
【栄養士監修】PMS(月経前症候群)は食事が原因かも⁉「おすすめ食材」「避けたい飲料」
「もうすぐ生理が始まるな」という頃になると、下腹部がじんわり痛くなったり、身体がだるくなったり、朝起きるのが辛かったり……。あるいは、友達や同僚の何気ない一言にいつもよりイライラしたり、悲しくなったり。月経前のこんな症状に悩まされている女性は少なくないのではないでしょうか?
このような症状はPMS(月経前症候群)と呼ばれ、月経前の数日間だけつづく精神的あるいは身体的な症状のことをいいます。生殖に適した年齢(18~45歳)の女性特有の症状で、月経の開始とともに自然におさまるのが特徴です。原因ははっきりとは分かっていませんが、女性ホルモンの変動が影響しているのではないかと考えられています。
※2021年4月30日掲載の記事です。
INDEX
PMSの症状緩和に効果が期待できる食材とは?
多くの女性を苦しめるPMSを穏やかにするには、日々の食生活の見直しも大切だと言われています。
「人知れずPMSの辛い症状に悩む女性も少なくないと思うのですが、そもそもなぜ月経前の数日間に腹痛や腰痛、頭痛など、身体にさまざまな痛みが出るのか、そのメカニズムをご存じでしょうか? 実は女性の身体では、この時期になると『プロスタグランジン』というホルモンの分泌が急激に増加し、それがさまざまな痛みを引き起こす一因になっていると考えられているのです」
と話してくれたのは、管理栄養士で公認スポーツ栄養士の高須希代さん。そこで今回は、PMSの症状のひとつ、さまざまな部位に現れる痛みを穏やかにするための食事に関して、高須さんにお話を伺いました。
ホルモンの過剰分泌が痛みの一因に
「子宮内膜をはがす作用のある『プロスタグランジン』というホルモンは、月経前の時期になると、女性の体内で盛んに分泌されることが分かっています。『プロスタグランジン』は主に筋肉を収縮させるホルモンで、この時期になると子宮を収縮させ、経血の排出を促す働きをするのです。
PMSのさまざまな症状は、こういった大切なホルモンがきちんと身体のなかで作用をしている証でもあります。ただ、それらがあまりに過剰になってしまうと、さまざまな苦痛を生み出してしまうのです」
——では、そもそもなぜホルモンの過剰分泌が起こるのでしょう?
「原因のひとつとして考えられるのは、体の冷えですね。筋肉はそもそも冷えると弾力性を失い、収縮性が弱くなります。冷蔵庫から出してすぐの肉の塊は、冷たく固いですよね? でもしばらく常温でもどすと、柔らかく伸びがよくなるのをイメージしてもらえばよいかと思います。
人間の筋肉も同じこと。冷えてしなやかさを失った筋肉は弾力性が弱くなるため、子宮の収縮を促すための『プロスタグランジン』が必要以上に多く輩出され、筋肉の収縮も通常よりも強く起こってしまうのです。それが月経前の腹痛や腰痛の一因です。
また、『プロスタグランジン』は末梢組織の痛みを強める作用もあると言われているため、頭痛の原因になってしまうことも。さらには、胃や腸の筋肉の収縮が激しくなることで、月経前の時期に胃もたれや吐き気などの症状を感じる人もいます」
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