若者の尿漏れ急増! 骨盤底筋を鍛える

テレビのCMなどで度々耳にする、尿漏れ。誰もが体の老化とともに起こるものだと思っているけれど、実は今20代や30代の人にも増えて来ているのだとか。若いからこそ、症状があっても周りに相談しづらく悩んでしまっていることも多い若年性の尿漏れについて、原因と対策をご紹介します。

そもそも尿漏れとは……?

漏れとは自分の意思に反して、尿が漏れてしまう状態です。一般的にはこの状態をまとめて尿漏れと呼んでいますが、実は尿漏れには4つのタイプがあります。

骨盤底筋群のゆるみで起きる「腹圧性尿失禁」

腹圧性尿失禁は出産直後の女性や、加齢による筋力の低下により、骨盤底筋群が緩んでしまうことで起きる尿漏れです。尿道を締める力が低下してしまうため、くしゃみや咳、重いものを持ち上げた時など、瞬間的にお腹に力が入ることにより、漏れてしまうことがあります。

また、生理前や生理中も、ホルモンバランスの影響で骨盤底筋群がゆるみやすく、尿漏れの症状が起こりやすいとされています。

尿のたまり具合に関係なく強い尿意にかられる「切迫性尿失禁」

急に尿がしたくなり、我慢できずに漏れてしまう症状の尿漏れ。多くの場合は特に原因がないのに、勝手に膀胱が収縮してしまうことで切迫性尿失禁を起こしていますが、体の他の部分の不調が原因で起こることも。脳梗塞や脳出血といった脳血管障害により、脳からの排尿の指令がうまくコントロールできないことが原因になっている場合もあるのが切迫性尿失禁です。

男性では前立腺肥大症、女性では女性では膀胱や子宮といった骨盤内の臓器が、膣口から出てきてしまう骨盤臓器脱という病気も切迫性尿失禁の原因になります。

尿を出したい時に出せない「溢流性(いつりゅうせい)尿失禁

出したい時に出せず、出したく無い時に勝手に漏れ出てしまうこの症状。溢流性尿失禁は直腸がんや子宮がんの手術後などに、膀胱周辺の神経機能が低下してしまった場合などに多く見られます。背景に排尿障害があることが基本で、その原因としては前立腺肥大症が多くみられます。よって、溢流性尿失禁は男性に見られやすい症状となっています。

身体能力の低下による「機能性尿失禁

排尿機能は問題はなくても、歩行障害によりトイレまで間に合わなかったり、認知症のためトイレで排尿できないなどの症状。この疾患の場合は、介護や生活環境の見直しの必要があります。

出典:日本頻尿器科学会「尿が漏れる・尿失禁がある

若い人の尿漏れの主な原因

若い人の尿漏れの主な原因は、骨盤底筋群のゆるみで起きる「腹圧性尿失禁」と尿のたまり具合に関係なく強い尿意にかられる「切迫性尿失禁」が多いと言われています。その中でも問題とされているのが「腹圧性尿失禁」です。

ストレスや生活習慣により症状が出ることもありますが、その多くが無理なダイエットや運動不足によって起こる、筋力の低下が原因とされています。体の筋力が衰えてしまうことにより、尿道や腟、肛門を支えている骨盤底筋群もゆるんでしまい、若いうちから尿漏れの症状が出てしまうのです。

最近うっかり尿漏れをしてしまうと感じる人は、まず骨盤底筋群の筋力強化を目指しましょう!

あなたの骨盤底筋群はしっかり締まる?

