PMS/生理 みんなのリアル by 保住ひろえ

単なる月一の出血ではない?「なぜ『月経』があるのか 」について深く知ろう〈医師監修〉

妊娠過程の子宮のはたらきに注目

女性の身体は1ヵ月に一度、妊娠が成立したときに備えて、子宮に赤ちゃんを育てるふかふかのベッドのような厚い膜を作ります。ベッドが使われなかったときには身体の外に排出して、またあたらしいベッドをつくります。これが『月経』です。

生命は卵子と精子が出会い、受精卵になることからはじまります。細胞分裂を繰り返して子宮内へ到着した受精卵は、ふかふかのベッドにもぐりこみます。これを着床と呼び、妊娠が成立します。やがて赤ちゃんは、子宮の壁にくっついている胎盤とへその緒を通じて母親の血液から栄養と酸素を取り込み、自分の身体を成長させていくのです。

『月経』は大きなリスクを伴う妊娠の保護過程

赤ちゃんの成長過程で、もし子宮内膜が薄いままだった場合、子宮は赤ちゃん側の器官によって傷つけられ、大量出血などを引き起こしてしまいます。そこで母親が赤ちゃんと生き残るために考えられたしくみが、厚い子宮内膜によって母体組織を守ることといわれています。

また、赤ちゃんの発達が未熟である場合も、母親の身体に危険を及ぼす可能性があります。そこで受精卵の健康状態をしっかりと見極めるために、子宮内膜は毎月『月経』を起こすことで、フレッシュな状態を保っているとも考えられているそうです。

受精・妊娠と深い関わりを持つ『月経』。つい生理痛やPMSに気を取られてしまいますが、『月経』は単なる月に一度の出血ではなく、女性の身体に備わった非常にドラマティックな現象と言えるのではないでしょうか。

 

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医師校正:池田由裕美枝先生

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「フェムテック tvアンケート 2021」
・調査エリア:全国
・調査母数:20代〜40代の男女300名
・調査期間:2021年5月4日~5月17日
・調査方法:インターネットリサーチ
・調査主体:フェムテック tv
・調査機関:SHINOBIアンケート

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保住ひろえ
1993年生まれ。ファッション誌のエディターを務め、美容系IT会社のコンテンツ制作部・ディレクター兼ライターに。ビューティー&ヘルスケア系のテーマを中心に執筆中。