デリケートゾーンの乾燥も原因のひとつ。雑菌が増えることで起こる細菌性腟炎って?〈医師監修〉
近年、性感染症のひとつ梅毒の感染が増加傾向にあるという気になるニュースを目にします。性感染症といわれると自分のおりものが気になるもの。実は、おりものの増加の原因の多くが細菌性腟炎です。感染症ではないものの、繰り返し起こりやすいといわれるため気をつけたいところ。
そこで、細菌性腟炎について産婦人科医の池田裕美枝先生に教えていただきました。実は、当たり前になりつつあるデリケートゾーンのケアも要因のひとつになっているようです。
INDEX
雑菌が増えて、腟内が炎症している
「腟の中には常によい菌も悪い菌も存在しています。その中にはデーデルライン桿菌(かんきん)という乳酸菌があり、そのおかげで腟の中が酸性に保たれていることで、肛門回りにいる雑菌、つまり悪い菌は腟の中に入ってくることができません。それが調子のいい状態です。
ただ、さまざまな理由によってデーデルライン桿菌などのよい菌が減ってしまうと、悪い菌が優位になってしまうため腟の中で炎症が起きてしまいます。それを細菌性腟炎、または細菌性腟症といいます。人に感染する感染症ではなく、自分自身と共に生きている菌の状態の変化によって起こる症状です」(池田裕美枝先生・以下同)
性感染症と細菌性腟炎が合併して起きることはある
細菌性腟炎の自覚症状
✓おりもののニオイが魚臭く感じる
✓おりものの色が緑色、灰色になる
✓おりものの量が増える
「細菌性腟炎の自覚症状としては、上記のようにおりものに変化が見られます。ただ、おりものの量が増えた場合、『性病なのかも?』と心配になることがあると思います。実際に、性感染症と細菌性腟炎はよく合併しています。
クラミジアや淋菌などの性感染症では、原因となる雑菌が腟よりももっと奥の子宮頸管というところで炎症を起こします。また、トリコモナスという性感染症の場合は腟そのものが炎症しています。性感染症にかかっている状態の腟内はよい菌が減りやすく、悪い菌が増えやすいため、細菌性腟炎も併発していることがあります。
実は、細菌性腟炎単体で見てみると、風邪くらいよくある症状です。風邪の症状が出てきた時、様子を見たり、自分で対処したりして、症状が長引いたり、ひどくなったりしたら病院に行きますよね。細菌性腟炎に関しても、おりものの量が増えて、かぶれてかゆくなることは多くの女性が経験していることだと思います。そして、多くは自然と治まるのですが、なかなか治まらないこともあると思います。そんな時、性感染症を疑って検査をするために病院に行くことは適した行動です」
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