HPVワクチン、打つべきベストタイミングは?
INDEX
2・4・9価、どれを打つべき?
高橋先生:キャッチアップ接種の人たちは、無料で打つなら2価と4価、お金を払えば9価も選べます。今、定期接種も2価と4価の2つですが、現時点(※2022年11月時点)で、有償である9価が2023年4月から無料適用になる事が決定しました。それが今、懸念点として挙がっているのです。セクシュアルデビューが近い可能性がある高校生やキャッチアップ世代の場合には4価でもいいから早く接種した方がいいですし、小学生であれば4月以降に9価を打つという選択肢もあり得ます。
大事な身体を守るためにも性別関係なくHPVワクチン接種を
高橋先生:HPVワクチンは、子宮頸がんのほかにも、陰茎がんや肛門ガン、尖圭コンジローマを防げます。男性も接種することで、女性に媒介するリスクが減り、子宮頸がんを防げるのです。
オーストラリアでは、2013年から学齢期の男子にもHPVワクチン4価が無料接種対象となりました。4価は尖圭コンジローマも防げますが、2価だけ接種した人は尖圭コンジローマを防げません。9価は尖圭コンジローマ予防に加え、90%の確率で子宮頸がん予防ができます。やはり男女関係なく、接種することで確実に女子たちの子宮を守れます。今年高校2年になる息子は、14歳の時に9価のHPVワクチンを2回打ちました(※2022年11月現在、男子の9価のHPVワクチンは適応外であり、副反応などの症状が出た際、補償の対象外となります。なお、4価のHPVワクチンは男子にも承認されています)。
男子は9価は適応外ですが、4価は男子にも承認されています。
フェムテックtv:日本では男子の接種はあまり知られていない話ですよね。
高橋先生:ICU(国際基督教大学)の学生グループ・一般社団法人Voice Up Japanの大学生たちが、男子のHPVワクチンを無料にする署名活動をしています。この署名は厚生労働省に届ける予定です、ご関心のある方は署名に参加してみてください。
家庭環境や保護者の価値観によってワクチンを打つ打たないを決める傾向が見られます。これからHPVワクチンを打つ人たちは、できるだけ専門家とよく相談し、自分がワクチンを打ちたいと思ったタイミングで接種してほしいと思います。
フェムテックtv:ありがとうございました。
※HPVワクチンの最新情報は、厚生労働省ホームページに公開されていますので、詳細をご覧ください。
※HPVワクチンの接種条件などの情報は、各自治体で内容が異なっています。接種前にお住まいの自治体のホームページを必ずご確認ください。
高橋幸子先生
たかはし・さちこ 埼玉医科大学医療人育成支援センター・地域医学推進センター/産婦人科/医学教育センター助教。日本家族計画協会非常勤医師。彩の国思春期研究会西部支部会長。全国の小学校・中学校・高等学校にて性教育講演の傍ら、NHK『きょうの健康』NHK『ラジオ保健室』などに出演。著書に『マンガでわかる!28歳からのおとめのカラダ大全』(KADOKAWA)など多数。
Twitter:@sakko_t0607
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