
もしかしたらケアのしすぎ?!デリケートゾーンのニオイは菌の乱れが原因〈医師監修〉
湿度や気温が高い季節を迎えるとニオイが気になってきますよね。デリケートゾーンのニオイは、汗や蒸れが原因で、または生理周期によって発生しているように思いがちですが、「菌のバランスの乱れによって起きている可能性があります」と、産婦人科医の池田裕美枝先生。デリケートゾーンのケアの見直しもニオイ対策のひとつになるそうです。
基本的にはニオイは気にならない
「腟まわりには常に菌が存在しており、その中でもいい働きをする善玉菌は女性ホルモンのエストロゲンが多いと元気になります。そのため、エストロゲンが減っている生理後におりもののニオイが気になることはあるかもしれません。ただ、徐々にエストロゲンの分泌が増えることで自然とおさまってきます。そのため、自分で自覚できるほど、腟まわりからニオイがすることは基本的にはないと思います」(ゆみえ先生・以下同)
腟まわりは下着をつけていることもあり蒸れやすい部位。汗をたくさんかいた場合は、いわゆる汗くさくなることがあるかもしれないものの、それは腟まわりのトラブルが起きているというわけではないそうです。
「汗くささではなく、腟まわりのニオイが気になる場合は、細菌のバランスが乱れている可能性があります」
魚が腐ったようなニオイは要注意!
腟内、腟まわりは酸性の状態が保たれているため、おりものにニオイがある場合は酸っぱさを感じます。その場合は、特に問題ありませんが、思わず鼻をつなみたくなるようなニオイなら赤信号!
「魚が腐ったようなニオイと形容することがありますが、それくらい強いニオイがある場合は、細菌性腟症の疑いがあります。その時は、おりものの色が少し緑や黄色っぽくなっていると思います。
細菌性腟症は、膣内の細菌バランスが崩れて普段、膣では増えることができない雑菌が増えてしまい、膣粘膜に炎症が起こることで症状が出てきます」
細菌症腟症になりやすい3つの要因
腟の自浄作用を低下させ、細菌性腟症を引き起こす要因は大きく3つあります。
1.腟まわりを洗いすぎている
「腟まわりのケアが広まってきていますが、ニオイが気になって受診される方の多くは洗いすぎている傾向があります。
本来、腟まわりはウォッシュで洗わなくても問題はありません。キレイにしようと一生懸命洗うことで必要な菌まで洗い流してしまい、そのため菌のバランスが崩れていることも考えられます。
また、腟まわりを洗っているということは皮膚をこすっている可能性も。洗いすぎることに加えて、洗うことによるこすれにも注意が必要です」
>> デリケートゾーンの正しい洗い方に関しての記事はこちら『デリケートゾーンケアの7つのポイント』
2.善玉菌が減っている
「腟内、腟まわりには善玉菌も悪玉菌も存在しておりますが、善玉菌(常在菌)が圧倒的に多数です。ただ、抗生物質を飲んだ後など、善玉菌が減ってしまう状況にあります。そんな時は悪玉菌が優位になって細菌性腟症になることも。健康な状態で適切なケアをしている場合は、善玉菌が増えて自然とバランスは整っていきます。不快な症状が長引く場合はセルフケアでなんとかしようとするのではなく、医師に相談して適切な対処をしましょう」
3.エストロゲンの分泌が減っている
「先ほどもお話ししたように、腟内の善玉菌は女性ホルモンのエストロゲンを食べて元気になります。そのため、エストロゲンが分泌されていないとパワーダウンし、本来の働きを発揮することができません。
善玉菌が正常に働かないと悪玉菌が優位になるため、細菌性腟症になる可能性が高まります。気になる症状が長引く場合は、婦人科を受診しましょう。必要に応じてホルモンの値を調べることもできますので、医師に相談してみてください」
菌のバランスを崩す3つの要因につながる習慣を見直す
「ニオイが気になっても、必ず細菌性腟症とは限りませんし、中には気にしすぎているケースもあります。また、細菌性腟症だったとしても1~2週間で自然治癒します。
ニオイが気になった時は、どんなニオイなのか、おりものは何色をしているかを確認し、明らかにいつもと違う場合は婦人科を受診してください。特に変わったことはないけどニオイがある気がするという時は、腟まわりのケアをしているなら控えてみるなどしながら、1~2週間は様子を見てみましょう」
気になる場合は婦人科を受診しながらも、デリケートゾーンケアのやりすぎも含めて、菌のバランスの乱れにつながる、例えば、食生活の乱れや睡眠不足など、悪玉菌が優位なる生活習慣を見直すことがニオイ対策につながります。
池田裕美枝先生
いけだ・ゆみえ 京都大学医学部卒業。「市立舞鶴市民病院」「洛和会音羽病院」にて総合内科研修後、産婦人科に転向。現在は「二宮レディースクリニック」での産婦人科外来、「神戸市立医療センター中央市民病院」の女性外来、「京都大学医学部附属病院」の女性ヘルスケア外来を担当。また、SRHR(セクシュアル・リプロダクティブ・ヘルス&ライツ)の勉強会や啓もう活動を行う研究会「SRHR Initiative」の代表も務める。
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