フェムテック/ケア by 保住ひろえ

今、知っておきたい『卵子凍結』のリスクやメリット

未来の選択肢を残す手段として世界中で注目を集めている『卵子凍結』。著名人やスポーツ選手がその挑戦を公表したり、海外のIT企業が福利厚生のひとつとして導入したりと徐々に身近に。欧米では“ソーシャル・エッグ・フリージング”とも呼ばれ、若いうちに卵子を凍結保存する女性も増えているようです。そもそも『卵子凍結』とは、どんな技術なのでしょうか?

不妊治療の名医としても知られる杉山力一医師に、『卵子凍結』についてお話を聞きました。

※2021年10月27日に掲載された記事です。

『卵子凍結』って、どんな技術?

そもそも『卵子凍結』とは、将来の体外受精を見据えて採卵した卵子を受精させる前に凍結保存する技術のこと。生きているこの時間をストップすることはできませんが、卵子を凍結保存しておけば、いまの年齢の卵子を温存することができるというわけです。

もともとは、抗がん剤治療や放射線療法で卵巣機能の低下が予想される若年女性患者が、将来の妊娠・出産の可能性を残すための医学的適応として用いられてきました。

未来の選択肢として注目される『卵子凍結』

この技術が一般に認知されはじめたのは、いまから7~8年前。

2012年に米国生殖医学会は、凍結融解卵子由来で生まれた子供に染色体異常、先天異常、および発育障害のリスクが増大することはないという見解を発表。そして2013年には、日本生殖医学会がガイドラインを正式決定。健康な未婚女性が将来の妊娠・出産に備えた社会的適応としての『卵子凍結』を行うことが認められました。

ただし『卵子凍結』をしたからといって、将来の妊娠・出産を100%保証するものではないことも事実。それゆえに、まずは知識や理解を深めることが大切です。

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保住ひろえ
1993年生まれ。ファッション誌のエディターを務め、美容系IT会社のコンテンツ制作部・ディレクター兼ライターに。ビューティー&ヘルスケア系のテーマを中心に執筆中。