子宮はストレスのバロメーター。撮影現場の「申し訳ない」を払拭できるように フォトグラファー・横山順子さん|フェムコト インタビューvol.5 前編
生理やPMS、セクシャル分野まで女性のカラダの悩みを解決するメディアサイト『フェムテックtv』と、未来を作るSDGsマガジン『ソトコト』が新たに女性のウェルビーイング向上を目的として立ち上げた『フェムコトプロジェクト』。地方で働く女性、都心で働く女性、子育てをしながら働く女性、さまざまなライフスタイルを送る女性たちを取り上げ、女性の健康課題や社会課題について考える対談コンテンツです。
第5回目は、自身も現役のフォトグラファーでありながら、アーティストのマネジメントやハウススタジオ運営を手掛ける「株式会社LORIMER(ロリマー)」の代表も務める横山順子さんにお話を伺いました。
〈Profile〉
株式会社LORIMER代表 横山順子
よこやま・じゅんこ 鹿児島県出身。19歳で渡米し、21歳で結婚。26歳で帰国後、フリーランスのフォトグラファーとして独立。Junko Yokoyama名義で活動。31歳で第一子、36歳で第二子を出産後、以前から夫とともに手掛けていたマネジメント業務などを「株式会社LORIMER」へ法人化し、代表に就任。フォトグラファーやディレクターとしても活躍中。
instagram:@junko_yokoyama
会社経営は夫と二人三脚。仕事に対する価値観も同じ
フェムテック tv:スタイリストやメイクアップアーティストが所属するマネジメント会社の代表でありながら、ご自身もフォトグラファーとしてご活躍中です。代わりの効かない仕事柄、日々の健康管理で心掛けていることはありますか?
横山さん:体を冷やさないように気を付けたり、ランニングと筋トレを日課にして体力作りに励んでいます。また、現在は8歳の娘と2歳の息子の子育て中でもあるのですが、子供たちの体調が悪い時でも、撮影日が近い場合には、夜の寝かしつけは夫にお願いするなどして、子供から病気をもらわないように注意を払っています。
フェムテック tv:旦那様も協力的なのですね。
横山さん:夫は弊社所属アーティストのマネージャー兼、私のマネジメントもしてくれています。会社経営も二人三脚で行っているので、夫にしても、私が体調を崩して、「大事な撮影に穴をあけるわけにはいかない」と考えているんだと思います(笑)。
フェムテック tv:女性が子育てと仕事を両立する上では、まさに理想的な夫婦関係ですね。
共同経営者である旦那様、8歳の娘さんと2歳の息子さんとの家族写真 photo by 米山典子
ストレスは子宮に蓄積する?
フェムテック tv:横山さんが日々感じる「女性特有の健康課題」はありますか?
横山さん:毎月の月経も軽く、幸いにも女性特有の不調に悩むことは少ないのですが、昔から子宮筋腫ができやすい体質で、第一子を妊娠する前に一度、除去手術を行ったのですが、ここ数年でまたできてしまったようで……。今はそれによる不調は感じませんが、逆に子宮は自覚症状が出にくいからこそ、怖いなとも思っています。
フェムテック tv:子宮はつねに稼働しているわけではないので、不調を感じにくい臓器のひとつだとも言われているんですよね。日々のストレスが蓄積しやすい臓器でもある気がします。忙しさが続くと、いつも以上に月経前に苛立ったり……。それで初めて「ストレスが溜まっていたのかな?」と気が付くことも。
横山さん:ストレスが子宮にたまる感じ、私も分かります! ストレスを感じたときに子宮のあたりがぎゅっと痛くなる気がするんですよね。女性のストレス指数のひとつのバロメーターにもなっていますよね。
毎月表紙撮影を担当している雑誌『赤ちゃんとママ』
今では月経カップが欠かせない存在に
フェムテック tv:撮影の現場では「長時間にわたりトイレに行けない」なんてこともありますよね。それで困った経験などはありますか?
横山さん:撮影中は集中モードになってしまうので、月経中もうっかりトイレに行き忘れてヒヤッとした経験をしたこともあります。ただ私、最近は月経カップユーザーで。月経カップを使うようになってからは、経血の漏れの心配が減っただけでなく、ナプキンのときのような不快な匂いや蒸れもなく、快適すぎてもう手放せません。
フェムテック tv:実は私も数か月前に「月経カップデビュー」をしたのですが、どうも違和感があって……。まだ慣れません。
横山さん:サイズが合っていないのかもしれませんよ。私は1年ほど使用しているのですが、いろいろ試した結果、今は『メルーナ』の「クラッシック Mサイズ」を使っています。自分に合う月経カップの大きさや形は人それぞれなので、いろいろ試してみるのがおすすめです。
いろいろと月経カップを試してみて辿りついたのが『メルーナ』
撮影現場での不調は「お互い様」
フェムテック tv:女性スタッフばかりの撮影も多いと聞きました。そういう現場で気を付けていることはありますか?
横山さん:女性カメラマンということで、下着や水着の撮影も多く、「モデルが撮影の日に生理になってしまった」という事も当然あります。ただ、彼女たちもプロなので、それでも普段通りに頑張ってくれようとするのですが、体が冷えないよう気を付けたり、さりげなく休めるように促すこともありますね。
妊娠中に担当した、ワコールマタニティーのビジュアル撮影風景
フェムテック tv:モデルさんも女性カメラマンだとそういった悩みも話しやすいでしょうね。
横山さん:衣装チェンジの時間がいつもより長くなってしまうこともありますが、そこは気持ちが分かるので、「今、モデル待ちをしています」という空気が漂って、彼女たちが気まずくならないには考えますね。申し訳なさそうにするモデルも多いので、そういう気持ちを払拭してあげられたらいいなって。女性特有の不調はお互い様ですからね。
フェムテック tv:撮影現場の中心にいるカメラマンがそんな風にさりげなく気遣ってくれることで、女性スタッフも安心して仕事に集中できそうですね。
後半へ続きます!『「休日もずっと携帯を気にする母」からの脱却と気づかされた「幸せのかたち」フォトグラファー・横山順子さん』
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