今月のFな人 連載 by 橋本範子

【やみちゃん×ゆみえ先生】 “ここを触ったら気持ちいいな”セルフプレジャーで得られる幸せホルモンを感じよう! 前編

美容品の正直なレビューに定評があるTikTokで話題のやみちゃん。「セルフプレジャーをしています!」と取材中に教えてくれました。日頃からその効果を実感していると言います。今回の【今月のFな人】では、女性の性欲やセルフプレジャーについて、やみちゃんが産婦人科医でありNPO法人女性医療ネットワーク副理事長も務める池田先生に医学的な観点からお話を聞いてみました。

私って性欲が強すぎ? でも、女性だって性欲が湧くのは自然なこと

やみちゃん:
私は学生の頃から性に対して興味が強くて、セルフプレジャー歴はたぶん10年くらいです。なぜ女性でもこんなに性欲が湧くのだろうと疑問に思っています。男性が湧くのは何となくわかるのですが…。あまりこんな疑問を話題にすることがなくって……。


池田裕美枝先生(以下・池田先生):
今日は、セクソロジストの二宮レディースクリニック院長、二宮典子先生に教えてもらったことなども含めてお答えしますね。

男性も女性も性欲が湧く仕組みは、全く一緒。思春期って、女性だったら女性ホルモンが体に分泌されて体つきが変わってくるでしょ。そんなとき、本能的に自分の体のいろんな部分を触るようにできてるんです。そして、脳の中心部分にある報酬系の回路が強化され、“あぁ気持ちいい、もっと触りたい”という回路が思春期のときに出来上がる。

ただ人間は社会的な動物なので、発情したからすぐやる!というわけにいかない。そこは脳の前頭前皮質の発達により、抑制されているんです。ただ社会的なことから女性の方が、抑制がより強く働き“女性で性欲あるのって大丈夫なの?”と思ってしまう人もいるのでしょうね。本当はすごく自然なことなのに!

セルフプレジャーはヘルスケア従事者は体にいいこととして共通認識

やみちゃん:
性欲が強いとか弱いとかって、どちらが優れているとかでもないですよね。

池田先生:
それはそうだと思います。やっぱりセックスでも楽しいセックスをするっていうのが大事なことですから。食欲旺盛な人がそうでない人より食事を楽しんでいるかといったら、そうでもないと思いますしね。

やみちゃん:
確かにそうですね! 私はセルフプレジャーが大好きだから、人とセックスをする欲望がどんどんなくなっていっちゃって。これってあんまりいいことではないですかね?

池田先生:
いや、いいんじゃないですか? 大前提として、セルフプレジャーはヘルスケア従事者には体にいいこととして共通認識されているんです。よく男子で「やりすぎかな?」と悩んでいる方がいますが、基本的に男子も女子も体にいい。気持ちの良いことをしたり、オーガズムを感じることが体にいいんですよ。自分に快感を与えられる場所を好きなように触るって、自分だからできることでしょ?

やみちゃん:
はい、いいタイミングでできますね。

池田先生:
そう、いいタイミングで“ここをこんな風に触りたい”、“こういう風に妄想したい”とか、自分の思ったようにできる。それって自分の体のことがよくわかるし、すごくいいことだと思うんですよね。セックスでもセルフプレジャーでもオーガズムの作用としては一緒です。

やみちゃん:
セルフプレジャーが体にいいことって聞けて安心しました。私はセルフプレジャーをすると全身の血流が良くなると思うんです。今日はあまり運動しなかったなとか寝つきが悪いなって日は、寝るときにちょっと足が重くてムズムズするっていうか……気になって寝られないことがあるんです。

だけどセルフプレジャーをすると、なんかもう体の末端まで血流が流れるような感覚があって。調べたわけでもないけど、これは絶対に健康にいい!って確信しています(笑)。だからこの気持ちよさを知らないまま人生を終えるのは、すごくもったいないと思っちゃう。強要はしないけど、やった方がいいよ!って。私、耳掃除もすごい気持ちよくて大好きなんですよ。その感覚とすごく似てるなと思ってるんです。

セルフプレジャーのオーガズムがリラックス効果や幸福度を高める

池田先生:
とても大事なことを仰ってると思います。“自分が今こうしたいな”、“こうしたら気持ちいいな”とか、体の声を聴くことって本当に大事。“自分の体に正直に”こそ、健康への近道だと思います。オーガズムでオキシトシンがドバーッと分泌されるのも、リラックスできていいんですよ。オキシトシン=幸せホルモンと呼ばれているもの。オキシトシンは、セルフプレジャー以外にも誰かに何かをしてあげる思いやりや瞑想などでも増やせると言われています。また、他のホルモンも出て、睡眠の質も高めてくれますよ。

やみちゃん:
確かに、ぐっすり寝つけますね。

池田先生:
血流もよくなって心拍数が増えて、全身の筋肉が使われるんですよね。それから、抗不安作用もあるかも、といわれています。

やみちゃん:
でもわかる気がします。私も精神安定剤みたいになってる感じです。私にとってセルフプレジャーは、アニメを観るのと一緒。自分が好きなことをしているときと同じ感覚です。だから疲れすぎてできないときは“あぁ〜”って落ち込んじゃう(笑)。セルフプレジャーは、本当に幸せな気分になれます!

次回は、セックスについて、やみちゃんが池田先生と話し合ってみました。後編へ続く。

 

やみちゃん
愛媛県出身。美容系クリエイター。TikTok主宰の
『TikTok CREATOR AWARD 2021』にて視聴者投票により、ファッション・ビューティ部門の最優秀賞を獲得し、No.1美容TikTokクリエイターとして活躍している。企業からの動画制作の信用が高く、美容知識と動画の表現力に定評がある。

TikTok:@ayami_yamichan
YouTube:やみちゃんねる。
instagram:@ayami_yamichan
Twitter:@ayami_cat

 

池田裕美枝先生

いけだ・ゆみえ 京都大学医学部卒業。「市立舞鶴市民病院」「洛和会音羽病院」にて総合内科研修後、産婦人科に転向。現在は「二宮レディースクリニック」での産婦人科外来、「神戸市立医療センター中央市民病院」の女性外来、「京都大学医学部附属病院」の女性ヘルスケア外来を担当しながら、京都大学大学院医学研究科社会健康医学系健康情報学博士課程にて、女性の社会的孤立や月経前症候群による社会的インパクトなどを研究している。
http://cnet.gr.jp

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橋本範子
女性誌を中心に手がける編集・ライター。趣味は深夜ラジオを聴くこと。小型船舶2級所持。