フェムコト 連載 by 橋本範子

未来予想図は描けない。導かれた先にあったパラレルキャリア

女性の可能性を閉さないパラレルキャリアで働く

フェムテックtv:パラレルキャリアを志したきっかけを教えてください。

世永さん42歳でパラレルキャリアになったんですが、それまで本当に忙しかったんです。気づいたら息子が小学6年生になっていて、夏休みも一緒に過ごせてないなって。サマンサも17年働いたから、辞めるなら今だなと。

そしたら家族に一番反対されたんですよね。「働いてるママが好きだから」と。サマンサからも「非常勤でもいいから残って欲しい」と言ってもらい、退職の噂を知ったオイシックス・ラ・大地からも声をかけてもらい、今に至ります。いろんな場所で自分の経験したことを活かす生き方があってもいいのかなと思って。今もそうですが、なりたい自分像みたいなのがないので、導かれた道を行く。たまたまのタイミングで、パラレルキャリアという道が目の前にあったから歩み始めました。

Oisixでの初仕事は、ヴィーガンミールキット『PURPLE CARROT』のブランドローンチイベント。アパレル業界から食の世界へ。新しい挑戦はワクワクと戸惑いの大渋滞で、40歳過ぎてもこんなにも成長のチャンスがあるのか!? と必死かつ充実の日々です」

フェムテックtv1日のタイムスケジュールはどのような感じですか?

世永さん5時半に起きて家事をして、子供達を送り出した9時くらいからリモートで仕事を始めて、出勤した方がいい会議があれば会社に行って17時くらいまで働いて、帰宅して夕食を作って、合間に仕事の連絡などがあればリモートで対応といった感じです。23時半くらいには体力が持たず、気絶しています。自分時間はないですが、特に欲しいタイプではなくて。TikTokやインスタをちょっと見られる時間があれば十分です。

フェムテックtv:仕事をする上で、女性特有の健康課題がもたらす問題や難しさを感じたことはありますか? 

世永さん:若いうちは正直なかったですが、今45歳で更年期障害の症状に直面しています。起きられないし、無理できないし、疲れを引きずるし。パラレルになったのは、すごく正しい選択だったなと思います。

女の人って無理が効かなくなるし、子育ては時と共に楽になるように見えて、子供に対して神経を使う時間が増えると思うんですよね。思春期や人生の大事な選択をするようになるので。自分の時間を自分でコントロールして仕事や家族に時間を使えるパラレルキャリアは、女性の更年期にも合う働き方だと思います。

リモートが多いので、大好きな植物を沢山育てて、家の中を快適に綺麗に、を心がけています

フェムテックtv:実際にどんな症状があらわれてますか?

世永さん:遅くても5時半には起きて7時くらいには子供を送り出すんですが、そこで一度30分くらい寝ないと体がもたない。パラレルキャリアになってからなので、もしかしたら9時に出社しないといけない! という縛りがなくなり緊張が溶けたからかもしれないんですけど。

フェムテックtv:体調のことは周囲に共有はされていますか?

世永さん:全部言うようにしています。無理に元気に振る舞おうとしない。誰にも求められてないですが、自分の中のミッションとして自分より年下の人たちの、ちょっとでも勇気になる生き方をしたいっていうのがあって。「結婚しても仕事したかったらしてもいいし、仕事しなくても素敵だよ」 「女性でも取締役になれるよ」と伝えるのと同じように「更年期ってこんな感じだよ」と言うのも自分の役目かなと思っています。

「2022年7月にオープンした那須のGOOD NEWSオープニングイベント時の写真。パラレルワークを始めてから、新しい扉がどんどん開き、全ての経験や出会いがそれぞれの仕事に生きています」

フェムテックtv:ご家族にも体のことは伝えていますか?

世永さん:うちの子たちとは何でもお互い話すので、包み隠さず話してます。4月から高校生の息子にも「ママ、時期的にマジでイライラしてる」とか言ってます。旦那はパートナーの体調の変化がリマインドされるアプリを登録してて、「体調悪くなるよ!」って教えてくれるんですよ。知ってるよって感じですけど(笑)。

フェムテックtv:子供への性教育に関して、もし気をつけていることがあれば教えください。

世永さん:それに関しては、私はノータッチです。娘の小学校も息子の中学も、学校が性教育に力を入れてくれてるんですよね。保健体育の授業には、親も一緒に参加するんです。学校から言われることと親から言われることって、受け取り方が違うと思うので、ありがたいですね。

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橋本範子
女性誌を中心に手がける編集・ライター。趣味は深夜ラジオを聴くこと。小型船舶2級所持。