冷え対策×軽い運動×睡眠で、プレ更年期を上手に乗り切る!〈医師監修〉
30代後半から40代前半にも関わらず、ほてりや多汗、イライラ、不安感など、まるで更年期のような症状に悩まされるプレ更年期。女性ホルモンの減少や自律神経の乱れなどで起こると考えられていますが、生活習慣を見直すことで、つらい症状を改善できます。女性医療クリニックLUNA横浜元町 院長で婦人科医の槍澤ゆかり先生に、プレ更年期を少しでもラクに乗り切るための対策を教えてもらいました。
イライラや気分のむら、何もやる気のおきない疲労感、突然吹き出す大量の汗…。認めたくないけれど、「もしかしてもう更年期?」「私の年齢ならそんなはずないのに…」と、不安になるプレ更年期。婦人科を受診して、ホルモン補充療法や漢方、ピルなどで対応することもできますが、まずは生活習慣を見直すことが大切だと槍澤ゆかり先生。
「クリニックには、20代でも更年期かもと心配されて来院される方もいます。そういった方の症状を聞いてみると、イライラしたり、ホットフラッシュのような症状はあるものの大抵の場合、月経はきちんと来ています。そういった場合、原因として考えられるのは自律神経の乱れ。自律神経は、生活習慣を見直して、良い食事と睡眠、そしてストレスをためずに規則正しく過ごすことで改善が見込めます」。
食事や服装、入浴も。体を冷やさない工夫を
それでは、具体的にどのようなことに取り組むとよいのでしょう?
「まずは、体を冷やさないこと。『冷えは万病のもと』といわれるように、体が冷えていると、血液のめぐりが不良になり、だるさや痛み、ほてり、くすみ、むくみ、腹痛の原因になったりします。その結果、体力も気力も湧いてこないでしょう。まずは体を温めるように意識してください。特に、ダイエットをして痩せている人や運動不足で筋肉がない人は冷えている方が多いのですが、体は冷えていませんかと聞いてはじめて、そういえば冷えますというように、ご本人はあまり意識していないこともあります。
冷たい食べ物や飲み物を摂り過ぎないようにするのはもちろん、たんぱく質(肉、魚、卵、豆腐など)をしっかり食べることも重要です。食事でたんぱく質をしっかり摂れていないと、筋肉量や基礎代謝の低下につながります。また、入浴はシャワーではなく、なるべく血行を良くする湯舟に浸かるようにしてください。これからの季節、エアコンが効いた場所では冷えないように洋服で調節することも効果的。首や足首を冷やさないこと。常に1枚、羽織れるものを持っているといいですね」
体を温めることで血流が良くなり、体温調節がうまくできるようになると自律神経のバランスも整っていきます。
体を動かすことで良質な眠りを得る
プレ更年期の症状に悩むと、「運動する元気がでない」「疲れやすく気力がわかない」「動くのが億劫」などと思いがちですが、体を動かすことは、女性ホルモンのバランスを整え、気持ちも明るくなるなど、心身ともにいい効果をもたらしてくれると槍澤先生。
「運動が苦手なら無理にきつい運動をする必要はありません。少しだけ早起きして近所をウォーキングする、朝の陽の光を浴びる、ヨガやストレッチのように気持ちよく体を伸ばせる体操をするといった程度でも十分です。プレ更年期でお悩みの方は、多くの場合、睡眠の質が悪くなっています。日中、ある程度動く時間を作ることで、夜ぐっすりと眠れるようになります。睡眠の質が向上すれば、自律神経のバランスが整い、つらい症状の緩和につながります」
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