性欲は身体のノーマル反応。セクシャルな感覚にも耳を傾けて

フェムテックの大きなムーブメントが起きている今、自分自身を知る、自分の身体のことを考える時間が多くなっていると思います。日々の生活の中で自分を知るきっかけはいろいろありますが、食欲、睡眠欲、性欲の三大欲求もそのひとつです。

性欲だけタブー視?

身体にはさまざまな本能を備わっていますが、中でも食欲、睡眠欲、性欲のいわゆる三大欲求は特に重要なことです。ただ、性欲だけは秘めた欲求かのように表立って話すことを禁じられていた風潮がありました。その理由のひとつとして考えられるのは、食欲は身体の物理的な反応だと感じるのに対して、性欲は気持ちに付随した感覚的なものであり、”性欲があるのはおかしいのではないか””性欲があるとセックスが好きと思われないか”と、勝手なイメージが作られていたところがあるから。

「性欲は身体が示すノーマルなサインです」と教えてくれたのは、国家資格を保有する鍼灸師であると同時に膣サロンを設立し、啓もう活動を行っている栗本夏帆先生。

性欲は脳からの指令

栗本先生が運営する女性限定の膣サロンには、性欲がない、そもそも性欲が分からないといった相談があるそうです。

「三大欲求の中でも性欲は別くくりにされがちですが、食欲、睡眠欲と変わる点はありません。すべて身体の自然な反応です。食事をすることでエネルギーを保持し、細胞分裂など、エネルギーを分散させる役割が睡眠。では性欲はなんのためにあるのかということですが、それは妊娠ができるかどうかの生殖反応です。

性欲も含め、三大欲求は気持ちが感じていると思っているかもしれませんが、実は脳の指令によって身体に反応が出ています。例えば、お腹が空いたとします。『お腹空け~!』と念じてお腹が空くわけではありませんよね。性欲も同じです。脳から身体に伝わっている反応だと思うと、性欲は恥ずかしいことでなく、身体に備わっている当たり前のことだと認識できます。

もちろん個人差はありますが、実は、3歳くらいから性欲を認識し始めると言われています。ただその反応が性欲だと理解しているわけではありませんが、『ここを触ると気持ちいい』と感じているというよりは身体の反応を学んでいる状況です。そこから910歳でマスターベーションを知り、1213歳で初潮を迎えます。そして、1819歳から排卵前に性欲を感じるようになる方が多いです」

感じることは恥ずかしくない

栗本先生曰く、「性欲は身体の準備が整うことと、感覚として快感を得ることの合わせ技です」とのこと。性欲が分からないという人は、キュンキュン、ムズムズという感覚に耳を傾けることが大切だそうです。

「例えば、好きな人に会える日はいつもよりメイクアップを頑張って、思い切って声をかけてみようかなと、気持ちがキュンキュンすることから始めてみるのがおすすめです。気持ちがキュンキュンする、身体がムズムズすることが性欲に繋がっていきます。

性欲が分からないという一方で、感じていても隠している人も多いように思います。マスターベーションをとっても、男性にとっては当たり前という認識がありますが、女性は隠す傾向にあります。

身体の構造から考えても女性が性欲を感じることはおかしいことではなりません。なぜならば、クリトリスは快楽を得るためだけに存在しています。その点から考えても性欲は感じていいものなんです。

また、フェムテックアイテムのひとつでもあるバイブレーターが誕生したきっかけも、精神科の治療のひとつとしてオーガズムを与えていた歴史があるから。オーガズムを得ることで身体がリラックスし、心も落ち着きます。それくらい重要なこととも言えます」

知識を得ることが大切

身体の構造やフェムテックアイテムが誕生した背景を知ると、見え方や感じ方も変わってきます。知識を得ることは、フェムテックのムーブメントの根底にあります。恥ずかしさや周りの目を気にして閉ざしてしまう前に、知る努力も大切なこと。気になることは好奇心を持って調べてみると、気づきや発見に出会えるかもしれません。

栗本夏帆さん

グラン治療院の統括院長。鍼灸師として活動しながら、「一般社団法人 日本温活協会」の温活士としても活躍。女性限定の膣サロンを立ち上げるなど、勉強会や啓もう活動にも励んでいる。https://biyoshinkyu.net/

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