お悩み相談室 連載 by 小嶋美樹

コンドームを正しく使用するコツとは? 「つけていれば安心」は大間違い!?

『フェムテックtv』で人気の産婦人科医・池田裕美枝先生ことゆみえ先生が、身近な性に関する悩みや疑問に答える本連載。今回のテーマは望まぬ妊娠を避けるための「避妊の方法」です。なかでも、日本人にとって最も身近である「コンドーム」に関してお話を伺っていきます。

コンドームの避妊効果は100%じゃない!

「性交渉をする際の避妊方法」と聞いて、多くの人がまず思い浮かべるのがコンドームだと思うのですが、実はコンドームの避妊効果は100%ではないのですよね?

「そうなんです。コンドームの避妊効果は約85%だと言われています。これは、避妊をしないで性交渉を行うのと比べ、コンドームを使用することで85%ほどは妊娠を防ぐ効果が認められた、ということ。逆に言うと残り15%は、避妊をせずに性行為に及んだ場合と同じ確率で妊娠をする可能性がある、ということを意味しています」(ゆみえ先生・以下同)

85%という数字を、思っていたよりも低いと感じる人は多いように思います。

「そうかもしれませね。ただ、『日本性科学会』の学会誌のなかで以前、日本のクリニックで中絶手術を受けた患者さんに行ったアンケート結果がまとめられていたことがあったのですが、それによると、中絶手術を受けたカップルのうち12%もの人が、『性交渉の際には毎回、必ずコンドームを使っている』と答えたそうです。

これは『コンドームが途中で外れてしまった』『破れてしまった』などの装着ミスがあり、精子がなんらかの形で漏れてしまった人が12%ほどいた、というわけではなく、正しく使えたと思っている人の中にも望まぬ妊娠をしてしまった人が一定数いた、ということを意味しています。コンドームをしていれば100%妊娠しないというわけではないのです」

それは驚きの結果ですね。コンドームの避妊効果は絶対ではないと言うことを、もっと多くの人が知るべきですよね。

コンドームは避妊目的のものではない?

ただ、「コンドームをしていたのに、妊娠をしてしまった」という人のなかには、正しく使用できていない人もいるかもしれません。例えば、「コンドームは射精をする直前に装着すればよい」と思っている人もいるかもしれませんが、それは間違いですよね?

「そうですね。コンドームは避妊具であると同時に、性感染症を予防するためのアイテムでもあります。性感染症予防のためには、男性器が女性の膣に入る挿入時から着用していなければ意味がないのです。射精前に精液がにじみ出ていることもあるので、望まぬ避妊を避ける意味でも、最初からコンドームを付ける必要があります」

他にも、コンドームを使用する際の注意点はありますか?

「男性は射精後に陰茎が縮小します。そうすると、コンドームと男性器の間に隙間ができ、そこから膣の中の精液が漏れてしまうことがあるのです。それを防ぐためには、射精後すぐに腟から抜き、コンドームを外すようにしてください。

また、コンドームを使用する際には、先端のちょっと膨らんでいる部分の空気を抜いてから陰茎に装着することも重要です。そうすることでコンドームが密着し、性行為の途中で外れたりずれたりしにくくなります」

正しい装着方法を知らない人も多そうですね。

「コンドームの正しい知識に関してはコンドームの達人こと、医師の岩室紳也先生がさまざまな形で情報を発信してくださっていますので、岩室先生の動画(※1)などをチェックしてみるとよいかもしれません」

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小嶋美樹
編集者、ライター、ディレクター。大学卒業後、出版社に勤務し、女性誌や実用書・ビジネス書の編集、WEBディレクターなどを経て、2020年からフリーランスに。現在は主にインタビュー記事や女性のライフスタイル・子供の教育系記事の執筆、韓国エンターテインメント記事の編集・執筆など行う。趣味は旅行で、今一番欲しいものは子供たちと日本中を旅して回れるキャンピングカー。