フェムコト 連載 by 橋本範子

どんな困難があろうとも“自分を大事に”しながら加トちゃんと共に過ごす|タレント・加藤綾菜さん

地方で働く女性、都心で働く女性、子育てをしながら働く女性、さまざまなライフスタイルを送る女性たちを取り上げ、女性の健康課題や社会課題について考える対談コンテンツ『フェムコト』。

 

今回対談させていただいたのは、タレントの加藤綾菜さん。“加藤茶の嫁”としても知られる綾菜さんが発売した『加藤家の食卓 医師と栄養士の先生に長生きする食事の作り方を習いに行ってきたレシピ集』は重版もかかった話題作に。出版に至った経緯や、歳を重ねるごとに変化した自身の心や体のことなどをお聞きしました。

 

ー綾菜さんの3つのルールー

RULE1.“氷だし”の減塩料理を食べる

RULE2.自分の心に向き合う時間をつくる

RULE3.38〜39度のぬるま湯に40分以上浸かる

 

〈Profile〉

 

タレント・加藤綾菜さん

 

かとう・あやな 1988年4月12日生まれ。広島県出身。2011年に、45歳差だった加藤茶さんと結婚。数々の資格を取得し、料理・介護等で活躍する。著書に『加藤茶・綾菜の夫婦日記「加トちゃんといっしょ」』(双葉社)、『加藤家の食卓 医師と栄養士の先生に長生きする食事の作り方を習いに行ってきたレシピ集』(アスコム)。

 

いじめやアンチも“自分は素晴らしいんだ”と信じて乗り越えられた

フェムテックTV:『加藤家の食卓 医師と栄養士の先生に長生きする食事の作り方を習いに行ってきたレシピ集』出版から約3カ月が経ちました。いまだにすごい反響だそうですね。

 

加トちゃんの特にお気に入りはハンバーグだとか。

 

綾菜さん:ありがとうございます。幅広い世代の方に読んでいただいているんですが、特に40〜70代の方からの声が多かったですね。「病気をして減塩してくださいと言われ、どうしたらいいかわからなかったときにこの本に辿り着きました」など、お礼のお手紙が出版社にもたくさん届きました。

 

フェムテックTV:本を出版するに至った経緯はなんだったのでしょう?

 

綾菜さん:加トちゃんが大きい病気をしたということもあって、独自で減塩料理をつくってはいたんです。ただ「全然美味しくない」「食が進まない」と言われて。「塩分量を6g以下にするように」と病院の先生からも厳しく指示されていたので、自分なりに頑張っていたんですけどね。食事自体を摂らなくなったり、隠れて醤油を足すようになったりしたので、どうしようかなと。減塩料理の先生を見つけて習いに行ったりしたのですが、すごく手間のかかる料理が多くて……そこで向かったのが国立循環器病研究センターです。理事長が知り合いだったことから、相談してみたんですね。そこで医療基盤・健康・栄養研究所の先生に様々なことを学びました。そして辿り着いたのが“氷だし”。これはもう画期的です!

 

フェムテックTV:著書に掲載されていた“氷だし”を使った減塩料理は、どれも本当に美味しそうでした!

 

綾菜さん:そうなんです! 加トちゃんも「減塩料理やめたの?」って言うくらい、美味しい美味しいと言って食べてくれたんですよ。

 

フェムテックTV:綾菜さん自身も何か体の変化は感じますか?

 

綾菜さん:私も減塩料理を食べるようになって疲れにくくなったし、朝から生命力が湧いて体調もいいですね。塩分を取りすぎた日の翌日って、体が重くてめっちゃ疲れるんです。ただちょっと残念なのが、外食すると大体の食事がしょっぱく感じて美味しく食べられなくなってしまいました。加トちゃんなんて「オレのだけ味が濃くされてる」って言うくらい。「いやいや、加トちゃんの舌が正常になったんだよ」って言うんですけど(笑)。

 

フェムテックTV:元々、綾菜さんはお料理がお好きだったんですか?

 

綾菜さん:そうですね。得意なものだけをつくっていました。それが結婚2年目で加トちゃんがパーキンソン症候群を発症してしまって。そこから少しずつ食事を見直していきました。

 

フェムテックTV:結婚当初は揚げ物をつくっただけで「(加トちゃんを)殺す気か!」などのバッシングがあったとか……。

 

綾菜さん:最初はすごく落ち込みました。ただ心を強くしようとも思ったんです。今の時代的に「強くならなきゃ!」とか言ったらダメなのかもしれないけど……私が批判の声から逃げても、絶対に自分からは逃げられない。だったらもう堂々と生きよう、そう決めました。“10年経ったときに絶対に認めてもらえる”ってことだけを信じて生きてきたんです。

 

フェムテックTV:いつの頃からか、世間の評価もガラッと変わったように思います。

 

綾菜さん: 7〜8年は修業の日々だったけど、その期間があったことで私自身も変わったなと思います。初めから“加トちゃんの奥さん”として認められていたら、調子に乗っていたかもしれない。あれほどまでにボコボコにされたから、一つ一つのことに感謝できるようになりました。その頃から鈴木奈々ちゃんは友達なんですが、彼女って全く偏見がないんですよね。世の中の人から何を言われようが、私だけを見てくれるんです。だから偏見って持ってちゃいけないんだなって。自分がそういう立場になったことで、思うようになりました。

 

フェムテックTV:著書『加藤茶・綾菜の夫婦日記「加トちゃんといっしょ」』を読ませていただいても、友人やご両親にもすごく恵まれている方なんだなと感じます。

 

綾菜さん:両親は私が落ち込んだら、常に激励してくれるんですよね。「希望がない。苦しい」と弱音を吐いたときにも「希望は出てくるもんじゃなくて、自分からつくり出すもの。あんたがつくりなさい」って言うんです。学生時代にいじめられていたときも「勇気は出るもんじゃない。勇気は出すもの」だと。学校で「ブス」「バイ菌」などと叩かれても、お母さんが毎日「綾ちゃんは本当に素晴らしい子だから、自分のこと卑下しちゃいけんよ。素晴らしい存在なんだよ」って言ってくれていたんです。お弁当には手紙も入れてくれました。だから“自分って素晴らしいんだ”って信じて生きてきたんですよね。自分で自分を安心させて励ませるようになったら、すごく強くなれるんです。

 

フェムテックTV:信じる力で困難も乗り越えられてきた、と。

 

綾菜さん:母親と子供って、分子レベルで繋がっていると思うんですよね。お母さんの不満とかモヤッとしたものって、子供にも伝わる。自分の子供が不登校で悩んでいる友達も、ただ心配していたところを“この子は大丈夫”と思うようになってから、子供は学校に行くようになったそう。親の思考って、全部子供に伝わるんだなと思いました。

 

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橋本範子
女性誌を中心に手がける編集・ライター。趣味は深夜ラジオを聴くこと。小型船舶2級所持。