“自分の人生を生きる”ことは、社会問題や世界平和へと繋がっている
地方で働く女性、都心で働く女性、子育てをしながら働く女性、さまざまなライフスタイルを送る女性たちを取り上げ、女性の健康課題や社会課題について考える対談コンテンツ『フェムコト』。
今回対談させていただいたのは、ウェルビーイング事業を主軸とする企画会社M5(エムサンク) 代表の山﨑真理子さん。M5では“ホリスティック”がキーワードのプラットフォームや都心型リトリート施設を展開する『QUANTA』も運営しています。フランスで生まれ、雑誌編集者として10年以上のキャリアを積み辿り着いた、ホリスティックな生き方。これまでの経歴とともに、山﨑さんが考える「ウェルビーイング=喜びとともに生きること」についてお聞きしました。
ー山﨑さんの3つのルールー
RULE1. 現実世界は私たちの心の鏡として現象化されているという視点に立つ
RULE2. ひとりで過ごす「時間」と「空間」をもつ
RULE3. すべてのタイミングを尊重して“待つ”
〈Profile〉
M5代表/QUANTA創設者・山﨑真理子さん
やまさきまりこ●1978年、フランス生まれ。小学校は東京、中学・高校はパリで過ごす。1998年に帰国し、慶應義塾大学入学。卒業後、2002年アシェット婦人画報社 (現ハースト婦人画報社)に入社し、編集者として10年間在籍後に独立。2014年、株式会社M5(エムサンク)を設立し、2019年 『QUANTA』を創設。同年、クラニオセイクラル・バイオダイナミクス(頭蓋仙骨療法)や瞑想的手法を用いた対話型のヒーリングなどに出合い、プラクティショナーとしても学び始める。1児の母でもある。
X:@okiramy
Instagram:@okiramy_
INDEX
- PAGE 1
- ホリスティックな生き方の人が増えていく時代に
- PAGE 2
- 強みと弱みは表裏一体。浄化と癒しが深まったコロナ禍
- PAGE 3
- 風の時代は“自分のことは自分で責任をもつ”のが重要
ホリスティックな生き方の人が増えていく時代に
フェムテックtv:山﨑さんはホリスティックな界隈では知られた存在で、経歴もとても興味深いです。本日は山﨑さん自身について、そしてウェルビーイングであることについてお話を伺いたいと思います。まずホリスティックとは何か、教えてください。
山﨑さん:ありがとうございます。ホリスティックは「全体性」を意味する「holos」というギリシャ語が語源です。世界保健機関(WHO)でも健康とは病ではないということではなく、肉体的にも精神的にも、そして社会的にもすべてが満たされた状態のことであると定義されています。ボディ(身体)・マインド(心)・スピリット(精神/魂)を全体的に捉えていく考え方。現在はM5としてホリスティックな在り方を伝える方たちのマネジメントやプロデュース業をしつつ、私自身もホリスティックな生き方を実践するプラクティショナーでもあります。どんな仕事に携わっていたとしても、同時に自身の心や身体をセルフケアする軸をもつこともできます。自分という存在に還り、それを自由に表現できる場として『QUANTA』という実験型プラットフォームを立ち上げました。
フェムテックtv:具体的な活動を紐解いていきたいのですが、もともと山﨑さんはどのような幼少期を過ごされていましたか?
