by 寳田真由美

戦後稀に見る「梅毒」ブーム。痛くない腫れや湿疹は、病気のサインかも

初期ならば1回の注射で治療完了

これまで治療は飲み薬の服用が基本でしたが、20221月末に筋肉注射(ペニシリン注射薬・ステルイズ)が新たに登場しました。

「新たに認可された筋肉注射は、感染から1年未満の早期の梅毒であれば、1回の注射で治療が完了します。1年以上経過している人は、3回の注射が基本です。注射が使用できない場合は、抗生物質を48週間服用します。体内にどれくらい菌が残っているかによって、薬を飲む期間は変わります」

梅毒は、無症状になる期間を挟みながら進行するため、「症状がないからもう大丈夫」と自己判断で治療をやめてしまうのは絶対にNG。血液検査で陰性が確認され、医師から「もう大丈夫」とお墨付きをもらえるまで、しっかり治療を続けて下さい。

また、治療を終えた人の血液中には、一定の抗体がありますが、再感染を予防できるわけではありません。そのため、適切な予防策が不可欠です。

「梅毒の感染予防には、コンドームの使用が重要です。しかし、コンドームの使用は感染リスクを低下させる効果はありますが、100%予防することはできないことも覚えておいてください」

妊婦が感染すると、胎児への影響も

梅毒は、妊娠、出産にも影響を与えます。妊婦が梅毒に感染し、治療をしないままにすると、お腹の赤ちゃんが2次感染し、流産や死産といったリスクが増します。無事に生まれた場合も、先天梅毒といって骨や歯などに障害が起こる可能性もあります。

もしかして梅毒かもと不安に思っても、「人に知られたくない」「病院へ行くのが恥ずかしい」と検査をためらってしまうこともあるでしょう。しかし、早期に治療をすることで症状の悪化を防ぎ、感染が広がることも防止できます。少しでも感染の心配があるときには、早めに検査を受けるようにしましょう。

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柴田綾子先生

しばた・あやこ 淀川キリスト教病院産婦人科所属。産婦人科専門医、周産期母体・胎児専門医。世界遺産を見るため、15カ国ほどをバックパッカーで旅行した経験から、母子保健に関心を持ち産婦人科医をめざす。2011年医学部を卒業後に沖縄県立中部病院で初期研修し、2013年より現職。女性の健康に関する情報発信やセミナー講演を中心に活動中。著書に『女性の救急外来 ただいま診断中!』(中外医学社)、『産婦人科ポケットガイド』(金芳堂)、『女性診療エッセンス100(日本医事新報社)

 

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寳田真由美
編集者、ライター。大学卒業後、出版社や編集プロダクションに勤務。情報誌や女性誌、旅行誌などの編集を経て、2000年よりフリーランスで活動。現在は、主に女性のライフスタイルや健康、医療記事の編集・執筆などを行う。いま一番はまっているのは、愛犬と旅するためにはじめたキャンプ。