生理×男性の組み合わせが話題! NHK特集ドラマ『生理のおじさんとその娘』演出・橋本万葉さんの挑戦
INDEX
- PAGE 1
- 今までのドラマでは生理が描かれていないと気づいた
- PAGE 2
- 女性の中でも考え方や感じ方は違う
- PAGE 3
- 生理を楽にしてもいいという新しい気付き
生理を楽にしてもいいという新しい気付き
-今回のドラマの制作をして、新たな気付きや学んだことはありますか?
自分がいかに自分の生理について考えないで生きてきたかということを痛感したことです。
私は生理前になるとイライラしたり、やる気が起きなくなったり、いわゆるPMS(月経前症候群)の症状があります。でも、「生理前だからしかたがないよね」と、今まで対処していませんでした。
今回のドラマ制作に入る前に、何度か取材させていただいたうえで、埼玉医科大学病院の高橋幸子先生にキャストとスタッフに生理講習をしていただきました。その時に、「今は生理をコントロールする時代。必要ない時は生理の回数を減らしてもいいんだよ」ということを教えてもらいました。自分のことなのに「しかたがない」と生理のせいにしながら過ごしていたし、それを周りにも分かってもらえず……。言えない、言わないから分かってもらえないのは当たり前なのですが、ひとりでただイライラして過ごしていたので、自分でも解消する方法があるのだということは新しい気付きでした。
-生理講習を行った際、キャストやスタッフの反応はどんな感じでしたか?
皆さん、知らないことが多かったみたいです。特に男性からは、「知らないことばかりで勉強になった」「家に帰ってから家族と話した」という声がありました。
-橋本さんご自身の体験で、初潮を迎えた時にお赤飯が出てきたという体験談を書いたドラマ発表のリリースを拝見したのですが、その当時はどのような心情でしたか?
お赤飯が用意されているのにそれがなんのためなのか、誰も言わないのでただお赤飯が食卓にあるという状況でした。母と祖母は分かっていて、たぶん父にも言ったんだろうな……ということは、なんとなく感じていましたが、お赤飯を用意してお祝いする時は、「おめでとう!」という感じになると思うんですけど、とてもお祝いとはいえない雰囲気だったのですごく不思議でした(笑)。
そのことをドラマのお知らせをする際にリリースに書いたことで、「私もお赤飯が出てきました」と、いろんな人から話をされました。私は弟がいるのですが、当時はまだ小さかったこともあり、お赤飯が出てきたことについて弟から何も言われなかったのですが、お兄ちゃんがいた人の場合、「なんの祝いなの?」と聞かれて嫌な思いをしたという人もいて、やっぱりそうなんだ……と。
-ここ数年はフェムテックの広がりとともにその雰囲気も変化しているとは思いますが、そのような流れをどのように感じていますか?
企画が立ち上がった当初、フェムテックについての取材をしてすごく印象的だったのは、現代の女性は昔の女性と比べて生理の回数が増えていて、女性が働くことも当たり前になってきている。そこで生まれる課題を埋めるのがフェムテックなのではないかという話です。
フェムテックの商品やサービスは、個人の課題から生まれていることもあってすごくニッチなものが多いという話も聞いて、私も働く女性のひとりとして、選択肢が増えることはすごくありがたいと思います。私は新しいものが好きなので、吸水ショーツなどは、すぐ試してみたりしています。
その一方で、同世代の友達に話を聞くと存在自体を知らない人もいました。20年以上生理と付き合っている世代なので、すでに自分のスタイルが決まっていることもあって、なかなか新しいものは入っていかないのかな……と。
先ほどの高橋幸子先生から伺った話にも通ずるものがあるのですが、生理を楽にしてもいいという考え方をまず知ること、自分を楽にしていく選択ができるようになるといいなと思います。
-最後に改めて、『生理のおじさんとその娘』をどういう想いを込めて制作したのか。そして、ドラマを通して伝えたい想いをお願いします。
生理のコミュニケーションというところにおいて、どういう状況になると私自身が幸せなのかなと考えた時に、ただオープンに話せることがいいとは思っていないです。でも、生理で困っていて助けを求めたい時に、それを話したせいでトラウマになってしまうような反応をされてしまうのは、けっこう深刻なことだと思っています。なので、話したいと思った時に、家族や仲のいい友人にきちんと話せる関係性、雰囲気があって、その話を聞いた人も理解ができる、対応ができる知識を持っていてほしいと思います。
私も夫とそういうコミュニケーションが取れるといいなと思っていますし、自分自身が自分の体のことについてきちんと知る、向き合う、コントロールできるようになるということは、すごく大事。
このふたつについて考えてもらいたいと思ってドラマを作りました。楽しくドラマを観ていただいて、その後少しでも生理についての会話をしてもらえたら嬉しいです。
特集ドラマ『生理のおじさんとその娘』
2023年3月24日(金)<NHK総合>よる10:00~11:13(73分)
橋本万葉さん
はしもと・まよ 2009年NHK入局。これまでに大河ドラマ「天地人」「花燃ゆ」「いだてん」「鎌倉殿の13人」、連続テレビ小説「ゲゲゲの女房」「とと姉ちゃん」などの制作に携わる。高知発ドラマ「ダルマさんが笑った。」で演出デビューし、東京ドラマアウォードにてローカル・ドラマ賞を受賞。
コメントを書く / 読む▼
メールアドレスが公開されることはありません。
* が付いている欄は必須項目です。