フェムテック/ケア by 木川誠子

セクシャルウェルネスを支える、注目プレジャーテック

フェムテックの広がりとともに、セクシャルウェルネス=性の健康について触れる機会も増えてきました。これまではタブー視されていた背景もありますが、最近ではさまざまなアイテムも登場し、女性のセクシャルウェルネスがひとつの価値観として確立されてきています。

安全なセクシャル体験が前提

セクシャルウェルネスへの関心が高まっている背景には、テレビやSNSで生理やセクシャルについて取り上げられる機会が増えていること、吸水ショーツなどのアイテムの誕生によってフェムテック市場全体が盛り上がっていることが考えられます。

セクシャルウェルネスとは、WHO(世界保健機関)によると、“セクシャリティに対して身体的、感情的、精神的、社会的にも健康な状態であること”と記されています。つまり、セクシャルに関する健康には、喜びを感じるセクシャル体験も含まれるということです。セルフプレジャーによって快感を得ることや膣トレなどのケアも恥ずかしいこと、隠すべきことではなく、必要なことだと捉えられます。

ただし、心も身体も喜びを感じるセクシャル体験は、パートナーと行うときでも、セルフであっても、安全であることが大前提です。そこで、アイテムを通して、セクシャルウェルネスについての意識を高めてきましょう。

パートナーと安全に楽しむためのアイテム

パートナーと一緒に安全なセクシャル体験を楽しむことを考えた時、避妊については避けられません。その代表的なアイテムとなるのがコンドームだと思います。これまでは、どこか男性が用意するものというイメージが強かったようにも思いますが、自分の身体は自分で守るという点では、女性が用意しておくとより安心しますよね。ただ、レジに持っていくのが恥ずかしかったり、いかにもというパッケージだったりして、なかなか買いにくいアイテムではあります。

韓国発のインティメイトコスメティックブランド「SAIB(セイブ)」は、日本では、デリケートゾーンウォッシュが展開されていますが、実はコンドームから始まったブランドです。

写真右側がコンドーム※日本では来年以降の発売を予定しています(SAIB

一見コンドームに見えないパッケージにこだわり、コスメを買う感覚で女性が手に取りやすいようにデザインされています。その背景には、買いにくさを解消するとともに、社会に長年根付いてきた偏見に立ち向かい、女性が自分自身を保護する、健康を守ってほしいという想いがあるから。自分自身でコンドームを持っておくことは、安心安全にセクシャル体験を楽しみたいという意思表示にもつながっていくと思います。

また、動物性素材を使用しないヴィーガンタイプのコンドームでもあります。SAIBを筆頭に、さまざまなメーカーからも登場しています。より自分の考えや志向に合わせて、コンドームの選択肢も広がってきています。

悩みを解消するアイテムを知る

痛みや潤い不足など、セクシャル体験にまつわる悩みを解消するアイテムを知っておくと、より一層安心できますよね。そのひとつにローションがあります。

bda ORGANIC オーガニック ジェリーローション ソフト ユズ&グリーンティ(200mL)¥2,640(スパイス・アンリミテッド/お問い合わせ 0120-828-290)

十分に潤っていないまま行うと性交痛につながるだけでなく、傷ができることもあり、それが感染症へのリスクを引き上げることにもなりかねません。痛みや感染症への不安を和らげることは、安全なセクシャル体験にはとても大切なこと。

そして、膣周りなどのデリケートな部位に用いるアイテムでもあるので、原材料を意識して選ぶのもおすすめ。口に入っても問題ない食品グレードのオーガニックタイプは心強い存在です。

セルフプレジャーのアイテムは幅広い

セクシャル体験は、セルフで楽しむ方法もあります。それがセルフプレジャーです。

セルフプレジャーにはどこか恥ずかしさがあったりしますが、自分の身体と向き合い、より深く知っていくことにもつながるため、大切なセクシャルウェルネスのひとつです。ただ、女性同士でもなかなか話題にしくいことでもあるため、まだまだ知らないことは多いかもしれません。でも、実はフェムテック市場の拡大とともに、女性視線のアイテムがいろいろと登場してきています。

セルフプレジャーアイテムは、コンドームと同様に買いにくさがあったように思いますが、これまでのイメージが変わるデザイン性の高いものが増えています。その一部をご紹介します。

iroha stick¥1,320(TENGA

リップスティックのようなコンパクトなデザインの振動型タイプは、セルフプレジャーをもっと身近に感じられるアイテム。下部をひねることで振動が起きる簡単操作なので、はじめてのセルフプレジャーアイテムとして取り入れやすいです。

また、セルフプレジャーアイテムではありつつも、バスライトの機能を持ったタイプもあります。

iroha ukidama¥5,830(TENGA

柔らかい光のライトは1日の疲れを癒すためのバスタイムの演出にもなり、振動機能によるマッサージで疲れた身体をほぐすこともできます。快感を得る目的にこだわらず、心地よくまどろみたい時にも有効的なアイテムです。

また、挿入タイプも手に取りやすいデザインが増えています。

iroha FIT ¥10,890(TENGA

優しい肌触りとしなやかな使い心地といった機能面はもちろんのこと、パステルカラーの淡い色合いは、インテリア雑貨のような雰囲気があり、プレジャーテックがより身近に感じますよね。

心と身体とセクシャル体験

セクシャルウェルネスにおいて、心と身体と同じようにセクシャル体験について考えるのは当たり前のこと。性欲を感じるのはノーマルな反応で、セルフプレジャーを楽しむことは自分自身の身体について知ることにもつながります。知らなかったことを知り、誤解していたことを解消しながら、自分のセクシャルウェルネスについて向き合う機会を作ってみてくださいね。

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木川誠子
出版社勤務を経て2009年よりライター・エディターのフリーランスとして活動。ウェルネスや美容、ライフスタイルのコンテンツを発案し、ディレクションから執筆まで一貫して携わる。2016年から兼ねてより関心のあったフェムテック領域に本格的に取り組み始め、フェムケアをはじめ、五感を通して自分を知るための”フェムアートプロジェクト”を立ち上げる。2022年には「株式会社k company」を設立し、その実践の場を創造・提供している。ライフオーガナイザー1級/アロマ心理/公認フェムテックマイスター(TM)