フェムコト 連載 by 橋本範子

「誰よりも商品の大ファン!」自社商品愛用で働きながら健康になる

男性に理解してもらってこそフェムケアは広がる

フェムテックtv:あえて御社の課題を挙げるとしたら何かありますか?

 

鈴木さん:企業課題というよりは、社会課題として感じる部分はあります。バイヤーの方は男性が多く、2年前とかと比べると浸透してきたものの、まだまだフェムケアについて知られていないところもあります。自分自身もしっかり向き合って丁寧に伝えていかないと、より多くの人に知ってもらえないと感じています。『よもぎ温座パット』の商談をするまでは「生理用品だと思っていた」と言われることも多かったんですよ。

 

フェムテックtv:鈴木さんがしっかり説明されても、商品の形などで先入観もあるのかもしれないですね。

 

鈴木さん:そうなんですよね。男性だと、この商品を使いたくても使えないし、中には「女性の体について知ることすら、少し恥ずかしいと思っていた」という男性バイヤーさんからの声もありました。なので私からは、女性の体のこと、ホルモン周期のこと、なぜ体を温める必要があるのかなど、一からお伝えさせてもらうことも多いです。理由をつけて説明すれば、それが理解に繋がる。「お近くにお渡しできる方がいらっしゃったら、ぜひ使ってみてください」ともお話ししています。そしたら「奥さんの体調も機嫌も良くなって、家族が仲良くなったんだよ」という話を聞けました。女性だけでなく、女性を取り巻く環境にもプラスの影響を与えられることが本当のフェムケアなんじゃないかと思います。男性はもっと女性のことを理解して、女性も同じくらい男性のことを理解する。それはすごく大事なことだと感じています。

 

営業職なので、基本社外に出ていることが多いそう

 

フェムテックtv:課題感を持ってお仕事に取り組まれている鈴木さんですが、今後はどのようなライフプランを描いていますか?

 

鈴木さん:子供を欲しいなとは思いますが、となると会社はお休みする必要がありますね。それでも絶対、働き続けたい。それができるのがグラフィコだと思っています。

うちは、おばあちゃんが働き者で、すでに90歳くらいですが、布団屋でミシンを踏んでいるんです。母親も小学校の先生で、働くのが大好きなんですよね。「働くって楽しいよ。何事も経験が大事だから、視野を広げなさい」と言われて育ってきました。この言葉を胸に仕事をしています。個人の力でやれることには限りがある。会社を通じてできることがたくさんあると思っているんです。ゆくゆくは営業以外のことにも挑戦したい。“挑戦できる会社”というのも強く感じています。

 

鈴木さんが思う働きやすい企業とは?
「“使われるべき制度がちゃんと使われている”というのも、弊社の働きやすい理由かもしれません。生理などでちょっと体調が悪いなと思ったら在宅勤務に切り替えるなど、私自身も積極的に活用しています。制度はもちろん、商品に関しても思ったことは声に出して伝えられる会社なので、女性社員の声から多くの商品が生まれています。だから私たち社員が、商品のいちばんのファン! 風通しの良い会社であることは誇りです」(鈴木乃理子さん)

 

Photo:Mie Nishigori

 

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橋本範子
女性誌を中心に手がける編集・ライター。趣味は深夜ラジオを聴くこと。小型船舶2級所持。