フェムテック/ケア by 木川誠子

デリケートゾーンのトラブル相談は、婦人科? それとも皮膚科?

かゆみやニオイなど、デリケートゾーンのトラブルが起きた時、婦人科(産婦人科)と皮膚科、どちらを受診すればいいのか気になったことはありませんか? そこで、産婦人科医の吉形玲美先生と皮膚科医の神島輪先生に、それぞれの特性を教えていただきました。

肌表面のトラブルなら皮膚科

「例えば、デリケートゾーンにかゆみがあり、確認してみると皮膚が赤くなっていると分かるような、目に見える範囲は皮膚科。症状を感じているけど、目では確認することができない場合は産婦人科(婦人科)と考えるのが判断しやすいと思います」と、教えてくれたのは、皮膚科医の神島輪先生。

いきなり婦人科への受診はハードルが高い、緊張すると感じることもありますよね。そんな時は、第一歩として皮膚科を受診するのも選択肢のひとつです。

「デリケートゾーンについても、皮膚科を受診していただくことは問題ありません。皮膚科で対応できるケースでしたら、問診後、診察を行い、必要に応じて検査もいたします。それから症状について、処方する薬についての説明も行います。

ただ、医療機関によって差があるとは思いますが、皮膚科では対応が難しいケースも。その場合、皮膚ではなく、膣やおりものなどの分泌物の異常などが考えられますので、産婦人科をご紹介することもあります」

幅広く対応できるのが婦人科

デリケートゾーンのトラブルには、病気の可能性があることも忘れてはいけません。その場合は、デリケートゾーン全般の診察が可能な婦人科が好ましいと言えます。

「一概にかゆいといっても、カンジダ膣炎の可能性もあれば、痛かゆい場合はヘルペス外陰炎の可能性もあります。

ニオイがある場合も、下着の締め付けが強くて蒸れてしまったからということもあれば、おりものに原因があることも。

デリケートゾーンに起きるトラブルは様々な原因が考えられます。婦人科では、外陰部の皮膚の変化や膣粘膜をはじめ、おりものの状態など、総合的に診察するため、幅広い症状に対応できます」(吉形玲美先生)

何もしないのがもっともNG!

皮膚科、婦人科それぞれ診察内容が異なるとはいえ、対策を取ることができます。気になる症状がある場合は、自己判断で終わらせず、皮膚科でも、婦人科でも、相談しやすい専門機関を受診しましょう。

そして、トラブルを起こさないためにも日々のケアも大切です。ケア方法や専用アイテムについても、気になることは医師に相談してみてください。

 

神島輪先生
かみしま・りん 東京女子医科大学病院、シロノクリニックなどでの勤務を経て、水道橋ひふ科クリニックを開業。日本抗加齢医学会専門医、日本レーザー医学会認定医、日本皮膚科学会正会員、サーマクール認定医、ウルセラ認定医でもある。
https://suido-hihu.com/

 

吉形玲美先生
よしかた・れみ 医学博士、日本産科婦人科学会 産婦人科専門医。東京女子医科大学医学部卒業後、同大学産婦人科の臨床現場で婦人科腫瘍手術をはじめ、産婦人科一般診療を手掛け、女性医療・更年期医療のさまざまな臨床研究にも携わる。浜松町ハマサイトクリニックで婦人科専門医としての診療のほか、多施設で予防医療研究に従事。更年期、妊活、生理不順など、ゆらぎやすい女性の身体のホルモンマネージメントを得意とする。

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木川誠子
出版社勤務を経て2009年よりライター・エディターのフリーランスとして活動。ウェルネスや美容、ライフスタイルのコンテンツを発案し、ディレクションから執筆まで一貫して携わる。2016年から兼ねてより関心のあったフェムテック領域に本格的に取り組み始め、フェムケアをはじめ、五感を通して自分を知るための”フェムアートプロジェクト”を立ち上げる。2022年には「株式会社k company」を設立し、その実践の場を創造・提供している。ライフオーガナイザー1級/アロマ心理/公認フェムテックマイスター(TM)