山﨑さん:海外駐在の多い両親の元に生まれフランスで育ったことは、少なからず自己の形成に影響を及ぼしているかもしれません。多様な国や地域の集合意識に幼少期から触れてきたので、どの意識に対しても中庸なところがあるかもしれません。自然とそれぞれの意識を“観察”しながら育ってきたと思います。
「幼少期のパリでの家族写真。クリスチャン家系に育ったので生まれてすぐ現地の教会で幼児洗礼も受けています」
フェムテックtv:全体性を持ったモノの見方は、もしかしたらそのとき培われたのかもしれませんね。中学・高校とパリで過ごした後、日本で大学を卒業し、出版社に入社された経緯をお聞かせください。
山﨑さん:高校時代、パリコレなどで活動するファッションジャーナリストのような華やかな職業の人たちを間近で見て単純に憧れをもっていました。ただ言葉を扱う仕事で、このままパリにいて現地の人を魅了する言葉を紡げるかといったら外国人では難しいなと。とりあえず目標達成への最短ルートを考えたとき、日本の大学に進学することにしたんです。卒業後、出版社に入社しました。10〜20代は今のようなプロセス重視の軽やかさはなく、努力と根性が欠かせない修業の日々で、目標達成型な生き方をしていました。
フェムテックtv:社内においてさまざまな雑誌を経て、トータル10年間在籍。出版社勤務というと、相当ハードでしたよね。
山﨑さん:そういう時代だったと思うのですが、例に漏れずハードワーカーでした。毎日訪れる締め切りに追われるように過ごし、終わりのないレースのなかで謎の使命感だけで走り続け、まさに命を削って働いていた時期でした。
「社会人として訪れたフランスでの撮影や取材では、子どもの頃とは違った視点や世界に触れることができ、意識のアップデートになりました」
もっとも忙しいときは朝10時に帰宅し、1〜2時間だけ仮眠してまた出社。気づいたときには、不眠症になっていました。交感神経が優位になりすぎて眠いのに眠れない。頭がずっと回っているような状態に。それから食べても太れず、身長163cmで体重は30kg台にまで落ちました。頭痛もひどく、仕事でもケアレスミスが目立つように。今思えば過労死というものが身近にあったのだと感じますが、当時はそんなことにも気がつかない精神状態でした。
「社会軸で生きることに疲れたとき、自分自身を取り戻す過程で友人が住むボラボラ島へ。現地のプリミティブなエネルギーに触れたことはかなり大きかったです」
フェムテックtv:同時期である2011年頃にフランス式メディカルアロマテラピーと出合われているんですよね。
山﨑さん:更年期など健康課題に関する取材を通し、以前から興味がありました。そこで休職中、心身ともに病んだ状態のなかフランス式メディカルアロマの専門家である日下部知世子さんのところへ相談に行ったんです。そしたら「とりあえずパーソナルトレーニングを受けてみたら?」とトレーナーの島田智史さんを紹介してもらい、筋トレをスタート。週2で続けたら1カ月後には身体に変化が出て、次第にメンタルも回復していきました。
フェムテックtv:身体を強化することで心にも良い影響が出そうです。その後、会社を退職され、独立。2013年には現在QUANTAのチームメンバーでもあるスピリチュアルカウンセラーのyujiさんに出会われたんですよね。
山﨑さん:そもそも私は“スピリチュアル”と括られるものに対して大きな偏見をもっていました。女性誌の巻末によく「今月のホロスコープ」というページがありますが、その編集担当を振られたくなくて、“興味ないですオーラ”を全開にしていたくらいです(笑)。それがyujiさんと出会って180度変わりました。誰から知るのか。そのことが何より大事なんだと改めて感じた瞬間でした。価値観や世界観、そしてバイブスに共振できるか。yujiさんは面白いし、信頼できると直感的に感じて、私のなかの目に見えない世界への偏見が一気になくなっていきました。
「独立して初めての仕事がモロッコ&ドバイ(アラブ首長国連邦)での撮影で、そのまま延泊して友人とモロッコ全土を旅しました。会社員ではできなかった働き方のスタートです」
敬虔なクリスチャン家系で育ち、また中学・高校時代に哲学を専攻していたこともあり、宗教や哲学などの精神世界、“目に見えないもの”について考えることが昔から好きでした。宇宙に生きる生命体として目に見えない世界と繋がっていることはとても自然なことなのに、“スピリチュアル=いかがわしい”というレッテルを貼っていた私のなかでの偏見がなくなり、その頃から精神や神秘世界の文献などを新たな視点で読み始めました。
「独立後、バリのウブドやハワイには導かれるように年に1回は訪れていました。それら土地の浄化や癒しのエネルギーを必要としていたのは私自身でした」
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