PMS/生理 今月のFな人 連載 by 川端宏実

【加藤綾菜×管理栄養士・佐藤志歩さん】生理前の食生活、どう付き合うのが正解!?|前編

第3回目の【今月のFな人】は、食生活について。普段から栄養バランスに気をつけている加藤綾菜さんも、生理前は食生活が乱れてしまうのだとか。誰もが悩む、生理前の暴飲爆食欲求の対策と付き合い方を、管理栄養士の佐藤志歩さんにお聞きしました。女性の健康に効果的なレシピもご紹介します。

 

甘いもの、しょっぱいもの、辛いものを満遍なく欲してしまう

加藤綾菜さん(以下加藤さん):日常的な食事は、旦那のカトちゃんに合わせて気をつけています。栄養士さんに指導していただいて、減塩メニューを作ったり。栄養バランスにも気をつけて食事をとっているのですが、どうしても生理の前日や前々日ぐらいに暴食してしまうんです。朝起きた瞬間から甘いものが食べたくなって、チョコレートのお菓子を寝起きで買いに行って食べてしまったり、夕飯の後に辛いインスタント麺を食べてしまったり……! 甘いもの、しょっぱいもの、辛いものを満遍なく欲して、1日に8食食べてしまうこともあって悩んでいます。この時はジャンクなものを食べないと気が済まないんです。


佐藤志歩さん(以下佐藤さん):生理が始まったら、いつも通りの食事に戻れるんでしょうか?
加藤さん:そうなんです。生理が始まれば、いつも通りカトちゃんと同じ健康的な食生活に戻れています。短期的な暴食ですがやっぱりすごくむくんでしまうし、結構悩んでいたのでSNSで同じような悩みを持つ人を調べてみたら、生理前の暴食で悩んでいる人って、結構多いんですよね。2㎏ぐらいすぐ太っちゃうなんてよく聞きますし、私もこの時期はすごくむくむので……。お仕事とかぶると本当にストレスを感じちゃうんです。


生理前は栄養をため込むホルモンが多く分泌

佐藤さん:生理前はプロゲステロンというホルモンが多く分泌される時期で、このホルモンがいわゆる“生理前は太りやすい”という話に繋がっています。プロゲステロンは直接的に太りやすくなるホルモンというわけではないのですが、食欲が増し、栄養を溜め込もうとする性質で巡りが悪くなり、むくみみやすくなってしまうんです。生理が始まれば、今度はエストロゲンというホルモンが増えてくるので体が動きやすくなります。その影響もあり、生理が終わった頃の方がダイエットしやすくなると言われています。加藤さんの場合、普段の食生活のバランスはバッチリですし、生理が始まれば暴食も落ち着くということなので、そのままでもいいのかな?と思いました。1ヶ月のうちの1日や2日、食事が乱れたところでそこまで健康に影響はありませんし、食べたい時に食べたいものを食べられないのは逆にストレスになってしまいますから! なので、生理前の暴食で悩んでしまうという人は、それ以外の日の食事をバランスよく摂ることを心がけましょう。そうすることで、数日の乱れは気にならなくなりますよ。

加藤さん:確かに、ストレスをため込む方が、結果的によく無さそうですね。


塩分を控えるだけでも1〜2㎏痩せることも!

加藤さん:私は生理前にむくみやすくて悩んでいたのですが、最近カトちゃんに合わせて減塩生活をはじめたら、二日ぐらいでむくみが取れたんです。やっぱり塩分は年齢関係なく控えた方がいいのでしょうか?

佐藤さん:食べ物のエネルギーであるカロリーは、体を動かすことで燃焼できます。生きているだけで、毎日燃焼しているので実はものすごく食べすぎない限りブクブク太ってしまうということはないんです。女性に多い、数日で1〜2㎏増えてしまう現象は、実はむくみが原因のことが多いんです。塩分は排尿と汗で消費されます。そこで排泄できない分がむくみとなります。自然に排泄しやすい塩分摂取量の目安は18歳以上の女性だと7g未満、男性は8g未満とされています。

加藤さん:でもそれって結構難しいんですよね! 普段の食事を塩分濃度計を使って測っているのですが、食パン一枚でも塩分が2gも入っていたりして、自分で作らないとあっという間に目安を超えちゃうな。と思いました。

佐藤さん:そうなんですよね。加藤さんのように、しっかり計測して管理をするのはとても難しいと思うので、塩分を控えながらカリウムを摂ることを意識すると、より塩分の排出がスムーズにできると思います。

加藤さん:私も一人暮らしだったら、ここまでできないですもん。カトちゃんがいるから作れるんですよね。カリウムを食事で取り入れるとしたら、何がおすすめですか?

佐藤さん:わかめや昆布などの海草や切り干し大根やアボカド、枝豆や人参、小松菜などの野菜、干し柿やバナナ、キウイ、などの果物に多く含まれています。水に溶けやすい性質があるため、スープなどで溶け出した成分もしっかり食べるか、生のまま食べたりすることでより効果があるものもあります。ただし、むくんだ時に慌ててカリウムを摂っても効果は感じないと思います。食事が体に影響を起こすまでには時間がかかりますから、毎日少しずつ意識をして塩分を控えめにしながら、カリウムを摂っていくことがおすすめですね。

加藤さん:減塩って、若い人には味気ないし難しいと思うんです。でも出汁をしっかり摂ってみたり、お野菜をたくさん入れて煮込んだりするだけで味気なさは解決できたりします。そうしていくうちに、私もすっかり塩気の薄さにも慣れました。毎日の積み重ねが体を作っていくんだと思いました。

【むくみ撃退!簡単酢の物】
〈材料/1人分〉
・わかめ…30g
・枝豆…10g
・アボカド…1/3個程度
・醤油…小さじ1/2
・酢…小さじ1
・わさび…お好みで

① わかめを食べやすい大きさに刻む。
② ①に枝豆と、一口大に切ったアボカドを入れる。
③ 醤油、酢、わさびを合わせて入れ、よく混ぜたら完成


塩分の排出にはカリウムが効果的。カリウムが豊富な、わかめや枝豆、アボカドを摂ってスムーズな巡りを意識しましょう。

 


次回は、30代になって体調が激変したという加藤綾菜さんのお悩みを、食事を通して解決していきます。

加藤綾菜
かとう・あやな 1988年4月12日生まれ。2011年にコメディアンの加藤茶さんと結婚。現在はタレント活動のほか、加藤茶さんのために栄養学などを勉強をした料理などYouTubeでも発信をしている。献身的に支える姿が支持されている。

instagram:@katoayana0412

佐藤志歩さん
さとう・しほ 株式会社ソフィアプロモーション所属の管理栄養士。
量販での食品の販売促進や媒体作成、食育イベントの企画・運営を行なっている。
また、量販のバイヤーと協力しての商品開発アドバイスや食の知識を活かした量販の新入社員研修なども行なっている。

食事と健康をテーマにした、情報サイト「食めぐ」にも所属。

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川端宏実

フリーランスの編集・ライターとして、ファッション誌にてライフスタイルやメイク企画についての記事を担当。モデルやタレントのスタイルブック制作なども行う。