お悩み相談室 連載 by 小嶋美樹

【読者のお悩み】生理中に起こるかゆみや痛みへの対処法には「デリケートゾーンの保湿が有効です」

『フェムテック tv』で人気の産婦人科医・池田裕美枝先生ことゆみえ先生が、SNSで集めた読者からのリアルなお悩みに答えます! 

今回の相談:生理の後半になると、ナプキンにかぶれ、デリケートゾーンが痛くなってしまいます。何か対処法はありますか?

ゆみえ先生の回答:「ナプキンをこまめに替えて、蒸れを予防しましょう。デリケートゾーンの保湿も有効です」

ナプキン交換の目安は?

「月経の後半にかぶれると言うことは、月経期間中にナプキンでデリケートゾーンが蒸れてしまっているのではないでしょうか? 蒸れを予防するには、こまめにナプキンを交換することが大切です」(ゆみえ先生、以下同)

よく「ナプキンはまめに替えましょう」と聞くのですが、交換の目安はあるのでしょうか?

「肌の強さは人それぞれですが、経血の量に限らず、排尿や排便でトイレに行くたびにナプキンを交換してみるのも1つの目安です。特に量が減ってくる後半にトイレの度には替えない、という女性もいるかもしれませんが、ナプキンを付けた状態のショーツの中は肌が非常に蒸れやすい環境です。こまめな交換を心掛けてください」

経血でナプキンが汚れていないのに替えるのは、もったいない気がしてしまう気持ちも分かります。

「汚れていないようにも見えても、長時間ナプキンを替えずにいると、不快な臭いがしてきませんか? それが蒸れている証拠です。たとえば経血の量が少なくなってきたら、パンティーライナー(おりものシート)を使ってみては? なるべくリーズナブルな物を使用してこまめに替えるようにすれば、月経後半にデリケートゾーンが蒸れて、痛くなるのを防ぐことができます」

蒸れてかゆい時には保湿が重要?

蒸れてかゆい時や痛みを伴うときの対処法はありますか?

「デリケートゾーンを保湿してください。かゆみや痛みを伴う場合、『接触性皮膚炎』になってしまっていることが想定されます。これを治すためには、洗浄と保湿が肝。ただし、洗浄はそもそも過剰な人が多いので、保湿を心掛けましょう。保湿をしっかりして、デリケートゾーンの皮膚のバリア機能をきちんと保つことが重要です」

蒸れてかゆいのにさらに保湿をするなんて、意外にも思えました。

「正常な皮膚の再生を促すためには、皮膚を保護し、バリアをすることが大切。痛みやかゆみで日常生活がままならないほどであれば、迷わず婦人科を受診して欲しいのですが、そこまででもない時には、ボディークリームやワセリンを塗ってみましょう。ただし、デリケートゾーンの皮膚は顔の皮膚以上に薄く繊細なので、心配な方は専用クリームをお勧めします」

他にも対処法があれば教えてください。

「月経への対処法を変えてみるのもひとつの手ですよ。たとえば月経カップや吸水ショーツなどのナプキン以外の生理用品を使ってみるなど。経血が多いときには、タンポンを併用するでもいいかもしれませんね。何が自分に合うのかは人それぞれなので、いろいろ試し、自分にとって心地よい対処法を見つけてみてください」


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池田裕美枝先生

いけだ・ゆみえ 京都大学医学部卒業。「市立舞鶴市民病院」「洛和会音羽病院」にて総合内科研修後、産婦人科に転向。現在は「二宮レディースクリニック」での産婦人科外来、「神戸市立医療センター中央市民病院」の女性外来、「京都大学医学部附属病院」の女性ヘルスケア外来を担当。また、SRHR(セクシュアル・リプロダクティブ・ヘルス&ライツ)の勉強会や啓もう活動を行う研究会「 京都大学 リプロダクティブ・ヘルス&ライツ ライトユニット」の代表も務める。

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小嶋美樹
編集者、ライター、ディレクター。大学卒業後、出版社に勤務し、女性誌や実用書・ビジネス書の編集、WEBディレクターなどを経て、2020年からフリーランスに。現在は主にインタビュー記事や女性のライフスタイル・子供の教育系記事の執筆、韓国エンターテインメント記事の編集・執筆など行う。趣味は旅行で、今一番欲しいものは子供たちと日本中を旅して回れるキャンピングカー。