PMS/生理 by 木川誠子

30代の身体の変化は女性ホルモンと筋力の低下が要因? 東洋医学の視点でその変化と向き合う

大きな原因は老化によるもの

「腎虚をひと言で表現するなら、老化です。東洋医学では腎を生命力と考えることもでき、生命力が虚しくなってくる、衰えてくるという意味合いで腎虚。

そして、この腎とは、おへその下にある臓器、腎臓や膀胱、子宮、卵巣で、男性の場合は、前立腺や睾丸などを指し、加えて下半身や目、耳も該当します。そのため、その臓器や下半身の力が落ちてしまうことで、足腰が痛い、足がむくみやすい、尿モレ、生理の変化。中には老眼や難聴の症状が起こる場合もあります。

また、加齢とともに女性ホルモンの分泌量や筋肉量も減ってきますので、そういった点からも変化が起きやすくなります」

症状の出方の違いは下半身の運動が鍵

「身体や心、生理の状態に変化が起きていると自覚している場合でも、その症状や程度はひとりひとり異なります。東洋医学ではその違いは、下半身を動かす習慣があるかどうかで判断します。

腎はおへその下を指しますので、日頃からウォーキングなど足腰をよく動かしている場合は、下半身に血流が集まっているため症状が出にくい、出ている場合でも弱いと判断します。逆にあまり動かしていない場合は、その血流が上半身に集まると考えます。頭に血がのぼってイライラする、更年期の代表的な症状であるほてりやのぼせ、ホットフラッシュが、まさに血流が上半身に集まっている状態。東洋医学では昇状(しょうじょう)といい、血がのぼることで症状が強く現れると考えるため、血をおろすことが大切になります」


下半身を意識した運動習慣が改善につながる

「30代になって変化を感じている状態は、病気ではないものの健康から遠ざかりつつある、未病の状態にあたります。まずは未病だと自覚をして、健康に戻すという意識を持ちましょう。

そして、腎は生命力という話をしましたが、植物で例えると根っこの部分にあたります。植物は根っこがダメになると成長しないことを考えれば、下半身もそれくらい重要です。普段から、ウォーキングやスクワット、ストレッチなど、下半身を重点的に動かすことを意識してみてください。

いつもより早歩きしてみよう、ひと駅分歩いてみよう。ウォーキングが苦手だったら5分でも10分でもストレッチから始めるのもいいと思います。また、巡りを良くするためにお腹回りを温めるという意味で腹巻き、湯船につかることもおすすめです。日常の中に取り入れやすいこと、頑張らずにできることなどから下半身を動かす、温める習慣を始めてみてください」

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石原新菜先生

いしはら・にいな イシハラクリニック副院長。医学生の頃から自然医学の基礎を養い、イシハラクリニックでは漢方医学、自然療法の考えに基づき、食事の指導や漢方薬処方を中心とする診療を行う。その傍らで、テレビやラジオといったメディア出演、講演活動を通して、美容と健康の増進拡大にも尽力。『主治医が見つかる診療所』(テレビ東京)にレギュラー出演中。

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木川誠子
出版社勤務を経て2009年よりライター・エディターのフリーランスとして活動。ウェルネスや美容、ライフスタイルのコンテンツを発案し、ディレクションから執筆まで一貫して携わる。2016年から兼ねてより関心のあったフェムテック領域に本格的に取り組み始め、フェムケアをはじめ、五感を通して自分を知るための”フェムアートプロジェクト”を立ち上げる。2022年には「株式会社k company」を設立し、その実践の場を創造・提供している。ライフオーガナイザー1級/アロマ心理/公認フェムテックマイスター(TM)