お悩み相談室 by 小嶋美樹

【読者のお悩み】かゆみ、おりもの異常……繰り返す「カンジダ膣炎」にはどう対処すればよい?

『フェムテック tv』でも人気の産婦人科医・池田裕美枝先生ことゆみえ先生の新連載がスタート。第3回目となる今回は、SNSで集めた読者からのリアルなお悩みにゆみえ先生が答えます。

読者のお悩み:この1年、カンジダ膣炎を繰り返しています。婦人科に行って治療してもらっていますが、すぐに再発してしまいます。他の病気などの原因は考えられますか?

ゆみえ先生の回答:かゆみがあるからといって、外陰部を過剰に洗ったり、ビデの使用は控えましょう。他の病気の可能性はまずないと思って大丈夫です。

カンジダは健康な女性であれば誰もが持っている常在菌

「カンジダ膣炎とは、外陰部のかゆみやおりものが増えるといった症状がでる感染症の一種です。ただ、感染症といっても、実はカンジダは健康な女性であれば誰もが持っている常在菌なんです。抗生剤や免疫抑制剤を使用した後や、疲れなどから体の免疫力が落ちてしまうと、カンジダが普段以上に増えてしまい、カンジダ膣炎を発症します」(ゆみえ先生・以下同)

性行為などによって人からうつる病気ではないのですね。

「なかには性行為によって感染する場合もありますが、ごくまれです。ほとんどの場合は、体調不良や過労、ストレスなどから免疫力が落ちたことによって発症します。誰もがかかる可能性のある、女性にとっては身近な病気なんです」

今回の相談者の方のように、繰り返してしまう人も多いのでしょうか?

「免疫力が落ちていて繰り返す人はいます。一方で、間違った対処法を行い、何度も発症してしまう人も。カンジダ膣炎を繰り返してしまう人がやりがちな間違いのひとつが、外陰部を石鹼でゴシゴシと洗うことでしょう。

過剰に洗うことで、皮膚や粘膜が正常に治癒するのが遅くなったり、膣内の常在菌が減ってカンジダがまた増えてしまうのです。ビデを使う習慣がある人は、かゆみがあるうちはビデの使用も控えてください」

かゆみを感じても、外陰部はお湯でさっと流す程度に

外陰部にかゆみがあると、いつも以上に念入りに洗ってしまう人も多そうですよね。

「カンジダ膣炎になってしまったら、まずお薬で治しましょう。洗うときはお風呂のお湯でさっと流す程度がよいでしょう。どうしても群れやかゆみが気になる場合も、こすらず専用ソープで優しく洗うにとどめてください。多くなったおりものをこすり取るように力を込めて洗っては更に治りが遅くなってしまいます」

VIO脱毛をしている人は特に保湿を!

「外陰部が荒れているときには、ゴシゴシ洗いを控えて、保湿を心掛けてください。外陰部の保湿は、自宅にあるボディクリームやワセリンでも。現代女性はVIO脱毛をしている方も多く、陰毛がないために、必要な皮脂まで過剰に洗い流してしまいがちです。

結果、皮膚が乾燥してかゆみが出る場合もあります。『カンジダ膣炎が治らない』『かゆみを繰り返す』と思っている人の中には、洗いすぎによる外陰部の荒れや乾燥によるかゆみが原因の場合も少なくないです」

「実は他の病気が潜んでいた」という可能性も考えられますか?

「絶対にないとは言えませんが、まずないと思って大丈夫。カンジダ膣炎は誰にでも起こる炎症なので、かゆみが出たら我慢しないで、まずはレディースクリニックや婦人科に行き、相談してちゃんと治療してください。

かゆみがあるからと言って、外陰部を過剰に洗ったり、ビデの使用は控えること。また、免疫力が落ちていることが原因でカンジダが普段以上に増えてしまっている場合も多いので、よく食べ、よく寝て、よく運動し、免疫力を高めることが大切です」

池田裕美枝先生

いけだ・ゆみえ 京都大学医学部卒業。「市立舞鶴市民病院」「洛和会音羽病院」にて総合内科研修後、産婦人科に転向。現在は「二宮レディースクリニック」での産婦人科外来、「神戸市立医療センター中央市民病院」の女性外来、「京都大学医学部附属病院」の女性ヘルスケア外来を担当。また、SRHR(セクシュアル・リプロダクティブ・ヘルス&ライツ)の勉強会や啓もう活動を行う研究会「 京都大学 リプロダクティブ・ヘルス&ライツ ライトユニット」の代表も務める。

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小嶋美樹
編集者、ライター、ディレクター。大学卒業後、出版社に勤務し、女性誌や実用書・ビジネス書の編集、WEBディレクターなどを経て、2020年からフリーランスに。現在は主にインタビュー記事や女性のライフスタイル・子供の教育系記事の執筆、韓国エンターテインメント記事の編集・執筆など行う。趣味は旅行で、今一番欲しいものは子供たちと日本中を旅して回れるキャンピングカー。