ガールズトークで学ぶ!続編決定の人気米ドラマが教えてくれたこと
かねがね噂はありましたが、ついにリブート版の制作をスタートすると公式発表された米ドラマ『セックス・アンド・ザ・シティ』。このドラマのクリエイター、ダレン・スターが手がける『エイミー、パリへ行く』も同じくシーズン2の撮影が決まったと発表されました。
人気のクリエーターチームが作る2作品では、どのように女性のリアルとタブーを描いているのでしょうか?
赤裸々トーク炸裂! 革新的ドラマシリーズ
1998年にスタートし、2004年まで放送された米テレビドラマ『セックス・アンド・ザ・シティ』。リアルなセックスライフをタブーなく赤裸々にぶっちゃけるキャリアウーマン4人の友情を描いた作品です。
既にタイトルからしてタブー感を発揮していますが、セックス=性行為という意味とともに、英語で「SEX」は「性別」という意味もあり、『セックス・アンド・ザ・シティ』は「男と女とニューヨーク」といったニュアンスも込められています。
その名の通りドラマでは、男女関係、セックスについてタブーなく語り合い、バイブレーターにオーガズム、3P、LGBTQなどについても、潔く、そしてユニークさを持って話します。このように賛否両論を招きそうな題材を、まだ会員制のストリーミングサービスも浸透していなかった90年代後半にやってのけた『セックス・アンド・ザ・シティ』は、まさに革新的と言えるでしょう。
アメリカでは約80年前から腟トレがあった!
革新的なエピソードがてんこ盛りの『セックス・アンド・ザ・シティ』ですが、中には、なるほど!と刺激を受けるPMSに関係するネタも。
最近では日本でも取り上げられることが多い膣トレーニングですが、『セックス・アンド・ザ・シティ』で初めて知ったという人も多かったはず。
「年齢と共に膣圧が低下する」という雑誌記事をギャラリーオーナーであるシャーロットが見つけ、バーで話し合うシーンがあるのですが、最年長で男性経験の豊富なサマンサにしてみれば、そんなことは問題なし。なぜなら「私はしっかりケーゲルエクササイズをしているから」とドヤ顔をします。
ケーゲルエクササイズとは、1940年代にケーゲル医師によって考案された骨盤底筋を鍛える方法。つまり膣トレのことで、アメリカ人女性の間では随分前から有名で、取り入れている人も多いのだそうです。
生理用品は、医療用品としても使える!
離れたりくっついたりを繰り返している弁護士のミランダとスティーブ。2人の間には息子がいますが、一緒に助け合い育ててはいるものの、ミランダはシングルマザー。美味しい手料理でミランダをもてなしてくれるハンサムなNBA専属医師のロバートと付き合っているとき、息子の忘れ物を取りに来たスティーブは、2人の情事を目撃してしまいます。驚いたスティーブは、その勢いで顔をぶつけ鼻に怪我をし、出血が止まらない状態に。それを見たロバートが「タンポンを持ってきて!」と叫びます。意味も分からずロバートにタンポンを渡すミランダ。するとロバートはタンポンを切り、スティーブの鼻血の止血のため鼻の穴に突っ込むのです。
自分より一般的にハンサムで収入も多い男性にミランダを取られただけでなく、タンポンを鼻に突っ込まれ、すっかり落ち込むスティーブ。それを見たミランダは同情するとともに、少しの優越感を味わうのです。
このシーンでの学びは、生理用品は出血を止めるための応急処置にも使えるのだということ。
そして、そのように便利なものであっても、生理用品だから男性は触るべきではないという感覚があることです。
SNS発信がキーとなるパリが舞台の最新ドラマ
『セックス・アンド・ザ・シティ』の主人公キャリーは、携帯電話も持ちたくないというアナログ派でしたが、同スタッフ制作の最新ドラマ『エミリー、パリへ行く』ではそのあたりがしっかりアップデートされ、主人公であるエミリーはSNSでバンバン発信し、SNSに救われることも多いという設定です。
予定外の妊娠が発覚した上司に代わり、シカゴからパリのマーケティングエージェンシーに出向することになったエミリー。パリでの生活を楽しもうとポジティブに突き進むエミリーですが、空回りしてしまうことも多く、同僚ともなかなか打ち解けることができません。そんな中、エミリーは社内でマーケティングを手がけている女性用性行為痛緩和クリームに書かれた「膣」という言葉が男性名詞だということを知ります。
フランス語には、単語にそれぞれ冠詞がつきますが、単語によって定冠詞があり、男性名詞か女性名詞かが決まっています。膣を意味する【VAGIN】の定冠詞は【LE】で男性名詞です。
それが気になってしまい、SNSで「腟は男性もの?」とクリームの写真とともに投稿するのです。すると、投稿をみたマクロン大統領夫人がリポスト。それをきっかけに、エミリーは会社でも認められる存在になります。
アメリカ人視点で描かれるフランス人の表現が正しくないと、時々炎上したりもする作品ですが、パリの風景や、『セックス・アンド・ザ・シティ』でも衣装を担当したパトリシア・フィールドが手がける斬新なスタイリングは美しく、楽しめるポイントもいっぱい! 日に日にファンは増え、シーズン2も決定している注目のドラマですので、興味のある方はぜひチェックしてみてくださいね。
『セックス・アンド・ザ・シティ』でキャリーを演じたサラ・ジェシカ・パーカーはあるインタビューで「私はフェミニストではないのよ。ヒューマニストなの」と答えていました。
ドラマでの表現は、時にフェミニストだと思われてしまうこともあります。ですが、必要のない恥じらいを捨て、タブーに対してストレートに発言するのは、ただ男性も女性も同じ人として平等に扱うべきだと言っているだけ。女性を主張して特別扱いして欲しいということではないのです。
事実として、女性と男性には違う臓器が備わっていて、生理やPMSが起こります。ただ、その違いを社会が当たり前のこととして受け入れて欲しいという、多くの女性たちの願いを代弁してくれているように感じます。
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