お悩み相談室 by 小嶋美樹

水泳やジョギングでPMSの症状緩和も!「運動とPMS」の深い関係

『フェムテックtv』で人気の産婦人科医・池田裕美枝先生こと“ゆみえ先生”が、女性の悩みや性の疑問などに答える本連載。今回のテーマは「運動とPMS」。「運動不足からPMS 症状が悪化することもあるの?」という疑問に、ゆみえ先生が答えます

PMSの緩和には水泳などの全身運動がおすすめ

―「日頃から月経前に現れるPMSの辛い症状に悩んでいる」という読者の方から「慢性的な運動不足がPMS症状を悪化させることもあるのでしょうか?」というお悩みが寄せられました。運動とPMSには何か関係性があるのでしょうか?

「実は専門家の間でも『運動量とPMS』との関連性には昨今、注目が集まっているんですよ。実際に『運動介入をすることでPMSは緩和されるのか?』との検証を行った海外の研究チームもいて、結論を言うと、日頃から適度な運動をすることで、PMSの症状が緩和されることが分かってきています」(ゆみえ先生・以下同)

―そうなんですね! ただ、運動と言ってもさまざまですが、PMSにはどのようなものが効果的なのでしょう?

「それに関しては明確な結論がまだ出ていないのですが、一説によると、ウォーキングなどの軽い運動よりは、もう少し体に負荷のかかる動き、たとえば水泳などの全身運動がよいのではないかと言われています。

ただ、運動を行うことは、実はPMSの症状だけではなく、メンタル疾患全般に効果があることも分かっているんです。PMSの症状のなかでも特に『感情のアップダウンが激しくなる』『イライラする』などといった精神症状が辛い方には、日頃からの適度な運動をおすすめしたいですね」

リズム運動でイライラ撃退?

―なぜ運動を取り入れるとPMSのメンタル症状が緩和されるのですか?

「適度な運動をすることで、セロトニンの分泌が活性化されることが一因だとも言われています。セロトニンは通称“幸せホルモン”と呼ばれる、心のバランスを保つのに重要なホルモンです。ちなみに、脳内のセロトニン活性を増やすためには、特にリズム運動が効果的なんですよ」

―リズム運動と言うと……具体的には「ダンスを踊ったり」?

「もちろんダンスでもいいのですが、一定のリズムを刻むような運動であればいいので、ウォーキングも立派なリズム運動だと言えます。ただ、より負荷のかかるリズム運動と言う意味では、ウォーキングよりもジョギングや縄跳び、水泳のほうが、より効果的かもしれませんね。

たとえばスクワットなどの筋力トレーニング系の運動も、セロトニン活性を促す目的を意識するのであれば、じっと同じ体位を保って負荷をかける動きよりも、リズミカルに繰り返す動作を取り入れることを意識してみてください」

―一定の動作を繰り返すリズム感が大切なのですね。

「そうですね。ちなみに物を食べたときの咀嚼も一種のリズム運動だと言えるんですよ。咀嚼をすることによって、脳内のセロトニン分泌が活性化されます」

―たしかに、イライラしたときにガムを噛んだり、硬い物をバリバリ嚙み砕くと少しすっきりすることがありますよね。

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小嶋美樹
編集者、ライター、ディレクター。大学卒業後、出版社に勤務し、女性誌や実用書・ビジネス書の編集、WEBディレクターなどを経て、2020年からフリーランスに。現在は主にインタビュー記事や女性のライフスタイル・子供の教育系記事の執筆、韓国エンターテインメント記事の編集・執筆など行う。趣味は旅行で、今一番欲しいものは子供たちと日本中を旅して回れるキャンピングカー。