PMSに振り回されない幸せな社会へ!これからの健康経営
従業員の健康をきちんとサポートすることが、企業の経営にもプラスになるとされ、推奨されている「健康経営」。多くの企業が「健康経営」に力を入れて取り組み、発展に努めている中、PMSなど女性の健康問題に注目が集まっています。
健康経営の焦点は女性特有の健康課題へ
日本の総従業員の40%以上を女性が占めるといわれている現在。働く女性たちは、社会にとってとても重要な存在となっているわけです。ですが、以前の「健康経営」の取り組みでは、メタボ対策が中心。厚生労働省「国民健康・栄養調査委」(2007年)によると、「就労期女性のメタボリックシンドロームの割合は低く、20代にはほとんど存在しません。30代の女性のメタボ率は男性の1/17以下、40代は1/4以下、50代は1/3以下、60代は1/2以下である」という結果に。つまり、メタボ対策は主に男性のための対策でした。
企業のさらなる活性化には、女性の健康に対する取り組みが必要となり、女性特有の月経関連症状などに焦点が当たるようになってきました。
ちなみに、経済産業省によると、女性特有の月経関連症状による労働損失は、なんと1年間に4,911億円!
これは、バイエル薬品株式会社と東京大学大学院医学系研究科の大須賀穣教授らのグループが全国の女性約2万人を対象にしたインターネット調査により算出されたもので、女性特有の月経関連症状による1年間の社会経済的負担は、6,828億円なのだそうです。
この数字を見るだけでも、女性の月経にまつわる症状が改善されれば、大幅な生産性、業績の向上が期待できることがわかりますよね。
女性のための健康経営を成功へ導く3つのポイント
では、女性のための健康経営を考える上で、ポイントとなってくることとは、どのようなことなのでしょうか?
様々な統計を分析した結果、経済産業省は以下の3点を女性のための健康経営の効果を導き出すための施策としてあげています。
☑︎リテラシーの向上
☑︎相談窓口の設置
☑︎働きやすい環境
同調査では、約50%の女性が、女性特有の健康課題により職場で困ったことがあるという結果に。そのほとんどが、PMSや月経痛によるものでした。ですが、このような女性の健康課題が労働損失や生産性の低下などへ影響していることについて、70%以上の人が知らなかった・わからなかったと回答。
これにより、男性だけでなく、女性自身も知識不足であり、社会全体での女性の健康についての「リテラシーの向上」を掲げています。
さらに、進みつつある女性のワークライフバランスの取り組みに比べ、女性特有の健康課題に対する取り組みは、制度の整備状況や認知度が低いことがわかり、「リテラシー向上」に向け、対応が求められています。
出典:経済産業省「健康経営における女性の健康の取り組みについて」
経済産業省の調査によると、管理職から「相談窓口の設置」が必要だという声が多く集まりました。男性管理職には、「男性にはわからない女性特有の症状に的確にアドバイスできない」という課題があるからです。
出典:経済産業省「健康経営における女性の健康の取り組みについて」
女性の健康専門の相談窓口が設置されることで、女性たちが直接不調を相談することができるだけでなく、管理職にとっても、部下の健康状態を見ながら対処方法を相談することもできるようになるというメリットがあります。
また、同調査によって、女性特有の健康課題により「あきらめた」という経験がある女性が40%以上もいるという結果が出ました。残念ながら「働きやすい環境」とは言えない数字です。
出典:経済産業省「健康経営における女性の健康の取り組みについて」
この結果を受け、女性がさらに活躍できる社会を作るためには、あきらめることのない働きやすい環境づくりの必要性が高まりました。テレワークや休暇の整備など、それぞれの健康状態にあった柔軟な働き方を推進しています。
今、私たちができること
すでに、先進的な企業が先陣を切って、女性の健康に注目した施策の実践を進めていますが、今後、さらなる発展が期待される「健康経営」。男性にとっても女性にとってもよりよい環境が整備されることで、生産性は上がり、それぞれの幸福感も増すwin-winな「健康経営」がスタンダードになる日も、そう遠くはないのかもしれません。
そんな中、今私たちができることは、女性であることに誇りに持ち、自分自身のカラダに対するリテラシーを高めていくこと。それが、PMSなどに振り回されず、幸せに働ける毎日へのステップとなるはずです。
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