
冷え対策×軽い運動×睡眠で、プレ更年期を上手に乗り切る!〈医師監修〉
漢方薬を味方につけるのも一策
「眠れない」「つかれて休日動けない」「イライラし、落ち込んだりくよくよして泣きたくなったりする」といった不調が長く続く場合は、漢方薬が効果的なことも。
「更年期のような症状があって、なおかつ不眠が続く場合は、婦人科で相談してみるといいでしょう。漢方薬は、女性ホルモンや自律神経のバランスの乱れによる不調の改善に効果があることがわかっています。イライラなどの精神的な症状に効くものもありますので、体質や症状に合わせたものを処方してもらうといいです」
漢方薬というと、ゆっくりじんわり効いていくというイメージがありますが、実際はどうなのでしょう?
「すべての漢方が長期で飲まないと効かないわけではありません。ゆ飲んですぐ効果が分かるものも少なくないのです。漢方を飲んだら効果があったので、いざという時のために、漢方薬が手元にあるだけで安心という方もいらっしゃいます」
自分の症状に合った漢方薬を知っておくことも、プレ更年期を乗り越える強い味方になりそうです。更年期のような症状によく使われる漢方薬には、「加味逍遙散(かみしょうようさん)」「桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)」「当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)」などがあります。これらはドラッグストアなどでも手に入るので、自分の症状に合わせて試してみるのもいいでしょう。
プレ更年期を機に、長く付き合える婦人科選びを
まだ更年期という年齢にはなっていないにも関わらず、まるで更年期障害のような症状に悩まされるのは、誰しも不安でつらいものです。しかし、これをきっかけに自分の体との付き合い方や、信頼できるドクターを見つけると今後、何かあった時に安心ですよね。。
「プレ更年期のうちに、自分の体調に合わせて、セルフケアや治療法などを調べておくことは、次にやってくるであろう更年期を上手に乗り越える役に立ちます。婦人科と聞くと、なかなか足が向きにくいという方も少なくありませんが、この機会に婦人科に慣れておくのがおすすめです。
かかりつけの婦人科は、手術や出産をたくさん行う大きな病院よりも近場で通いやすいクリニックの方が相談しやすいかもしれません。なんだか普段と体調が違うなという時に、気軽に通えるドクターをみつけておくと、万が一更年期の不調が出た場合はもちろん、子宮筋腫や内膜症などの月経困難を起こす病気の発見や子宮がん検診なども安心して受けることができるでしょう。
最近は、女性ドクターがいるクリニックもたくさんありますので、探してみるといいですね。受診の際は、“更年期かも”、“なんだか最近体調が悪い”といったあいまいな理由でもまったく問題ありません」
プレ更年期には、無理にこれまでの自分に戻そうと考えるよりも、不調を悪化させず、少しでもラクに過ごせるよう上手な対処法を見つけることが重要です。今後の人生をより快適にするために、心と体との付き合い方を工夫してみましょう。
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槍澤 ゆかり先生
うつぎさわ・ゆかり
医学博士、1995年岩手医科大学医学部医学科卒業。同産婦人科勤務後、2002年より湘南鎌倉総合病院、葉山ハートセンター婦人科勤務。2005年より横浜元町女性医療クリニックLUNA勤務、2008年6月院長就任。2012年女性医療クリニックLUNA横浜元町院長就任。日本産科婦人科学会専門医。
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