PMS/生理 by 寳田真由美

今改めて知りたい。タンポンってどう選ぶ? どう使う?

経血を膣内で直接吸い取るタンポンは、生理中でもアクティブに動きやすくして くれる便利なアイテムです。しかし、「どう選んだらいいのか分からない」「使い慣れないから不安」といった声も少なくありません。そこで、婦人科医の松村圭子先生に、タンポンの正しい選び方や知っておきたいことを伺いました。

タンポンは必要? メリットは?

生理用品には、ナプキン、タンポン、月経カップと、複数の選択肢がありますが、タンポンにはどんなメリットがあるのでしょう? 

「まずは、長時間換えなくても済むことです。タンポンのサイズや経血量にもよりますが、一般的に4~8時間は取り替えなくても大丈夫なので、忙しくてナプキンを換える時間がなかなかとれない人にぴったり。また、活発に動いても漏れの心配がほとんど ないのもメリットです。運動する人にもいいですね」(松村先生・以下同)

タンポン初心者の人は、自分の体調に合わせて選ぶのが失敗しないポイントだと言います。
「タンポンもナプキンと同じように、多い日用や普通の日用、少ない日用などがあるので、まずは経血量に合わせて使い分けるのが正解です。慣れていない人は、小さめのサイズで、アプリケーター付きのものを選ぶといいでしょう」

プラスチック製や紙の容器で挿入するアプリケーター付きタイプは、直接指で挿入するタイプに比べて使いやすく、衛生面でも安心です。挿入する際は、清潔な手で扱うようにしてください。

不衛生さから、ショック症状を起こすことも

長時間交換が不要なのはうれしいですが、使用時間を守らないと問題もあるそうです。
「タンポンは、商品に記載の使用時間をしっかり守って、衛生的に使えば問題はありません。しかし、不衛生にしているとトキシックショック症候群(TSS)を起こしてしまう可能性があるので、入れっぱなしや出し忘れにはくれぐれも気を付けてください」

トキシックショック症候群とは、黄色ブドウ球菌の産生する毒素が原因で起こる急性疾患で、高熱を伴う発疹や倦怠感、嘔吐、下痢などがあります。タンポン使用者だけでなく、誰にでもかかる可能性がありますが、発症するとごくまれに死にいたる重篤な症状を引き起こすことも。使用時間を超えての使用は、絶対に避けましょう。

「クリニックにも、たまにタンポンを抜き忘れて『なんだかオリモノが臭う』と言って来院される方がいます。タンポンを抜き忘れたときの臭いは強烈で、診察室で抜いたときに部屋中に充満してしまうほどです」と、松村先生。

来院する人の場合、「紐がちぎれてしまった」という人は皆無だそうで、抜いたつもりで忘れている人が多いのだそう。万が一、紐がちぎれてしまった場合の対処法を聞いてみると、「婦人科を受診すればすぐに取れるので大丈夫」とのことでした。

コツを覚えれば使用は簡単

タンポンを挿入する際、「痛みを感じるのでは?」「うまくできないかも……」と心配に思う人もいることでしょう。
「最初は小さめのサイズから試してみるといいです。挿入する際は、タンポンをお尻の方に向かって、気持ち斜めにして入れるとスムーズに行うことができます。慣れれば簡単にできるようになるので、焦らずに行ってください」

生理の終わりかけにタンポンを使ったら、痛みを感じたという声もあります。
「経血量が少ないときは、膣の中に十分な血液がないため、挿入する際にタンポンの滑りが悪くなって、膣を傷つける恐れがあります。そういった日は、使用を中止してナプキンを使いましょう」

タンポンに向いているかどうかは、好みやライフスタイルによって異なります。ハードな運動をする人や長時間トイレに行けないような仕事をしている人、日ごろから経血量が多い人などはタンポン向きといえそう。多い日はタンポン、少ない日はナプキンのように、体調に合わせて使い分けるのも◎。生理用品を選ぶことで、生理中もより快適に過ごしたいですね。

松村圭子先生

まつむら・けいこ 婦人科専門医。成城松村クリニック院長。1995年広島大学医学部卒業、同年広島大学附属病院産婦人科学教室入局。2010年、成城松村クリニックを開院。月経トラブルから更年期障害まで、女性の一生をサポートする診療を心がけ、アンチエイジングにも精通。講演、執筆、TV出演など幅広く活動。『これってホルモンのしわざだったのね』(池田書店)、『医者が教える女性のための最強の食事術』(青春出版社)など著書多数。

 

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寳田真由美
編集者、ライター。大学卒業後、出版社や編集プロダクションに勤務。情報誌や女性誌、旅行誌などの編集を経て、2000年よりフリーランスで活動。現在は、主に女性のライフスタイルや健康、医療記事の編集・執筆などを行う。いま一番はまっているのは、愛犬と旅するためにはじめたキャンプ。