フェムテック/ケア by 川端宏実

女性を解放するセクシャルウェルネスとは?

日本ではまだまだ馴染みの薄い、セクシャルウェルネス。性の健康を考えるセクシャルウェルネスという考えの中には、このサイトのタイトルでもあるフェムテックも深く繋がっています。日本では特に、女性の性的思考については秘めることが美徳とされてきていましたが、世界が性の健康について発信している今、どう向き合うべきなのか考えてみました。

セクシェルウェルネスとは?

WHO(世界保険機関)によるとセクシャルウェルネスとは、「セクシュアリティに対して身体的、感情的、精神的、社会的にも健康な状態であること」とされています。
日本では未成年への性教育は長年男女別で行われていました。そのため、生理についてなど女性特有の体の変化についても、隠すべきという暗黙の認識になっていた風潮があります。
セクシャルウェルネスとは、そういった女性の体の変化や悩み、さらには性的快感についてなど性にまつわる感情を、素直に受け入れることでより健康な状態を目指す考えなのです。

女性がセクシャリティを解放することは本当に幸せなこと?

とはいえ、いきなり「性についてオープンになろう!」と言われても、なかなか難しいというのが本音。まずは実際に、女性が性について心も身体も解放することで、どういった変化があるのか。産婦人科医の宮本亜希子医師にお答えいただきました。

女性のオーガズムはとても繊細。まずは自分で知ることが大切

「今まで性について女性の側から積極的に行動することが何となくタブー視される風潮でしたが、これからはもっと女性も性を楽しむことが身体も心も健康へより近づくと考えています。
では性を楽しむために、何からはじめるのか。例えば、自分で“どこを”“どのように”触ると気持ちいいのか、自身で探求することもいいでしょう。女性はパートナーとの性行為で快感を得られないと悩む人も少なくないですが、それはお互いがどこをどうして欲しい等といったコミュニケーションが上手く取れていないことが原因のケースもよくあります。
女性の性感帯はとても繊細で、ポイントや触れ方も人それぞれですよね。きちんと快感を得るためには、もっと性について主体的に考えるようにしましょう。セルフプレジャーを行うことで、もっと自分の快感について知ることができるかもしれないので、プレジャーテックを取り入れてみるのもおすすめですよ」

性的快感を共有することで、パートナーとの関係もさらに深まる

「パートナーとの性生活でも、自分の気持ちいいポイントを相手へ伝えることはとても大切です。上記でもお話しした通り、女性の快感はとても繊細です 。そして人によって快感のポイントや触り方に違いがあ るので、女性自身でも簡単には把握することができません。
つまり、男性にとってはもっと難題。せっかく二人で行う触れ合いですから、女性からも『こうやって触られると気持ちいい』など伝えると、より幸福感を得られるはずです。
ちなみに、女性がクリトリスでオーガズムを感じると、膣もしっかりと締まって女性側の感度も上がるし、男性側の感じ方も変わります。
また、性を楽しめていると、妊活の際もストレスが少なく取り組めるでしょう。性行為を苦痛と感じてしまっている場合、妊娠のために排卵日を狙って性行為を行うことが男女共にストレスになってしまいます」

オーガズムを感じることで、幸せホルモンも分泌

「オーガズムを感じることは、心を穏やかに保つことにも繋がります。快感を得ることで、幸せホルモンと呼ばれるオキシトシンが分泌され、これに抗ストレス効果などがあるため、穏やかな気持ちに繋がるのです。
こういった効果もあることから、セルフプレジャーでも性行為でも、気持ちがいいと感じられリラックスできれば、それだけでも健康的な心と身体へ繋がります」

性を楽しむためにはリスクヘッジも大切

「このように、性を楽しむことでさまざまなメリットがありますが、性行為にはリスクもつきもの。
子宮頸癌ワクチンの接種、性病など病気についての知識を身につけ、予防を行うようにしましょう。そして、妊娠を望まない場合は避妊もしっかりと。若年層による性行為も増えていますが、大人たちも案外正しい知識を知らない方が少なくないと感じます。
性を楽しむためにはまずはリスクをと学ぶことも大切です。みんなで学んでいきましょう」

宮本亜希子先生
みやもと・あきこ 兵庫医科大学卒業後、兵庫医科大学産科婦人科、あいこ女性クリニック等を経て、東京美容外科に在籍。婦人科医として勤務。日本産科婦人科学会認定産婦人科専門医
東京美容外科HP

Instagram@akko__1122

 

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川端宏実

フリーランスの編集・ライターとして、ファッション誌にてライフスタイルやメイク企画についての記事を担当。モデルやタレントのスタイルブック制作なども行う。