PMS/生理 by 寳田真由美

「なんだかだるい」には鉄、「眠れない」にはビタミンC…不足しがちなビタミン、ミネラルとは?〈管理栄養士監修〉

コロナ禍でおうち時間が増えたことで、「丼や麺類など単品の食事が多い」など食生活が偏りがちになり、栄養不足になっている女性が少なくありません。なかでも、2030代の女性に不足しがちなのはビタミン・ミネラル。必要な栄養素をきちんと摂取できていないと、不調を招きやすくなります。そこで、管理栄養士の成澤文子さんに、体調に合わせて摂りたいビタミンやミネラルなどの栄養素について教えていただきました。今の自分に足りない栄養素は何なのかを知り、調子のいい体になりましょう。

※2022年4月8日に掲載した記事です。

多彩な野菜を食べて、ビタミン・ミネラル不足を解決

食の欧米化に伴い肥満が問題になる一方、若い女性の栄養不足が問題になっていますと、成澤文子さん。

「国民健康・栄養調査(厚生労働省、令和元年)によると、20代の20.7%、30代の16.4%が、BMI18.5を下回るやせの状態であると示されています。原因は、食べる量が少ない=エネルギー不足です。食べる量が少なく、カロリーが少ないということは、筋肉、髪や肌などを作る栄養素も不足しているということで、さまざまな不調を招くことにもつながります。過剰なダイエットをしている人や時間がないからと食事を抜く、簡単に済ませる、お菓子だけで満足してしまうといったことが多い人は、注意が必要です」

厚生労働省によると、2030代の女性に特に不足している栄養素は、ビタミン、ミネラルです。「ビタミンやミネラルが不足する原因の一つが野菜不足。野菜には、ビタミンやミネラル、食物繊維など、体の調子を整える栄養素が豊富に含まれているので、いろいろな種類を意識して食べるようにしてください」(成澤文子さん・以下同)

成人女性が1日に摂取するカロリーの目安は、約2000~2050kcal。食べる量が不足している人は、まずは13食しっかり食べるようにしましょう。その上で、不調に応じたビタミン・ミネラルをプラスするのがおすすめです。

とはいえ、「ビタミンやミネラルって、何?」と、思う方もいるかもしれません。ビタミンやミネラルは、炭水化物や脂質、たんぱく質と同様、私たちの体にとって重要な役割をもつ栄養素です。ビタミンには、水に溶けやすい水溶性のビタミンCとビタミンB群、脂に溶けやすい脂溶性のビタミンA・D・E・Kがあります。一方、体に必要なミネラルは、鉄やカルシウムをはじめ16種類。それでは、ビタミンやミネラルが不足すると体にどんな影響が出るのか、具体的にみていきましょう。

「だるい」「疲れた」ときは、鉄分+ビタミンCで疲労回復

「月経のある女性は、ミネラルの一つである鉄が不足しがちです。だるさや肩こりなど、常に疲れを感じている人は鉄不足かもしれません」と、成澤さん。

鉄は、酸素を全身に運ぶ赤血球の材料になり、体のすみずみに酸素が行き渡るように働いています。不足するとエネルギー代謝が滞り、無力感を招いたり、貧血になることもあります。女性にもっとも多い貧血は、鉄分が不足することで起こることによる鉄欠乏性貧血です。鉄欠乏性貧血は、爪の変形、肌のかさつき、枝毛や抜け毛が多くなるなど、美容にも悪い影響を及ぼすので、しっかり摂るようにしましょう。

鉄を摂取できる食品
レバー、牛肉(赤身)、まいわし、かつお、まぐろ、小松菜、納豆、厚揚げ、そら豆、枝豆、レンズ豆、ひじき、ほうれん草など

「鉄には肉や魚に含まれる動物性食品に含まれるヘム鉄と、野菜などに含まれる植物性食品に含まれる非ヘム鉄の2種類があります。ヘム鉄は非ヘム鉄よりも吸収がよいですが、非ヘム鉄は、ビタミンCやたんぱく質と一緒に摂ることで吸収がアップします。どちらかに偏ることなく、さまざまな食品から摂るようにしましょう。ほかにも、赤血球を作る際に必要な葉酸やビタミンB12も大切です。よく噛んで食べることで胃酸が分泌され、鉄の吸収を高める効果も期待できます」

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寳田真由美
編集者、ライター。大学卒業後、出版社や編集プロダクションに勤務。情報誌や女性誌、旅行誌などの編集を経て、2000年よりフリーランスで活動。現在は、主に女性のライフスタイルや健康、医療記事の編集・執筆などを行う。いま一番はまっているのは、愛犬と旅するためにはじめたキャンプ。