
【読者のお悩み】30代から経血の量が減少…これって大丈夫?「減る分には問題なし。ただし増えてきた人は危険信号です!」
『フェムテック tv』で人気の産婦人科医・池田裕美枝先生こと“ゆみえ先生”が、SNSで集まった読者からのリアルな悩みに答えます!
読者のお悩み:30代の中頃から経血の量が少なくなってきました。生理周期は正常ですが、心配ないでしょうか?
ゆみえ先生の回答:「経血の量が徐々に減っていること自体は心配ありません。むしろ増えている人は要注意です」
エストロゲンが分泌されていれば大丈夫
「30代中盤ごろから経血の量が徐々に減ってきても、月経がきちんと起こっているのであれば心配いりません。女性ホルモンのひとつである『エストロゲン(卵胞ホルモン)』は、月経がきていれば、正常に分泌されていると言えるからです。女性の身体にとって非常に大切な『エストロゲン』さえ正常に分泌されていれば、たとえ経血の量が少なくなっても問題はないのです」(ゆみえ先生、以下同)
―経血の量が少なくなることで分かる婦人科系の病気はないのでしょうか?
「加齢に伴って女性ホルモンのバランスが変化したり、子宮の反応性が落ちることが、経血量減少の原因だと考えらえます。婦人科系の疾患が原因で経血量が徐々に減ることはありませんので、それに関しても心配いりません」
むしろ「経血量が増えた」という人は要注意!
―逆に、「経血の量が徐々に多くなってきた」という女性も心配いりませんか?
「むしろ、そちらは問題ありです。経血量が昔に比べて増えたなと感じたり、もともとの経血量が多い月経過多の方のなかには、器質的な原因、つまり子宮筋腫やポリープなどによって経血量が増加している場合も少なくないからです」
―「多い時には危険信号」と覚えておきたいですね。
「そうですね。場合によっては、それが原因で不妊症になってしまうことも考えられます。もちろん、一時的なホルモンバランスの変化などで量が増えることもありますので、『最近、経血の量が多いな』と思い当たる人は、一度、婦人科を受診してみましょう」
―ただ、経血の量はなかなか人と比べられないので、自分が多いのかどうか、分かりにくいんですよね。
「病院を受診したほうがいい1つの目安として、『トイレのたびにナプキンを替えているのに、それでも経血が漏れてしまう』という人は要注意です。婦人科を受診した結果、疾患が見つからなかったとしても、日常生活に差し障るほど多い経血の量をコントロールするお薬もあるので、受診を強くお勧めしたいですね」
池田裕美枝先生
いけだ・ゆみえ 京都大学医学部卒業。「市立舞鶴市民病院」「洛和会音羽病院」にて総合内科研修後、産婦人科に転向。現在は「二宮レディースクリニック」での産婦人科外来、「神戸市立医療センター中央市民病院」の女性外来、「京都大学医学部附属病院」の女性ヘルスケア外来を担当。また、SRHR(セクシュアル・リプロダクティブ・ヘルス&ライツ)の勉強会や啓もう活動を行う研究会「 京都大学 リプロダクティブ・ヘルス&ライツ ライトユニット」の代表も務める。
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