専用のアイテムで保湿もする

「顔や身体と同じように外陰部も乾燥は禁物。ただ、乾いていることを自覚するのが難しい部位なので、専用ウォッシュを使って洗った場合はうるおいに必要な油分が流されている可能性があるため、その分保湿する必要があります。その際もデリケートゾーン専用のアイテムを使いましょう。

シャワーでさっと流しただけの場合でも、乾燥が気になるという時は保湿をしてください」

6.通気性を良くしておく

「下着をつけていることもあり、外陰部は蒸れやすい部位です。蒸れることでかゆみなどが起きることもありますので、通気性を意識しましょう。

締め付けの少ないトランクス型のショーツを取り入れるのも、通気性を良くする工夫のひとつです」

7.気になることがある時はケアをやめてみる

「かゆみやニオイなど、気になる症状がある場合は、その対策のためのケアアイテムをプラスするのではなく、ケア方法を見直してみください。良かれと思ってケアしていたことがトラブルを引き起こしている可能性があります。ケアのしすぎは状態の悪化につながりますので、引き算の発想で様子を見てみましょう。それでも症状が治まらない場合は婦人科を受診してください。

また、かゆみがある場合は思わずかきたくなってしまいますが、洗う時と同様、皮膚をこすってしまうことになるので、できるかぎり我慢をしましょう。市販されているかゆみ止めの中にはデリケートゾーンには向かないものもありますので、使用は避けたほうがいいと思います。我慢できない場合は皮膚科、婦人科を受診し、処方されたものを使ってください」

 

池田裕美枝先生

いけだ・ゆみえ 京都大学医学部卒業。「市立舞鶴市民病院」「洛和会音羽病院」にて総合内科研修後、産婦人科に転向。現在は「二宮レディースクリニック」での産婦人科外来、「神戸市立医療センター中央市民病院」の女性外来、「京都大学医学部附属病院」の女性ヘルスケア外来を担当。また、SRHR(セクシュアル・リプロダクティブ・ヘルス&ライツ)の勉強会や啓もう活動を行う研究会「SRHR Initiative」の代表も務める。

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木川誠子
ライフオーガナイザー1級、アロマ心理の資格を保持。出版社勤務を経て2009年に独立。編集者・ライターとしての経験を活かし、ライフスタイルを仕立てる(tailor)を意味するライフスタイラーとして、美容や食など様々な角度からライフスタイルの情報を発信。ライフスタイルは感性や感覚、体験などで構築されて、ひとりひとり異なるもの。自分自身で感じた感覚を大切に、独自の体感や実感を取り入れながら、雑誌やWEBメディア、カタログなどでの執筆活動をはじめ、メーカーブランディングなども行う。また、姉妹で、完全予約制のプライベートショップ「KIRA CLOSET」を主宰し、ワークショップや食事会を企画、開催。食事会でのメニューはお手軽でありながら、さり気ないおもてなし感が特徴で、レシピは定期的にメディア掲載中。