PMS/生理 by 木川誠子

生理×男性の組み合わせが話題! NHK特集ドラマ『生理のおじさんとその娘』演出・橋本万葉さんの挑戦

女性の中でも考え方や感じ方は違う

-ドラマの中では父と娘のコミュニケーションを描いているとのことでしたが、コミュニケーションは制作側にも重要なことだったのかなと想像しました。

本当にその通りだと思います。今回はドラマの現場では珍しく、女性スタッフが多く集まったのですが、考え方、感じ方はひとりひとり違うと、改めて思いました。

例えば、主人公の男性は生理用品メーカーに勤めているので、ナプキンを手に乗せるというシーンを考えた時に、「直接手に乗せるのが嫌だ」という人もいれば、「そこに置いてあるだけだったらいい」という人もいました。私としてはギリギリまで挑戦したいと思いながらも、感じ方、考え方はひとりひとり違うので、いろんな人とコミュニケーションをとってそのラインを探っていきました。

-そのラインは最終的にどのように決めましたか?

誰も嫌に感じないところを探ってしまうと、本当に柔らかい表現しかできなくなってしまうので、最後は自分の感覚を信じるみたいなところではあったかなと思います。

女性スタッフが多かったこともあって、「これはけっこう嫌なんだ」「嫌な人もいるけど、嫌ではない人もいる」というようなことを、全体的な雰囲気を見ながら、最終的には自分の感覚で決めるという感じでした。

-そのラインを決めるやりとりの中で、印象に残っていることはありますか?

先ほどの話になるのですが、主人公の生理のおじさんは、生理用品メーカーの人なので、当たり前のように生理用品について説明をします。私も生理用品→メーカーの男性の方々に取材をした時に、直接解説していただきました。本当に慣れていらっしゃるので、触り方や扱い方などを見ても、まったく気持ちが悪いと思わなかったです。

ただ、ドラマの中で同じようなことをやろうと考えた時に、私の感覚としては嫌ではなかったのでそのまま描こうと思っていたのですが、「直接手に乗せるのは嫌だ」というスタッフがいたことで、最終的には板にナプキンを貼った状態で見せるという形にしました。触ったりはするけど、手には乗せないという方法です。

細かいところではあるのですが、ドラマを作っていく過程では本当にいろんな話をします。生理について話せることがだんだんと当たり前になっていったので、「話せなかった時はどんな感じだったかな?」と、感覚がマヒしてきて、「一回戻ろう」ということもありました(笑)。

-当たり前に話せるようになると、ドラマの中でリアルに描けなくなるからですか? 

はい、そうです。ドラマを観てくださる方々は、生理という言葉を出すことも嫌だという方もいらっしゃると思うので、そういう方にも観ていただくためには……ということを考えて原点に戻ろうと。

また、その人が生理中かどうかというのは、実生活の中でも見た目だけでは判断できないこと。だからこそ、ドラマの中の登場人物が生理中であることをどのように分からせるかというところは、すごく悩みました。

セリフで説明しすぎるのも……。だからといって生理用ナプキンを替えるところを見せるのは生々しすぎると思いますし、そのあたりが難しかったです。すごく悩んだ結果、アニメーションで表現しているので、ぜひドラマで観ていただきたいです。

1 2 3

コメントを書く / 読む

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。
* が付いている欄は必須項目です。

この記事を読んだあなたにおすすめ

木川誠子
出版社勤務を経て2009年よりライター・エディターのフリーランスとして活動。ウェルネスや美容、ライフスタイルのコンテンツを発案し、ディレクションから執筆まで一貫して携わる。2016年から兼ねてより関心のあったフェムテック領域に本格的に取り組み始め、フェムケアをはじめ、五感を通して自分を知るための”フェムアートプロジェクト”を立ち上げる。2022年には「株式会社k company」を設立し、その実践の場を創造・提供している。ライフオーガナイザー1級/アロマ心理/公認フェムテックマイスター(TM)