
TikTokで話題の髙橋怜奈先生が教える! 基礎疾患で?ダイエットで?生理不順は原因を知ることが優先事項
自分の身体のことを考えた時、ホルモンの影響は外せませんよね。そのため、生理周期をバロメーターにしている人もいるのではないでしょうか。そんな中で、生理不順に悩んでいる人が増えているそうです。
そもそも生理不順って何?
まず生理不順とはどの状態を指すのか、TikTokでの情報発信がバズっている産婦人科医の髙橋怜奈先生に教えていただきます。
「生理周期とは、医学用語で月経周期と呼ばれます。生理が終わり、次の生理が始めるまでの期間を示し、一般的には25~38日以内であれば、正常の範囲内とされています。そして、生理期間は3~7日が目安となっており、これらに当てはまらない場合は、生理不順になります」
一概に生理不順と言っても、いくつか種類があります。
稀発月経(きはつげっけい)
生理周期が39日以上と長くなるケースです。体質によって排卵に長い時間がかかる場合と、ホルモンの分泌や卵巣機能などのトラブルによって排卵がなく、生理がこないパターンがあります。
頻発月経(ひんぱつげっけい)
生理周期が24日以内と短くなるケースです。排卵を伴わない生理として、ホルモン分泌が不安定な思春期、卵巣機能が低下した更年期によくみられます。
続発性無月経(ぞくはつせいむげっけい)
妊娠はしていないのに、3ヶ月以上も生理がこない状態です。18歳以上になっても生理が始まらない原発性無月経ではなく、もともとは生理があった人が途中で来なくなってしまうことを指します。過度なダイエットやストレスなどでも起こります。
ただし、生理周期は多少ずれることもあります。それが1週間以内に収まっている場合は不順には該当しません。いつもとちょっと違うかも、と判断できるように、自分の生理周期を把握しておくことは大切です。
経血量も目安になる
「生理周期と同様に、経血の量や状態もバロメーターになります。また経血の量は1回の生理期間で20~140mLが正常とされています。20mL未満は過少月経、140mL以上を過多月経といいます」
過少月経
・2日目でもナプキンに血が軽く付く程度
・おりものシートでも間に合う
経血量が少ないうえ、出血が2日以内で終わる場合は過短(かたん)月経と言われ、子宮の病気、無排卵周期症、甲状腺ホルモンの分泌異常などが考えられます。
過多月経
・昼間でも夜用を使っている
・1時間おきに交換しないと間に合わない
・500円玉サイズの血の塊がある
さらに、出血が8日間以上続く場合は過長(かちょう)月経が考えられます。子宮筋腫や子宮腺筋症などの病気の可能性も。出血が多く、長いことに伴い、貧血の症状が現れる人もいます。
生理不順はダイエットが原因?
「生理不順は、子宮や卵巣、甲状腺などの病気によって起きている場合もあります。その一方で、過度なダイエットやストレスによるホルモンバランスの乱れ、不規則な生活によって起きているケースも少なくありません。
特にダイエットとストレスは、現代人には見逃せないキーワードです。
体重は適正を維持することが望ましく、急激な体重増減や、逆に体重増加も生理不順につながる原因となります。
そして、現代人はストレスフルだと言われているため、ストレスによるホルモンバランスへの影響は無視できません。意識的に解消していきましょう」
生理不順改善への第一歩
髙橋先生に、生理不順を改善する方法を教えていただきました。
☑︎適正体重を維持する
「この項目がもっとも大切です。無理にダイエットをして短期間に体重を落とすことも、過食によって一気に体重が増えることもダメ!自分の適正体重を知って、その数値を維持することを意識して体調管理をしてください。
たとえ、適正体重を保てていても、運動のしすぎによるストレスで生理不順になることもあるため、バランスよく取り組んでください」
☑︎ピルを取り入れる
「PMSの症状を緩和させるのにも有効的なピルは、服用することでホルモンバランスが整うため、生理不順対策としても活躍します。また経血量が減り、生理痛も改善にも有効的です。服用し始める頃は吐き気や胸のハリなどのマイナートラブルが起こることもありますが、ピルにはいろいろな種類があるので、専門医による相談をし、自分に合ったものを取り入れてください」
☑︎漢方薬を取り入れる
「生理不順と言っても、症状は人それぞれ異なります。漢方薬は、自分の症状や体質に合わせて使用できることが最大の特徴。中、長期的な改善方法としておすすめします。また、ピルと併用して服用することも可能です」
専門医に相談することも大切
生活習慣を見直すこと、ピルや漢方薬を服用することで改善することもありますが、基礎疾患による生理不順である場合もあるため、すべてを自己解決するのは禁物です。重要なのは、原因を知ること!
「女性の身体はホルモンに左右されるため、生理不順が起きたとしても自分のせいだと思わないでください。そして、自分だけで解決しようとはせず、原因を知るためにも、正しい知識を得るという意味においても、気になることがある場合は専門医に相談してください」
髙橋 怜奈
女医+所属。東邦大学医療センター大橋病院・産婦人科に在籍。ベリーダンサー、プロボクサーという一面も。メディア出演をはじめ、Twitter(@renathksh)、TikTok、YouTubeなど、SNSでの医療情報の発信も積極的に行っています。
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