PMS/生理 by 寳田真由美

経血量の正しい量って? 多すぎる、少なすぎるのは体のサインかも

生理周期を把握して、生理の質をアップ

経血量を正常するためには、自分の体の状態を知ることが大切です。

「生理日を手帳やアプリに記録して、スケジュール管理や体調管理に生かしましょう。生理周期に合わせて仕事の予定を組んだり、ゆったり過ごす日を作ったりすると、生理と上手に付き合えるようになります。経血量の変化にも気づきやすくなるでしょう。また、過度なダイエットは生理が乱れる原因に。標準体重をキープして、睡眠をしっかりとるよう意識すると、生理の質の改善につながります」

経血量の多い人はもちろん、生理中や生理直後は貧血になりやすいため、鉄分の多い食事やサプリメントを積極的に摂るのもいいと柴田先生。

「鉄分は、ビタミンCと一緒に摂ると吸収が高まります。また、生理が近づくとイライラする、不安になるといったPMSの症状がある人は、乳製品やひじき、ほうれん草などのカルシウムやマグネシウムを摂るようにすると、症状の緩和に期待できます」

自分の体と向き合って、困ったことがあれば婦人科へ

「経血量が多いかも」「何カ月も生理がきていない」といった場合、一度婦人科を受診してみることがおすすめですが、内科などと違って婦人科には行きにくいという人もいるかもしれません。そういった人は、婦人科検診を利用してみましょう。

「女性は、20歳になると2年に1回、子宮頸がん検診を受けることができます。そういった機会に、ぜひ産婦人科に足を運んでみてください。最近は、妊娠する前に子宮や卵巣の健康状態をチェックするプレコンセプションケア(自費診療)を実施している病院も増えています。経血量が多いかも、生理痛がつらいなど困ったことがあったら、気軽に相談してみてください」

生理は、自分の体の状態をあらわすサインです。まずは生理の状態を観察して、体の声に耳を傾けてみましょう。長い付き合いをしなくてはならない生理を見直すことは、これからの生活の質をより良くすることにつながるかもしれません。

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柴田綾子先生

しばた・あやこ 淀川キリスト教病院産婦人科所属。産婦人科専門医、周産期母体・胎児専門医。世界遺産を見るため、15カ国ほどをバックパッカーで旅行した経験から、母子保健に関心を持ち産婦人科医をめざす。2011年医学部を卒業後に沖縄県立中部病院で初期研修し、2013年より現職。女性の健康に関する情報発信やセミナー講演を中心に活動中。著書に『女性の救急外来 ただいま診断中!』(中外医学社)、『産婦人科ポケットガイド』(金芳堂)、『女性診療エッセンス100(日本医事新報社)

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寳田真由美
編集者、ライター。大学卒業後、出版社や編集プロダクションに勤務。情報誌や女性誌、旅行誌などの編集を経て、2000年よりフリーランスで活動。現在は、主に女性のライフスタイルや健康、医療記事の編集・執筆などを行う。いま一番はまっているのは、愛犬と旅するためにはじめたキャンプ。