HPVワクチン、打つべきベストタイミングは?
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HPVウイルス予防の近道は早めのワクチン接種
フェムテックtv:HPVワクチンが必要な理由を教えてください。
高橋先生:HPVというウイルスは、身近に存在するウイルスです。HPVウイルスは1型から300型以上の色々な種類があり、そのなかで16型と18型がハイリスクなタイプ。16型もしくは18型のウイルスが身体に居据わると5〜10年以上経ってからがんになるといわれています。
ちなみに4価と9価の6型と11型は尖圭コンジローマを予防します。
そして、性交渉経験がある女性の80%が50歳までに何らかのHPVに感染するといわれているんです。
ただ、感染したから「がん」になるのではなく、免疫力があれば多くは排除できます。1回細胞診で引っかかったけれども、2年ぐらいで正常に戻ったという話はよくあります。そして、HPVウイルスはコンドームを着けていても防げません。予防法がHPVワクチンしかないのです。
個人の行動にもよりますが、セクシャルなコンタクトを持つ若い世代の方が多く、性行為の回数や相手の人数が多くなります。つまり若い世代の方がウイルスに感染しやすいのです。HPVワクチンを接種するベストタイミングは、初めての性行為の前が最も良いといわれています。
フェムテックtv:だから「10代で接種」を謳っているのですね。
ワクチン接種は早ければ早いほど良い
フェムテックtv:10代は勉強や受験、アルバイトで忙しくしています。なかには海外留学や、親の転勤で海外暮らしをしている子もいるので、接種のプランニングが難しいと感じます。そういう子たちの接種のタイミングはどうなんでしょうか。
高橋先生:重複になりますが、HPVワクチン接種のベストタイミングは、初めての性行為をする前です。ワクチン接種がセクシュアルデビュー後だとしても、打たないより打った方が良いでしょう。ただ、初体験が何歳になるかは予測できません。「HPVワクチンを打つ○歳まで性行為をしない」「ワクチンを打ち終わるまでしない」「半年後に性行為をするから、今のうちにワクチンを打つ」という行動を意思決定できる子は、今の日本の性教育の現状では残念ながら、ごく一部かもしれません。中学生女子の性交経験の割合は4.5%といわれていますので、無料のタイミングで早めにワクチンを打った方がいいのです。
海外の場合、14歳までに打てば2回接種で完了したり、イギリスでは1回の接種で終わりにするなどの流れになってきています。今の時点、日本は3回の接種となっているので、海外に倣って「14歳未満で2回終了」という選択を自主的にしている方は既にいます。
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