フェムテック/ケア by 木川誠子

洗濯のプロに聞く!吸水ショーツの基本の洗い方

生理用品の選択肢のひとつになっている吸水ショーツ。生理期間をより快適に過ごせると話題ではあるものの、「洗うのが大変そう」「どうやって洗えばいいのかわからない」という人もいるのではないでしょうか。そこで、洗濯研究家の平島利恵さんに吸水ショーツの洗い方を教えていただきました。3ステップで簡単に洗えます。

 

※2022年6月22日掲載の記事です。

経血はお湯+洗剤で洗う

「経血を洗う際は、お湯だと凝固するから水で洗うほうがいいと思っている方が多いかと思います。実は、お湯に洗剤を混ぜると洗浄液になるため、お湯+洗剤のほうが汚れ落ちはよくなるのです。洗剤を使用して経血を落とす場合は、40℃くらいのお湯を使うことをおすすめします。

また、落ちにくい時などにつけおき洗いをする際は、水やお湯だけではなく重曹や洗剤を投入してください。水やお湯だけでつけおき洗いをすると雑菌が繁殖して不衛生な状態になるので気をつけましょう」(平島さん・以下同)

吸水ショーツを落とすための便利アイテムは?

「吸水ショーツを洗う時のおすすめのアイテムは何を優先したいかによって変わってきます。ただし、水だけよりは洗剤を用いるほうが汚れは落ちやすいので、それぞれの特性を知っておくと役立ちます」

 

代表的な洗剤の〇メリット・△デメリットを確認!

・合成洗剤

〇吸水ショーツを長持ちさせながら洗える
△汚れを落とすために揉み洗いの工程が必要

 

・重曹

〇合成洗剤より自然派
△揉み洗いが必要。汚れの落ち方は合成洗剤よりも劣る

 

・漂白剤

〇汚れ落ちがいい
△ポリウレタンの生地を使用していることが多い吸水ショーツに使用すると劣化が進む

 

吸水ショーツを長持ちさせることを優先させたいのか、楽に洗濯がしたいのか、生活習慣や性格に合わせて洗剤を選ぶことがポイントになります。

洗い方は、予洗い・洗濯・干すの3ステップ

吸水ショーツを洗う際に用いる洗剤の特性がわかったところで、基本の洗い方をチェック。「経血を落とすのは大変そう……」と思いきや、実は3ステップで完了します。

 

ステップ1 予洗いをする

「洗面器に40℃くらい(湯船の温度)のお湯と洗濯洗剤、または重曹を投入し、良くかき混ぜます。経血がついている面を下にしてしっかり沈めながらもみ洗いをします」

 

ステップ2 洗濯機で洗う

「予洗いした吸水ショーツを洗濯ネットに入れて、洗濯機で標準洗いを行います。洗濯ネットに入れることで劣化を抑えることができます。そして、すすぎは2回以上行いましょう。他の衣類と一緒に洗濯しても問題はありません」

 

ステップ3 陰干しをする

「吸水ショーツを干す際は、形を整えてから陰干ししましょう。陰干しをすることで生地へのダメージの軽減、変色や色あせを抑えるができ、長持ちさせることにつながります」

3ステップ洗濯は布ナプキンにも活用できる

大変そうだと思っていた吸水ショーツの洗濯は、一般的な衣類の洗濯と比べてステップ1の予洗いを加えるだけと、意外と簡単に行うことができます。そして、この3ステップ洗濯は布ナプキンにも応用可能!

吸水ショーツの洗い方が分かると取り入れやすくもなりますよね。より自分に合った生理用品を選択しやすくなると思いますので、ぜひ、洗い方の参考にしてみてください。

 

平島利恵さん

ひらしま・りえ 武庫川女子大学文学部を卒業後、リクルートに入社。じゃらんのEC事業に携わり、株式会社マクロミルへ転職。東日本大震災をきっかけに布おつむ専門店を立ち上げる。NY在住中に揉み洗い不要の漬け置き洗剤の着想を得て、帰国後に『株式会社Heulie』を設立。洗濯洗剤と布ナプキンブランド『Rinenna』を展開しながら、洗濯研究科として幅広く活動中。

https://www.youtube.com/channel/UCOEeIJS41zND2cezjeVmLDQ

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木川誠子
出版社勤務を経て2009年よりライター・エディターのフリーランスとして活動。ウェルネスや美容、ライフスタイルのコンテンツを発案し、ディレクションから執筆まで一貫して携わる。2016年から兼ねてより関心のあったフェムテック領域に本格的に取り組み始め、フェムケアをはじめ、五感を通して自分を知るための”フェムアートプロジェクト”を立ち上げる。2022年には「株式会社k company」を設立し、その実践の場を創造・提供している。ライフオーガナイザー1級/アロマ心理/公認フェムテックマイスター(TM)