尿漏れにも深く関わっている骨盤底筋群は、尿道や腟、肛門の、いわゆるデリケートゾーン一体を骨盤の下から支えている筋肉です。骨盤底筋群は生活習慣や加齢、出産などでゆるんでしまいます。それにより、尿道括約筋も低下することから尿漏れの原因となっているのです。

この骨盤底筋群を鍛えることで、尿漏れの予防と改善にも繋がります。近年話題の腟トレも実はこの骨盤底筋群のトレーニングです。

骨盤底筋群のトレーニングは最初は難しいと感じますが、コツを掴めばとっても簡単! 今はまだ尿漏れをしていないという人も、ダイエット効果もあるので、毎日のルーティンに加えて予防をしておきましょう。

尿漏れの予防に効く骨盤底筋群トレーニング

【仰向けバージョン】

STEP1:仰向けになり、軽く脚を開く。ひざは軽く曲げた状態で立てる。手の平は床に置き、リラックスをした状態でスタート。

SETP2:息を大きく吸いながら、肛門と腟を締める。このとき、肛門と腟を上に吸い上げるイメージで5秒引き締めましょう。

STEP3:次に、大きく息を吐きながら肛門と腟に入れた力を5秒かけて抜きます。これを5回繰り返してください。

仰向けの状態にれてきたら、イスに座った状態で行うのもおすすめです。

【椅子バージョン】

STEP1:イスに深く座った状態で、脚は肩幅程度に広げます。

STEP2:息を5秒かけて大きく吸いながら、肛門と腟を吸い上げるように引き締めて。

STEP3:大きく息を5秒かけて吐きながら、肛門と腟の力を抜きます。無理のないように、一日5セットを目指してください。

骨盤底群ケアは食事も大切

骨盤底筋群を鍛えるためには、生活習慣の見直しも大切です。しっかりと睡眠をとり、バランスのよい食事を摂りましょう。無理な食事制限などで行うダイエットは骨盤底筋群の力もどんどん下げてしまいます。

過度な食事制限をすると、体は飢餓状態になります。ヒトの体は飢餓状態になると、脂肪だけではなく、筋肉も分解してエネルギーを作り出します。これが筋力低下の原因となるのです。

筋力を鍛えるために、一番重要な栄養素はタンパク質ということは、みなさんご存知ですが、タンパク質だけでは筋力アップには足りません。タンパク質を筋肉に変えるためには、やはり他の栄養素も必要不可欠。例えば最近糖質制限という言葉で悪者扱いされがちな糖からは、糖鎖という物質が作られます。これはタンパク質細胞の保護や、新陳代謝を促す特徴があるのです。流行の糖質制限ダイエットは、これらの働きを鈍くしてしまうので、無理をしない範囲でおこないましょう。

このように、健康的な体をつくるためには、栄養素が偏っていてはダメ。バランスの良い食事が大切なのです。

【バランスのよい食事】

脂質の少ない、和食は美容にも健康にも優れています。和食の基本である「まごわやさしい」の意識をして、バランスよく食べるようにしましょう。

(ま)豆:タンパク質が豊富。大豆からできている豆腐も◎

(ご)ごま:良質な脂質も摂れる、アーモンドやクルミも含まれます。ごまはミネラルやカルシウムも豊富です。

(わ)わかめ:めかぶや昆布、のりなど、海藻がこのチームに入ります。マグネシウムやヨウ素、鉄や亜鉛が豊富。また食物繊維も豊富で、腸内環境も整えます。

(や)野菜:ビタミンやミネラル、食物繊維、アミノ酸など、野菜によって得られる栄養素は変わるので、なるべくたくさんの種類を食べるようにしましょう。

(さ)魚:和食に不足しがちなタンパク質をしっかり摂るために、魚も食べましょう。ビタミンDやカルシウム、亜鉛なども豊富です。

(し)しいたけ:きのこ類全般です。種類によってかわりますが、意外とビタミンも豊富。カリウムなどのミネラルも豊富で、ムクミの予防にも効果的です。食物繊維も豊富なので、腸活にも欠かせない食材です。

(い)芋:芋も、食物繊維とビタミンが豊富です。干し芋は自然な甘みで満足感があるので、ダイエット中のおやつがわりにもおすすめな食材です。

いかがでしたでしょうか? 今回は尿漏れの予防と改善のためにご紹介をした骨盤底筋群トレーニングですが、これはいわゆる腟トレと同じこと。つまり、尿漏れの予防と改善に加えて、腟の筋力も鍛えられちゃうという、一石二鳥のケアなんです。ぜひ日頃から骨盤底群を鍛えることを意識してみてください。

医師監修:中田航太郎

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