ピルの副作用のひとつ、血栓症って何? 知っておきたい血栓症のリスク〈医師監修〉
ピルが月経と上手に付き合うためにも活用できると知られるようになる中で、オンラインで診療と処方ができるサービスも誕生。より身近になってきたものの、その一方でピルの副作用のひとつである血栓症についてきちんと知らないという人もいるのではないでしょうか。そこで、連載『お悩み相談室』でおなじみの産婦人科医・ゆみえ先生に血栓症について教えてもらいました。
INDEX
ピルを服用する前にリスクを理解しておくことが大事
「生殖年齢の健康な女性が血栓症を起こす確率は、1万人あたり4人です(米国の調査結果)。この確率が、ピルを飲むことで2倍になります。この数字を高いと判断するかどうかはそれぞれの価値観によって異なると思いますが、ピルを服用する前に自分の血栓症リスクがどれくらいあるかをざっくり知っておくことは大事です。
ちなみに妊娠は、ピルの8倍の血栓症リスクがあります」(ゆみえ先生・以下同)
血栓症は栓ができることで血管が詰まる病気
「血栓症とは、血管に栓がされてしまう、血管が詰まる病気。この“栓”というのは、血液が固まったものです。
血管には動脈と静脈がありますが、そのどちらにも血栓が詰まることがあります。特に静脈血栓は足にできることが多いのですが、重力の関係で脚に行った血流が心臓に戻ってきにくいからです。
脚から戻ってくる血流は筋肉によって押されています。なので、長時間椅子に座った状態で脚を動かしていない時などには、血流が滞ってしまい、血液が固まって血栓ができやすくなります。
避妊や月経コントロール目的で用いられる低用量ピルは、エストロゲンが含まれているため血栓症のリスクが少し高まります。エストロゲンを薬として取り入れることは、血管を若く保つことや骨の健康、肌の潤いを維持するにはとても良いです。その一方で血栓症をできやすくします。
月経コントロールに用いるピルでも、エストロゲンを使わない、黄体ホルモン療法を選択すると血栓症のリスクは上がりません」
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