
イクのが早い彼に満足できない!?「男性のイク」について知ろう。
相手の良いところを伝えながら、自分の気持ちを話してみよう
―他にも、女性の側が工夫できることはありますか?
「今回の相談者の方のように、セックスに物足りなさを感じているようであれば、たとえば男性器を腟内に挿入する以前に、なにか別の方法で女性が満足できるよう工夫をしてみてはどうでしょう? たとえばバイブレーションなどを使用することで女性側の興奮を高めてから性器の挿入に至るなど、男性が達するまでの時間が短くてもお互いにセックスを楽しめるような工夫もあるはずです」
―「男性を傷付けてしまいそうで、満足できていないことを打ち明けられない」なんて意見を女性から聞くこともあります。
「男性が自分よりも早く達してしまうのは、どちらが悪いという話ではないのです。こんなふうにしてもらえているのは心地よい、と良いところも伝えた上で、オーガズムのタイミングが合わないことを話してみてください。お互いにより満足のいくセックスをするために、歩み寄ることはステキなことです。そのために、マスターベーションなどで自分のからだをよく知ると、コミュニケーションも取りやすいのではないでしょうか?
また、性器の挿入でこそ女性を満足させられる、と思い込んでいる男性もまだまだ多いように感じます。性器の挿入以外にも愛情を伝える手段やセックスを楽しむ方法があることを、より多くの男性に知って欲しいですよね」
偏ったジェンダー感に縛られている男性も……
―女性が気を付けるべきことはありますか?
「以前行った全国調査で、『セックスをしたくないときにNoといえますか?』という質問をしたのですが、男性の方が『言えない』と答える人が多かったのが印象的でした
―たしかに、「男たるもの、いかなるときも女性の期待に応えるべき」「挿入時間が短くて女性を満足させられないと恥ずかしい」と思っている男性は多そうですよね。
「“こうあるべき”といったジェンダー感に縛られている男性も多い気がするんですよね。お互いに満足のいく愛あるセックスを行うためには、どちらか一方が頑張ったり、無理をしたりするのではなく、カップル間で気持ちを共有したり、お互いの体を知ることが大事じゃないかな、と思います」
池田裕美枝先生
いけだ・ゆみえ 京都大学医学部卒業。「市立舞鶴市民病院」「洛和会音羽病院」にて総合内科研修後、産婦人科に転向。現在は「二宮レディースクリニック」での産婦人科外来、「神戸市立医療センター中央市民病院」の女性外来、「京都大学医学部附属病院」の女性ヘルスケア外来を担当。また、SRHR(セクシュアル・リプロダクティブ・ヘルス&ライツ)の勉強会や啓もう活動を行う一般社団法人SRHR Japanの代表も務める。
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