フェムテック/ケア by 木川誠子

自分の血液で腟をアンチエイジング。最先端の腟美容を体験レポート!

腟のうるおいを高める、腟を引き締めるなど、医療美容で腟をケアする腟美容への注目が高まっています。すでにいくつかの腟美容を経験したことがある中で、最近話題となっている、再生医療の考えで施術を行う膣のPRP治療(※)を東京美容クリニックで体験してきました。施術の手順から効果実感をお届けします。

PRP治療とは:自分自身の血液を採血し、専用のマシーンで効果のある成分(濃縮された血小板)だけを利用して、腟粘膜や腟口に注射していく治療です。組織が若返る効果が期待できるため、腟全体のエイジングにつながります。

腟美容の前に健康状態と衛生面をチェック

腟美容の施術をする場合は、どんな施術内容であっても健康であることが大前提。婦人科検診を受けておくことは大切です。健康であることが分かったうえで施術を予約し、施術日は生理後1週間から次の排卵前の2週間後までの、女性ホルモンの状態がいいとされている期間に設定するのが好ましいです。

そして、施術内容によってはVIOの毛の処理が必要があるため、事前に確認しておくことをおすすめします。脱毛が必要な場合は、施術の3日前までには終わらせて、肌が落ち着いた状態で当日を迎えましょう。

今回体験した腟PRP治療はVIOの毛の処理をしていなくても受けることができます。毛がある状態で施術を受ける場合は、デリケートゾーン専用の拭き取りシートなどを用いて、清潔にしておくのもエチケットとして大切だと感じました。

◉腟美容の施術前にあると便利なアイテム

☑︎VIO専用のシェイバーや脱毛器(施術に必要な場合)

☑︎☐デリケートゾーン専用の拭き取りシート

腟美容のひとつ、腟PRP治療施術の流れ

①ドクターによる問診

腟に関してどんな悩みがあるか、気になっていることなどを伝えていきます。受けたい施術を決めていたとしても、悩みの内容によって別の施術を提案してくれる場合もあり、相談しながら最終決定することができます。このタイミングで気になっていることは確認し、不安材料をなくしておくことで気持ちを安定させることができます。

私の場合は、興味があるセクシャルウェルネスの観点で感度を高めるための施術を受けるみることにしました。

※注意点:PRP治療は、採血をし、腟粘膜に注射をするため、血液をサラサラにするサプリを服用している場合は出血が止まらなくなる可能性もあるため、施術を受けることができません。

②施術内容の説明を受け、同意書にサイン

施術内容が決まったら、その効果、麻酔(必ずしも使用するわけではない)や合併症についてなどの説明を受けます。施術内容をしっかり理解したら同意書にサインをします。

③採血する

PRP治療は自分の血液を使って行う施術のため、採血を行います。その後、効果のある成分(濃縮された血小板)だけを取り出すため遠心機にかけられます。

今回の感度を高めるために腟PRPは施術内容によって成長因子を使用することがありますが、私の場合は自分の血液だけを使用しました。また、腟内をふっくらさせる目的で腟PRP施術を行う場合は成長因子を加えることになります。

④血液の準備ができ次第、施術へ

血液を遠心機にかけるため、約30分の待ち時間があります。血液の準備ができたら施術の準備へ。ボトムスと下着を脱ぎ、施術着(スナップ付きのラップタオル)に着替えてベッドに寝ころびます。施術を受ける時の体勢は婦人科検診時と同じで、両足をあげて開いた状態に。

⑤デリケートゾーンを消毒→膣内を洗浄

デリケートゾーンを拭き取るように消毒。その後、専用の器具で腟口を固定した状態で腟内の洗浄が行われます。この器具が腟内に当たるため違和感がありますが、痛いと感じた時は我慢をせず、きちんと意思表示を。痛みが最小限になるように工夫しながら施術をしてくれます。

この時に普段、自分で見ることができない膣内の状態を教えてもらえたのは、嬉しかったです。腟内のうるおいや骨盤底筋群の緩みなど、気になることがある場合は、このタイミングで聞いてみるのもおすすめです。

⑥性感帯を確認する

専用の器具で腟口を固定した状態のままで、先生の指を膣内に挿入し、性感帯を探します。身体も、気持ちも多少の緊張感がある中で性感帯を探すことになるため、あらかじめ自分の性感帯を知っておくほうがスムーズに行えます。先生曰く、「PRP治療を受ける・受けないにかかわらず、性感帯を知ることも自分の身体を知ることですよ」と。

⑦性感帯に注射していく

性感帯を確認したら、数回に分けて注射していきます。この際に用いるのは、医療針の中でももっとも細い、髪の毛1本分ほどの針のため、痛みはほとんど感じませんでした。むしろ注射による痛みはまったくなく、注射する場所に合わせて腟口を固定している器具を動かすため、私はそっちのほうに違和感がありました。

注射している時間はトータル10分もかからないくらい。もし痛みに弱い場合は塗り薬の麻酔や局所麻酔があるので相談してみてください。

⑧出血がないかを確認したら終了

注射による出血がないか腟内を確認して、問題がなければ施術は終わりです。ダウンタイムはないため、施術着から私服に着替え、サインした同意書を受け取ったらすぐに帰宅できます。

施術後、場合によってはおりものに少量の血液が混ざることがあるそうで、おりものシートがあると安心です。あらかじめ施術を受ける日は吸水ショーツで行くというのもおすすめ。

◉施術後にあると便利なアイテム

☑︎おりものシート or 吸水ショーツ

腟美容の施術で腟の状態を知ることができる

PRP治療は施術の1ヶ月後から効果が出てきて、34ヶ月後にピークを迎えるそうです。施術後日が浅いこともあり、性感度に関してはまだ実感できるほどではありませんが、デリケートゾーンは「うるおっている」という感覚があります。知人からは「肌の状態がいいね!」と褒められたので、これもPRP治療による効果かも……と思っているところです。

PRP治療を受けたことで、乾燥しているかいないか、緩みの確認など、自分ではチェックできない腟内の状態を先生から教えてもらうことができるのは、いいことだと思いました。今回の東京美容クリニックは、産婦人科医が在籍していることもあり、きれいになることだけではなく、婦人科検診のことなど、健康との向き合い方もアドバイスいただけるのが印象的でした。

今回の体験メニュー

東京美容クリニック PRP治療 ¥300,000

 

山村菜実先生

やまむら・なみ 産婦人科専門医、アンチエイジング専門医、美容産婦人科医、美容皮膚科医として、東京美容クリニックに勤務。婦人科と美容を融合させた考え方で、フェムキュア施術を行っている。

https://tbc.clinic/

コメントを書く / 読む

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。
* が付いている欄は必須項目です。

木川誠子
出版社勤務を経て2009年よりライター・エディターのフリーランスとして活動。ウェルネスや美容、ライフスタイルのコンテンツを発案し、ディレクションから執筆まで一貫して携わる。2016年から兼ねてより関心のあったフェムテック領域に本格的に取り組み始め、フェムケアをはじめ、五感を通して自分を知るための”フェムアートプロジェクト”を立ち上げる。2022年には「株式会社k company」を設立し、その実践の場を創造・提供している。ライフオーガナイザー1級/アロマ心理/公認フェムテックマイスター(TM)