ココロの処方箋 連載 by 小嶋美樹

【公認心理師監修】セックスを上手く断るには“かわいく焦らす”「ツァイガルニク効果」を試してみよう!

相手を傷付けずに断る「ツァイガルニク効果」

「ただ、何度も『体調が悪い』とアピールするのは、なんだか気が引ける……という方もいらっしゃるでしょう。そこで、もうひとつの方法としておすすめなのが、セックスを敢えてかわいく焦らすことです。たとえば軽いキスまで進んだ段階で、『今日はここまでね。続きは次回のデートでしようね』と言って、その日のセックスを断る方法です」

―それはかなりの上級者テクニックですね!

「実はこの方法は、相手を傷付けずにセックスを断るのに効果的なだけでなく、相手がより自分に興味を持ってくれる可能性の高い方法なのです。心理学の世界では、これを『ツァイガルニク効果』と呼んでいます。

人は達成できた事柄よりも、途中でやめてしまった事や、まだ終わっていない途中の段階の事の方が記憶に残りやすいのです。この現象を『ツァイガルニク効果』と言います。

たとえば、テレビの連続ドラマには、最終話以外にはいつも続きがありますよね。物語を途中で強制的にストップされてしまうため、次回がものすごく気になったりしませんか?インターネットの記事などでも、1ページ目よりもクリックした先にある2ページ目のほうが気になったり……。そんな人間の心理を利用した理論が『ツァイガルニク効果』なのです」

相手の誘いに100パーセント応じる必要はない!

「自分が興味を持っている対象や事柄がいったん遮断されることで、以前よりもより強く気になってしまう、というのが『ツァイガルニク効果』の原理です。恋愛においても、キスまではするけれども『その続きは次ね』と待たされることで、相手の興味をより自分に引くことができるとも言えるのです。

この理論を上手く取り入れて、相手のプライドを傷付けたり悲しませたりすることなく、上手にセックスを断ることができたら、お互いにとってプラスになることは間違いありません」

―たしかにその「おあずけ」な感じ、男性は嫌いじゃない気がします(笑)。

「そもそも、相手の誘いに100パーセントで応じることが恋愛においてベストというわけではないのです。セックスも、相手を傷付けることなく上手に断ることができれば、時には断ることも関係性の上ではプラスに働くことがある、という認識をまずは持っていただきたいなと思います」

セックスの誘いを何度も断っているうちにセックスレスになってしまうカップルは非常に多いそう。だからと言って、自分の本心を隠し、無理にパートナーの要求に応えることをくり返すことは、女性の心身の健康にとってよいことではありません。今回の山名先生のアドバイスをぜひパートナーとの良好な関係作りに役立ててみてください。

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【公認心理師監修】夫とのセックスレス。「身体の結びつき」がもたらす女性の心身への影響とは?

山名裕子先生

やまな・ゆうこ 1986年生まれ、静岡県浜松市出身。公認心理師。「やまなmental care office」を東京青山に開設。心の専門家としてストレスケアからビジネス・恋愛などの悩みへのカウンセリングを行っている。メディア出演や講演会活動も多数。

山名裕子YouTubeチャンネル:「心の専門家チャンネル

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小嶋美樹
編集者、ライター、ディレクター。大学卒業後、出版社に勤務し、女性誌や実用書・ビジネス書の編集、WEBディレクターなどを経て、2020年からフリーランスに。現在は主にインタビュー記事や女性のライフスタイル・子供の教育系記事の執筆、韓国エンターテインメント記事の編集・執筆など行う。趣味は旅行で、今一番欲しいものは子供たちと日本中を旅して回れるキャンピングカー。