PMS/生理

by 丸山彩

生理にオープンな台湾の先進的ジェンダー感

みなさん、台湾と聞いて何を思い浮かべますか? パイナップルケーキやタピオカミルクティー、可愛いらしいレトロ雑貨が有名ですよね。日本からわずか4時間程度で行くことができる、日本人にとって親しみを感じる場所のひとつつ。そんな台湾ですが、実は、アジア1を誇る生理先進国でジェンダー平等の進んだエリアでもあるのです。

台湾では、彼氏が生理用品を買ってくれることも!

 

台湾で生活をしたことのある人たちは口を揃えて、とにかく台湾はオープンに生理の話をすることに最初は驚くと言います。会社のメーリングリストで「生理なので、休みます!」と飛び交ったり、男女がいる飲み会で「今日生理だから」と大声で発表し白湯を飲むというのも日常茶飯事。彼氏ともなれば「生理の時は体を冷やしちゃだめだよ」と温かいもの用意してくれたり、生理用品を買ってきてくれるなんてこともよくあるそうです。

台湾では「生理は自然現象なのだから恥ずかしくもないし、隠す必要もない」という考えなので、男性たちもためらいなく生理の話をし、知識や理解があるというのです。

このようなオープンな環境ですから、生理用品に関しても最先端。生理用品売り場には、ナプキンやタンポンはもちろん、吸水ショーツから月経カップとバラエティ豊かに並んでいます。

多種多様なナプキンが並ぶ中に、日本では見かけない暑い国ならではのメントール入りナプキンというものもあります。メントールの効果でムレを感じにくく、一度使うとやめられないという人も多いそうです。

また、縫い目のない縫製で、ボトムスに響きにくくムレにくいと好評の吸水ショーツ「ムーンショーツ」は台湾発のブランド。生理中も好きなファッションを楽しめるようなデザインで人気となっています。

台湾は、ジェンダー平等先進国!

 

生理についてオープンに話せる生理先進国の台湾ですが、ジェンダー平等も進んでいます。台湾の行政院(内閣)が発表した、男女格差に関する2021年版報告書によると、台湾のジェンダー格差は世界で6番目に小さく、アジアのトップとなりました。

台湾は国連に加盟していないので、国連開発計画(UNDP)には含まれていませんが、男女間の格差を示す指標であるGIIの算出公式にデータを当てはめ、独自に算出したところ、台湾の指数は0.045となり、世界6位のノルウェーと同じ値となったというのです。

別の調査になりますが、世界経済フォーラム(WEF)が男女格差を分析したジェンダーギャップ指数2020で、日本は153カ国中121位、G7で最下位という結果となっています。

出典:内閣府『共同参画 Number 132 MarchApril 2020』

出典:TAIWAN TODAY『行政院の2020年度「性別図像」、台湾のジェンダー平等は世界9位

世界初のトランスジェンダー閣僚、オードリー・タン

 

 
 
 
 
 
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ジェンダーを語る上で欠かせないのが、台湾デジタル担当大臣のオードリー・タン政務委員の存在です。小さい頃よりコンピューターに親しみ、中学を中退。この頃にはすでに海外の有名な教授たちとインターネットを通じ仕事をはじめ、19歳の時にシリコンバレーで起業。アップル社の顧問なども歴任したという経歴の持ち主。24歳の時に、トランスジェンダーである生き方を選び、改名をしています。

台湾史上最年少の35歳で閣僚就任した彼女ですが、トランスジェンダーの閣僚としては世界初となります。

そして、彼女が大切にしていることとしてあげているのが「インクルージョン」。どのような意味なのでしょうか? インクルージョンとは、簡単に言うと、多様性を認め合い、受け入れ、みんなが同じように様々なチャンスを得られる状態のことを言います。

オードリー・タン政務委員が通常仕事を行なっている社会創新実験センターには、男子用、女子用、車椅子用、ジェンダーニュートラル用の4種のトイレがあります。4種あることは、誰もが快適にトイレに行くことができるだけでなく、プラスアルファの選択肢があるという利便性につながると彼女は言います。

例えば、車椅子用、ジェンダーニュートラル用は、もともと少数派のために設計されたものではありますが、実は子供と一緒に入るのに便利だということに後に気がついたそうです。このように誰か少数派のために作ったものが、想定していなかった人を助けることがあります。

また、いつもは多数派の側に所属している人でも、時に少数派に属することもあります。少数派を経験したことのある人は、多数派になっても少数派を排除するようなことはしなくなる。これが「交差性(intersectionality)」と呼ばれるもので、中国語では「共融」と言い、「誰も置き去りにしない」という概念、すなわちそれが「インクルージョン」という考え方だと言います。お互いの個性を認め合い、受け入れ合い、一体化していく。少数派を置き去りにしない優しい世界を目指すオードリー・タン政務委員の存在こそ、ジェンダー平等の象徴と呼べますよね。

現在、アジアでトップのジェンダー平等を誇る台湾ですが、もともと進歩的な土壌だったかと言うと、そうでもなかったようで、このような変化を遂げたきっかけは2014年に起こった「ひまわり学生運動」だったと言われています。この運動をきっかけに、大人たちが次世代の声に耳を傾けるようになり、若者たちも公共政策に参加したい気持ちが強まり、お互いを尊重することが大切だと気が付いたきっかけになったのです。

この台湾の進化こそが、お互いを受け入れ、尊重することがより良い未来へ変わる力になることを教えてくれているのではないでしょうか。

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丸山彩
東京都出身。某出版社での雑誌編集を経て、フリーランスの編集・ライターに。美容、女性のライフスタイルをテーマにしたカタログ・広告・webなどの制作を多く手掛ける。