
『卵子凍結』の誤解って? よくある見落としがちなポイント
INDEX
保管体制と凍結保存費用も重要
自身のライフプランのためにする『卵子凍結』は自由診療。料金体系には一定の傾向はあるものの、クリニックによって差があることも事実です。また、体外受精で妊娠・出産することをゴールと考えると、凍結した卵子の保管方法についても知っておく必要がありそうです。
花田氏:「卵子は生きた細胞なので非常にデリケート。保管は『卵子凍結』を謳うところならどこでもいい訳ではなく、環境がしっかり整っているサービスや生殖医療専門のクリニックを選ぶことも大切です。
また、凍結した卵子の保管費用についても考えなければなりません。一般的には凍結する卵子の数や年数に応じて費用が発生しますが、高額の保管費用を支払っていても、保管環境が悪く卵子が死滅してしまえばその費用は意味が無い上に、目に見えない卵子の状態を利用者側が確認することはできません。実際に、私たちの提携クリニックのなかには“患者さんのために外部の卵子凍結サービスから凍結卵子を受け入れたこともあるが、体外受精の成績が明らかに低かった”とおっしゃる先生もいらっしゃいます。
最終的な意思決定は自分自身になると思います。納得のいく判断をするためには『卵子凍結』について理解を深めるだけでなく、まずは検査や診察を通じてご自身の身体に向き合うことが不可欠です。
私たちはご納得いただいた上で“選択”いただくために、トップクラスの専門医が登壇するオンラインセミナーをはじめ、『卵子凍結』に関するご説明の機会を各種ご用意しています。何か分からないことがあれば私たちもサポートさせていただくので、情報収集にお悩みの方は、噂話を鵜呑みにすることなく、ぜひ正しい情報をご選択ください」
健康や医療についての正しい情報を選び、自らの健康を向上させることをヘルスリテラシーと言いますが、国際的にみても日本は特に低いと言われています。
花田氏いわく、最近の10~20代女性は、PMS(月経前症候群)や生理不順で身体の不調が続いても、誰かに相談したり病院に行ったりすることなく、野放しにしてしまうことが多いそうです。(実は私もその一人でした)
まだまだ女性が抱える健康問題について知らないことが多く驚きました。でもそれは、日常生活で気づくきっかけがなかったり、自分の健康を過信していたりするからだと思います。もっと自分の身体に関心を持つこと。それこそが豊かな毎日を支える糧になるのではないかと実感しました。
花田秀則さん
はなだ・ひでのり 選択的卵子凍結保存サービス「Grace Bank(グレイスバンク)」を運営する株式会社グレイスグループ代表取締役CEO。慶應義塾大学経済学部卒。株式会社博報堂を経て、2020年、株式会社グレイスグループ設立と同時に現職に就任。
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