フェムテック/ケア by 木川誠子

生理期間の過ごし方が変わるフェムテックサービス

世界中でフェムテック市場の動きが活発になる中で、日本でもさまざまなサービスが始まっています。それは企業内の動きを見ても明らかです。

例えば、生理管理アプリの先駆けである「ルナルナ」を展開するエムティーアイは、独自の福利厚生制度を導入。「ルナルナ オンライン診療」を活用した婦人科検診と低用量ピルの服薬を支援する制度です。

本格導入を始める前に試験的に実施してみたところ、生理前、生理中の症状による日常生活への影響度が大幅に改善され、生理期間中の業務パフォーマンスも上昇したそうです。

フェムテックサービスを利用すると、私たちの生理期間の過ごし方にいい変化をもたらしてくれることが期待できるかもしれません。

テクノロジーを活用したサービス

フェムテックとは、女性を意味するFemale(フィメール)と、Technology(テクノロジー)を組み合わせた造語。女性が抱える健康課題をテクノジーで解決できる製品やサービスのことを指しています。

その範囲は広く、生理痛の改善につながるものから、妊娠中の生活の質の向上、更年期障害の改善、女性特有の病気、セクシャルヘルスに関することまで、ジャンルは多岐に渡ります。冒頭にも登場した生理管理アプリの「ルナルナ」も、日本の代表的なフェムテック製品のひとつです。

このようにフェムテックの大きなムーブメントによって、テクノロジーではない製品やサービスも数多く登場しており、それらはフェムケアと呼ばれています。

今回は、数あるフェムテック、フェムケアサービスの中からピックアップし、いくつかご紹介します。

アプリで診察、ピルが届くサービス

アプリで診断、ピルが届くサービス

スマルナ:https://smaluna.com/

まずは、医師のオンライン診察で自分にあったピルを処方してもらえるアプリ「スマルナ」です。誕生の背景を担当者に伺いました。

「医療にはクオリティ・アクセス・コストという3つの評価要素があり、日本はこの3つをすべてほぼ実現できている稀な国です。ただ、予防医療や婦人科の領域にはあまり投資されてこなかったという背景があります。そのため、医療の中でも特に課題のある婦人科の領域で現役世代を救うためのサービスを作りたいと考え、オンライン診察でピルを届けるサービスのスマルナを立ち上げました」

「スマルナ」の特徴は、問診を24時間受け付けているので、忙しい毎日のすきま時間に利用できること。また、生理や避妊などの悩みを助産師や薬剤師に365日無料で相談できるスマルナ医療相談室があることです。

特にこの無料の医療相談室はユーザー満足度が93%(回答数=686。2020年4月スマルナ調べ)と高く、相談件数は1日平均500件。多い日だと約900件の相談が届いているそうです。

ピルは医師による診察及び処方が必要で、1日1錠、同じ時間に服用することが基本。忙しくて診察に行けず、手持ちの在庫を切らしてしまう恐れがあることを考えると、オンライン診察でピルを処方してくれる「スマルナ」があると安心しますよね。

PMSに悩む人向けのセルフケアサブスク

PMSに悩む人向けのセルフケアサブスク
ROSY Week:https://www.rosytokyo.com/

NetflixやAmazonプライムなどの映像関連から、ハイブランドのバッグのレンタル、お花の定期購入など、サブスクリプション、通称サブスクがさまざまなジャンルで根付いています。実は、PMSケアのためのサブスクもあるんです。

それが、月経前の1週間をセルフケアするためのアイテムが毎月届く「ROSY Week」です。基本セットは、4種の選べる7Daysハーブティー、バラの花束、毎月香りが異なるアロマオイル、オーガニック発芽ナッツと季節のドライフルーツ。

レディ(¥10,000)、プリンセス(¥15,000)、クイーン(¥30,000)と3つのコースがあり、プリンセス、クイーンコースには基本セットに加えて厳選ロゼワインも届くなど、+αのサプライズや体験サービスも用意されているようです。

憂鬱になりがちな生理前をハッピーな気分で過ごせるようサポートしてくれるフェムケアサービスですね。

毎月のゆらぎをサポートするサプリの定期便

毎月のゆらぎをサポートするサプリの定期便
withmoon :https://ashitarunrun.com/products/detail.php?product_id=1408

生理前のゆらぎに着目したのが、フェムケアブランド「withmoon」です。

ゆらぎ期に有効的と古くから使われてきたハーブである、チェストベリーと、女性特有の悩みに使われるフランス海岸松樹皮末を配合したサプリメント「チェストベリーサプリ」を定期便(月額¥1,899)で届けてくれます。サプリメントで日常的にケアすることで、毎月訪れるゆらぎ期をいつもと変わらず、安定した気持ちで過ごせるように導いてくれるそうです。

処方薬とは異なり、サプリメントは好きなタイミングで摂取できるため、ライフスタイルや美容習慣に関わらず取り入れられるのも魅力です。

フェムテックサービスを利用してセルフケア

フェムテック市場の発展とともに、セルフケアの幅が広がってきました。気になる症状に合わせてフェムテックのサービスを利用することは、生理前だけではなく、暮らしの質を高めてくれることにつながると思います。ぜひ、取り入れてみてくださいね。

参考:エムティーアイ ニュースリリース(2020年8月31日)

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木川誠子
出版社勤務を経て2009年よりライター・エディターのフリーランスとして活動。ウェルネスや美容、ライフスタイルのコンテンツを発案し、ディレクションから執筆まで一貫して携わる。2016年から兼ねてより関心のあったフェムテック領域に本格的に取り組み始め、フェムケアをはじめ、五感を通して自分を知るための”フェムアートプロジェクト”を立ち上げる。2022年には「株式会社k company」を設立し、その実践の場を創造・提供している。ライフオーガナイザー1級/アロマ心理/公認フェムテックマイスター(TM)