PMS/生理 by 寳田真由美

経血量の正しい量って? 多すぎる、少なすぎるのは体のサインかも

自分の経血量って多いの? 少ないの? 周りの人と比べることはできないし、簡単に量を測れるものでもない。だからこそ、経血量の異常を放置してしまう人も少なくありません。そこで、産婦人科医の柴田綾子先生に、経血量について伺ってみました。日頃から自分の体の状態をよく把握して、体の変化を見逃さないようにしましょう。

※2022年3月25日に掲載した記事です。

経血量が多い、レバーのような塊が混じるのは、過多月経のサイン

「生理の出血が多く、漏れないか不安で会議に集中できない」「ナプキン交換のため、夜中に23回起きる」など、経血量が多くて困った経験があるという人は決して少なくないでしょう。では、自分の経血量は多いのか、少ないのか、どう判断したらよいのでしょう?

「標準的な生理の出血量は、1回の生理で140㎖位までといわれており、それ以上になると過多月経と呼ばれます。ただ、実際のところ、生理の出血量を測るのは難しいですよね。目安としては、標準的な生理の場合、始まって12日目は出血が多く、多い日用の昼用ナプキンが23時間もつ程度です」(柴田先生・以下同)

具体的に、次のような経験がある場合は、経血量が多い可能性があります。

・昼用ナプキンが1時間ももたずにいっぱいになってしまう
・夜用ナプキンをつけても、下着が汚れてしまう
・親指の先くらいのレバー状の血の塊が出る
・貧血がある
・動悸や息切れ、倦怠感がある

「経血量が多い場合は、子宮筋腫や子宮腺筋症、子宮内膜ポリープ、子宮頸がん、子宮体がんといった婦人科系の病気のほか、血が止まりにくくなる血液の病気などが隠れている可能性もあります。経血量が多いかもしれないと気づいたら、一度、婦人科に相談してみてください」

経血の量を減らすにはどうしたらよいのか尋ねると、「低用量ピルや止血剤を飲むことで、経血量を減らす効果があります。また、経血量の多い人は、月経痛も強い人が多い傾向にあるので、そういった症状の改善にも役立ちます」と教えてくれました。

「月経が来ないのはラクチン!」は、将来のリスクになるかも

「生理はきているけれど、ナプキンをほとんど変えなくてもいいほどの量しか出血しない」「生理の回数が極端に少ない」といった人もいます。

「出血量が少なくても、毎月3日間以上出血があれば、生理としては心配ありません。ただ、極端に出血量が少ないときや、無月経(90日以上月経がない状態)が続く場合は、子宮や卵巣、女性ホルモン、甲状腺ホルモンの異常などが隠れている可能性もあります」

無月経の場合、「生理がないのはラクチンだし、すぐに妊娠したいわけでもない。子供が欲しくなったときに、また月経を起こせばいい」と、思っている人もいるかもしれません。しかし、無月経は女性ホルモンがきちんと働いていないということ。

「なぜ無月経なのか、原因を知らないと、将来赤ちゃんを欲しいと思っても、なかなか妊娠しづらくなることもあります。また、女性ホルモンがしっかり働いていないと、骨が弱くなり、骨粗鬆症や骨折が起こりやすくなるリスクもあります。婦人科を受診して、原因を確認しておくといいでしょう」

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寳田真由美
編集者、ライター。大学卒業後、出版社や編集プロダクションに勤務。情報誌や女性誌、旅行誌などの編集を経て、2000年よりフリーランスで活動。現在は、主に女性のライフスタイルや健康、医療記事の編集・執筆などを行う。いま一番はまっているのは、愛犬と旅するためにはじめたキャンプ。