フェムテック/ケア by 木川誠子

膣注射の体験レポート!膣周りもアンチエイジング

フェムテックのムーブメントに後押しされるように、デリケートゾーンのお手入れへの意識も高まっているのではないでしょうか。顔や身体と同じように保湿をしたり、VIO脱毛をしたり、お手入れの方法はいろいろあります。最近では、膣注射への関心も高まっているようです。

膣注射はエイジング対策のひとつ

膣注射というワードをはじめて聞く人は驚くかもしれませんが、実は、以前から膣をお手入れする方法は存在していたようです。渋谷区松濤にあるトータルビューティサロン「ベルクリニック 松濤」の特別顧問医師である髙木希奈先生、そして、施術を担当してくれた長谷川悠先生にお話を伺いました。

「ここ近年は、フェムテックの流れもあり、膣をお手入れする意識は高まっているように感じますが、以前から、膣形成としてヒアルロン酸を注入する施術、引き締めのためのレーザー施術などはありました。当クリニックで行っているPA(プライベートエリア)注射は、幹細胞培養上液をメインに、ひとりひとりのお悩みに合わせて美容成分を配合し、エイジングケアとして取り入れていただけます」

膣周りもエイジングが必要

紫外線などの影響で肌がくすんだり、シワができたりするように、膣周りも生活習慣や加齢の影響を受けています。

「デリケートゾーンとして知られている膣周りは、経皮吸収率の高い繊細な場所です。そのため、下着とこすれることで色素沈着を起こす、生理による炎症など、外的な要因の影響を受けやすく、老化の進行も速くなります。

例えば、膣周りと同様に幹線がなく、皮膚呼吸をしない唇は年齢を重ねるごとに輪郭部分がくすんできたり、縦シワができたりします。それはエイジングサイン。膣周りは意識的に見ない限りは気づきにくいですが、同じようにエイジングサインが表れてきます。だからこそ、顔や身体と同じように清潔さを保ち、保湿を行うといったお手入れは必要なことです。

美肌の目的でビタミン注射をする方法があるかと思いますが、膣注射はそれと同じ感覚です。加齢とともに減少していく細胞をダイレクトに活性化させるイメージです」

はじめての膣注射体験

実際に、膣注射を受けてきました。まずは、カウンセリングから。肌に関する気になること、どんな肌を目指したいかなどを話しつつ、生理前や生理中の気になる症状についても話していきます。その内容に合わせて、専門医がメニュー内容を提案してくれるので、疑問点や気になることは確認しながら決定していく流れ。

カウンセリングが終わると施術が始まります。担当してくださるのは、カウンセリング、施術もすべて女性の医師です。

リクライニングソファーに座り、フラットに近い状態まで背もたれが倒れます。両膝を立てて、右足だけを横に倒した状態が基本スタイル。

膣の入り口と周辺に塗るタイプの局所麻酔をし、20分ほど時間を置きます。麻酔を塗布した部分はジーンと熱が広がる感じがあって、その感覚が痛いと思う人もいるかも。

局所麻酔を20分置いた後は膣口あたりにゼリー状の潤滑剤を塗布し、体調に変化がないかを確認のうえ血圧も測ります。問題なければそのまま施術が続行します。

専用器具で膣の入り口を開き、粘膜内、膣口から3cm程度の3カ所に分けて注射していきます。専用器具で膣口を開く感覚は、あまり経験したことがない分、変な感じがあります。ただ、婦人科検診の時は器具を挿入されますが、膣注射の際は、挿入ではなく膣の入り口に器具が固定される感じ。施術のポーズも含めて、婦人科検診時よりは抵抗感は薄かったです。

注射自体は、麻酔が効いていることもあり、針が刺さる感覚や痛みを感じることはなく、あっという間に終わります。最後に血圧を測ったらすべての施術が終了です。

施術時間は30分もかからないくらいですが、はじめのカウンセリングをしっかり行うため、トータルで1時間ほど。施術前にVIO脱毛をしておいたほうがいいといった事前準備は必要なく、想像以上に手軽に受けることができました。

注意点は、生理期間は施術が受けられないこと。そして、施術後の激しい運動、飲酒、入浴など、身体が温まる行為は避けること。

皮膚の弾力が高まった印象

個人差はあると思いますが、局所麻酔が切れるのに2時間ほどかかったので、それまでは特になんの変化も感じませんでした。麻酔が切れてからは、徐々に膣周りの肌がふっくらしたように感じました。そして、唇の縦シワが薄くなったのか、いつもよりつるっとした印象になっていました。

髙木先生曰く、「膣注射を施術した人の中には、身体が温かくなった、顔の肌の調子がよくなった、いつもより性欲が高まった……と、感じる人もいるみたいです。唇は膣と同じで汗腺がない粘膜なので、影響が出やすいかもしれません。1回でも効果を感じられる場合もありますが、生理期間を除き、2~3週間おきに3回程度施術を受けると、より変化を実感していただけると思います。

膣注射は、気になることがある時、メンテナンスとしてなど、肌の美容点滴と同じようにとらえていただけたらと思います」

カウンセリングで気になることを聞いてみる

施術を受ける、受けないにかかわらず、カウンセリングだけの対応をしている美容クリニックもあります。膣周りに関して気になることがあっても、「産婦人科へ行くのはハードルが高い」「産婦人科に行くほどではない気がする」という場合は、美容クリニックという選択ができます。知識のある専門医が対応してくれますので、まずは話を聞いてもらうことから始めるのもおすすめですよ。

取材協力:ベルクリニック

松濤の洋館にオープンした、完全プライベートクリニック。PA注射(¥110,000~)をはじめ、幹細胞培養上液をメインにした点滴など、顔、身体、心までのトータルビューティをサポートする。すべてのメニューが男女ともに施術可能。

Instagram:@belle.clinic.shoto

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木川誠子
出版社勤務を経て2009年よりライター・エディターのフリーランスとして活動。ウェルネスや美容、ライフスタイルのコンテンツを発案し、ディレクションから執筆まで一貫して携わる。2016年から兼ねてより関心のあったフェムテック領域に本格的に取り組み始め、フェムケアをはじめ、五感を通して自分を知るための”フェムアートプロジェクト”を立ち上げる。2022年には「株式会社k company」を設立し、その実践の場を創造・提供している。ライフオーガナイザー1級/アロマ心理/公認フェムテックマイスター(TM)