フェムテック/ケア by 木川誠子

日本発セルフラブブランド「aib」誕生秘話。セルフラブとセルフプレジャーとは?

30歳頃からセルフラブを意識し、自分の身体や心と向き合い始める

「どんなケアをしてもダメだったパサパサの髪の毛は漢方薬を飲み始めたことで改善していき、フェムテックという言葉が出始めた頃だったこともあり、月経カップや吸水ショーツを取り入れてみたら生理期間が快適になりました。また、思い切ってママ友にセックスレスについて打ち明けてみたところ、同じように悩んでいるママがたくさんいることにも気がつきました。

その時の私は、美容やファッションでは自分の機嫌を取れなくなっていたので、もっとダイレクトにセクシャルな部分にアプローチできることをリサーチしていて、プレジャートイを紹介しているサイトに行き着きました。そこには、“セルフプレジャーはご褒美タイム”というようなメッセージが書かれていて、こういう考え方もあるんだと。セルフプレジャーを通して、私自身を変えていきたいと思いましたし、容姿やセックスレスに悩んでいる女性がもっと生きやすくなると確信しました。

私にとってのセルフプレジャーは、自分のご機嫌を取るための選択肢になりました」

34歳で第2子を出産。セルフラブブランド「aib」を立ち上げる

「aibは、漢字で表すと愛撫。辞書の言葉を借りると、“子どもや異性、動物などをかわいがって顔や身体をなでさすること。また、なでさするように深く愛すること”です。現代においては性的な意味合いで使われることが多い言葉ですが、数十年前の日本文学では女性的な優しい意味で用いられていたので、『自分のことを愛撫してあげよう』という意味を込めてブランド名にしました。セルフプレジャーで自分を愛してあげること、快感を得ることで幸せホルモンが分泌されることは、ありのままの自分を受け入れることにつながっていくと思っています。

そして、トイの中でも吸引タイプはオーガズムを得やすく、挿入タイプのトイより心理的ハードルが低くなると思い、第1弾アイテムとして『Tulipa(チュリパ)』を作りました。初めての方にも取り入れていただきやすいように、デザインやカラーリングをはじめ、清潔に使えるなど、すべてにこだわったアイテムです」

Tulipa〈115g・104×50×61mm・3段階振動・動作時間60分〉¥15,400(aib/info@aib-selfcare.com

「実は、ブランドを立ち上げるにあたって行政書士さんに連絡したら、『デリヘルを開業するのですか?』と言われました。日本でプレジャートイを取り扱うには無店舗型風俗営業許可を取る必要がありましたし、ブランドビジュアルを制作する際もオープンな雰囲気にしたかったので、絶対にモデルさんの顔を出した形で作りたかったんです。ですが、商材的にNGと何度も断られました。

セクシャルウェルネスの領域は、まだまだ発展途上だと感じていますし、女性から話を聞けば聞くほど、生理痛があるけど頑張って働いていたり、セックスレスに悩んでいたり、悩みを抱えている人が多いことがわかります。だからこそ、ひとり1個、プレジャートイを持って自分のことを愛してほしいという思いと、仕事も子どもを持つこともあきらめなくてもいいような社会を目指していくために『aib』を立ち上げました。

これからは、セクシャルウェルネスについての認識が広がって、誕生日などのプレゼントとしてプレジャートイが選択肢のひとつになるように、私も友達にプレゼントしていこうと思います」

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aib代表 YUKIEさん

23歳まで女優として活動。引退後は、器械体操の経験から身体のメンテナンスに興味があり、エステティシャンとして新たなキャリアをスタート。28歳で起業し、ドリンクスタンドをオープン。飲食店や美容サロンなどを立ち上げていき、2023年から『aib』をスタート。プライベートでは2児の母。

https://aib-selfcare.com/

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木川誠子
出版社勤務を経て2009年よりライター・エディターのフリーランスとして活動。ウェルネスや美容、ライフスタイルのコンテンツを発案し、ディレクションから執筆まで一貫して携わる。2016年から兼ねてより関心のあったフェムテック領域に本格的に取り組み始め、フェムケアをはじめ、五感を通して自分を知るための”フェムアートプロジェクト”を立ち上げる。2022年には「株式会社k company」を設立し、その実践の場を創造・提供している。ライフオーガナイザー1級/アロマ心理/公認フェムテックマイスター(TM)